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化学療法中の子ども部屋で1日遊んで過ごした日の出来事。4〜5才の男の子と女の子の二人部屋
で、女の子(以下Kちゃん)のほうへドクターが採血にやってきた。
テーブルについて、ドクターが「Kちゃん、血を採りに来たんだけど、いいかな?」と若いドクター
が話しかけた。Kちゃんは黙ってうつむいてしまった。どうするのか少し離れたところで私は見ていた。
ドクターはそれからずっと黙ってKちゃんのほうを見て、待っていた。数分してからKちゃんが顔を
上げてドクターのほうへ腕を差し出した。『痛くないようにやってね』と言うとドクターは、
「分かった、痛くないようにやるよ」と一発で採血していた。Kちゃんはその間、痛いと声を出すこと
もなく、一人でじっと動かずに頑張っていた。
小児の穿刺というと、何人かで取り押さえるシーンしか記憶になかったので、それはそれは感動して
しまった。後でKちゃんのお母さんが面会に来たとき、「Kちゃん、頑張っていて偉かったですよ〜。
私も将来頑張らなくちゃ!ってKちゃん見て思いました。」と伝えておいた。
髪の毛も抜けてしまい、部屋からも出られずにいること、治療のため採血も必要だと4歳の子なりに
理解して頑張っている様子にとても感動したし、励まされた。当時は十分な知識もない学生だったけど、
そんな私に貴重な1日を与えてくれた、小児病棟師長さんには感謝している。
ナースになった私を支えている思い出の一つでした。
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