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蒼月の渡り人-蜉蝣-

 そう。おやびんはたしか「カゲロウ」とつぶやいたのでありますな。

 カゲロー? そりゃひょっとしてあの暑い夏の日にウラウラウラウラと景色がゆらめくあの現象ですかいおやびん---

 質問したあたくしの後頭部を平手でびたんとハタいたACCELL、

「ぶわかもん。カゲローっつたらほれ川面をひらひらと舞うように飛ぶあのカゲローであろーが」

 目が点になり、しばらくボーゼンとしておったあたくし、よーやくその意味に気がつき、

「あ〜あ〜あ〜」

 と某消臭剤CMのオトボケ家族のような声を出し、トンボににたあの昆虫の蜉蝣を思い出したというわけでありますな〜。

 そうして突然ACCELLおやびん、ギターかかえてつまびきながら、頭に浮かんだメロをふふふんと唄い、送ってよこしてくれたのでありました。

 そう、それがこの曲のメロディ。うーむさすがさすがさすが。歌詞は苦手だけれどこういうイマジネーションを音にしちゃうのはわが首領ACCELLのもっとも得意とするところなんでありました。

 すぐさまこの曲を和風のアレンジにしてオケを作ってよこせ、と具体的指令がとび、あたくしはふがふがふがと秘密兵器キーボード80くんに向かいせっせと挑んでいったのでございます。

 できた曲を聞くと、まあなんと清らかな水の流れの中にあのウスバカゲロウがゆらゆらゆらと優雅に、そして悩ましく飛び回っておったのでございます。

 川面に開いた数々の花とともに、その夢のような世界はふわんとあたくしの脳裏に開かれたのでありまする。

砂漠の欲望

 もしも砂漠で死にそうになって、そこにいろいろと欲望が叶うとしたら、わしはいったいどんな夢をかなえようとするんであろーかw

 というのが、そもそもの始まりだったのでありんす。

 むかーし子供の頃読んだ「金の斧銀の斧」、あるいは「アラビアンナイト」に出てくる「アラジンの魔法のランプ」といった、ヒトの欲望というか本性というものが、条件のある選択の自由を目の前にしたときどう欲望を選択しちゃうのか、といったことに興味がわいたのでありまする。

 いってみれば心理テスト。それによってその人がもつ深層心理的がわかっちゃうのではないか、その人の正体がバレちゃうんではないかと。

 そーゆーことを曲にしたとき、聞き手もすぐさま疑問の鼻風船とともに欲望と夢の世界へ旅立つことができるんではなかろーか---

 曲ネタ考えてるとまあいろんなこと考えちゃうもんですなあ。

 このサイだ、なんでもネタにしてやっちまおう、ってんでわがACCELLおやびん、ネタもおしつまった挙句の果てにこの話に仕方なくのったんでありまする。

 よおしよおしといって張りきって作ったdemo音源、一度はボツになったんでありまするがね、気合を入れて作ったあたくしのあまりの落ち込みように、「やあやあすまんすまん。気をとりなおして歌ってやろうではないか」と、ACCELLおやびん一肌脱いだわけでありまする。(裸になったわけではありませんがw)

 ともかくその落ち込んだバージョンの砂漠の欲望インストルメントも、完成バージョンとともにどーんと公開しちゃったんですなあ。

 この2つのバージョン、聞いてみると、いかにあたくしが当時落ち込んでいたかがうかがえる、異色作品となったのでありました。

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