おサルの勉強部屋

このページでは行政学、政治学、数学の本から触発された疑問について自問自答形式で答えてみました。

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江戸時代は徳川幕府の治世であり天皇が何らの政治力を持っていなかったことは明らかです。また、現憲法が制定された後は、天皇は我が国の象徴となり、やはり政治的には権限を持たない存在となりました。では天皇が大権を有するとされる明治憲法下において天皇は実質的な政治権力を有していたのでしょうか。答えは完全なYesとも完全なNoとも言えませんが、かなりの程度Noに近かったと考えられます。天皇は憲法により立法、軍の統制、行政の遂行において大権を有していましたが、その大権はやはり憲法の定めにより、補弼者(補佐者)の同意無くては無効でした。実際には、補弼者たちが意志決定のための案作りをし、天皇はその案を裁可するという役割を果たしてきました。天皇は裁可を拒むことはできましたが、補弼者の上位決裁者ではないので、補弼者が望まないような案を自ら作ってこれを決定することはできません。これは普通の会社における上司部下の関係よりも上司に権限がない状態です。
かくも天皇の権限が制限されていたのは天皇の神聖性と関係があります。天皇が神聖不可侵であるためには、天皇が政治責任を問われなくて済むような政治決定の仕組みが必要です。そのため、重要な政治決定はなるべく補弼者が主導しました。これは天皇が単なるロボットであったということではなく、案件によっては天皇の意志が強く反映されたものもあったようですが、概して、政治が天皇に主導されないよう、補弼者たちによる念入りな配慮がなされており、天皇もそのような役割を受け入れてきたという事実があるのです。

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