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先日、本屋で見つけたこの本を、手に取った瞬間に買っていました。
最近テレビのコメンテーターとして出演している宗文州さんと故中川昭一さんの対談集なのですが、どちらも率直に自分の意見をぶつけており、非常のおもしろい本でした。
その中でわかったことは、中国に対しかなり厳しい発言をしていた政治家中川昭一氏ですが、その本旨は、日本人として「国」を守るため、日本人の弱さを十分熟知しているが故の政治家としての本能であり、中国人の宗文州氏も中国人の長所・短所、そして日本人の長所・短所をわかった上で、中川氏の考えには同調している部分も多くあり、後書きには「私の考えはあくまでも私という個人の考えであり、ほかの中国人を代表するものではありません」と素直に書いてあるところに、この対談集のおもしろさがありました。
「僕は今“死”について意識し始めています」
中川:死を意識するというのは、まあ、落選も含めてなんですが・・・・
僕は、自分が54歳になって、父はあと3年で死んだのか、と思うことがあるんです。
父(中川一郎元衆議院議員 1925〜1983年)の死というものをすごく
意識しています。また、病気や亡くなる知人も多くなってきていますから。
2008年4月17日初版の本であります。当時中川昭一さんは、自身がこのようなことになるとは夢にも思わなかったのでしょう。私もこの部分を読んでドキッといたしました。
例えば東シナ海のガス田の問題に対して中川氏はこのように言っております。
中川:中国の政治家って、いちいち日本にとって気にくわないことばかりやっているけれど、自分が指導者だったらオリンピックはやるのは当然ですよ。それに東シナ海の問題でも、実のところ、中国が悪いという以前に日本が悪いんですよ。
宗:どうしてですか?
中川:日本が中国に対して甘くして、いつも抵抗しない。友好と話し合いが第一で、リスクを冒さないという姿勢でいるからです。
そうなれば、中国に限らず、どこの国も柔いところを付いてきますよ。ここまで日本の外交や安全保障がおかしくなったのは、何も中国、韓国、北朝鮮のせいじゃなくて、日本自身の問題です。僕が中国の政治家だったら日本に対してもっと厳しく対応していたかも知れないと思うくらい、日本の側がだらしない。
「対談」というこの本では文章が話し言葉となっていて、中川さんの人となりがそのまま感じられます。そして私がこの本を読んで感じたことは、政治家中川昭一という人間は「保守本流」という政治姿勢は、私が過去に読んだ2冊(「飛翔する日本」「日本を守るために日本人が考えておくべき事」)の内容も含めて、その哲学が一貫して貫かれていると言うことです。
一見、あの東シナ海の問題は中川昭一を「極右」的に見た人もいるかも知れませんが、この対談の内容を見る限り、政治家として、日本を守るために当たり前のことを毅然とやっていたと言うことが読み取れます。そして、単なる右寄りではないと言うことを「僕が中国の政治家だったら・・・」と置き換えて話しているところに、中川昭一という人間が、真に「政治家」だったと言うことを、私は文章から感じ取りました。
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今年末の企業回りをしていますが、昨日、中川選対の渉外・運営を任せられていたEさんと懇談をしました。
Eさんしかわからない中川昭一の苦悩を話してくださいました。
選挙期間中、Eさんに「政策で勝負したいな」と漏らしたと言うことです。しかし、2月の事件以来、まだ中川氏のイメージは払拭されているわけでもなく、世論の厳しい状況を肌で感じていたEさんは「だめです。今は頭を下げなければ国民は納得しません」と言ったといいます。
当時の状況ではもっともの話であります。政策通の中川氏を十分知っているEさんにとって、この心境が痛いほどわかっていたという。Eさんは選挙に負けたことは悔いていないと言うと嘘になるが、全力を傾けて闘った事には悔いていないという。しかし、このことだけが心残りと話していました。
私も候補者3人の討論会を傍聴しました。共産党はともかく、民主党の候補との政策論議には、政策の中身と経験値からでる言葉の重みに雲泥の差があったことは、聞いている人が見れば一目瞭然でありました。
「政策で勝負したい」
もし中川昭一という人間が生きていて、今の民主党の、マニフェストを平気で変える体たらくな政治運営を目の当たりにしたとき、中川氏の最後のブログ「日本が危ないから」との最後のメッセージに込められたあの心境と同じく、「ほら、私の言ったとおりだろう」と声を大にして言っていたことだろう。
ぶれない政治家。一貫して信念を貫き通した政治家中川昭一
わずか7〜8年前に「秘書の行為の責任は議員の責任だ」などと発言したにも関わらず、「私は私腹を肥やしたり、不正な利得を得た思いは一切ない」と釈明した鳩山総理の言動を見るにつけ、議員として、公人として、誰が聞いても自ら発言した事を、180度違うことを言う人間としての資質、政治家としての信念のなさ、哲学不在を嘆くのは私だけでしょうか。
「政策で勝負したい」
今北海道は総理の問題も含め、国会議員の政治とカネの問題が渦巻いています。
私は保守本流ではありませんが、一地方議員として、中川昭一さんの万分の一でもその信念を持って地方政治に取り組んでいきたいと思う1人でありあます。
改めて、中川昭一さんのご冥福をお祈りいたします。
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