|
広島市立商業高校(略して市商)との高大コラボレーション授業です。 写真は、市商高校から見た広島経済大学です。 向かいの山の中腹写っています。 これ、実は、研究室からよくごらんいただいている夜景の逆のアングルです。 さてさて、今日は、火曜日(5月12日)のC・Dクラスにつづいて、A・Bクラスで火曜日と同じ課題をやってきました。 火曜日は、ネタバレになるといけないので、記事にしなかった課題内容ですが「商品配達競争」というゲームで流通の仕組み、特に「売買集中原理」というのを体感してもらおうということだったわけです。 この「売買集中原理」、そんなに難しいことでもないんですが、教科書を読んだだけで高校生がぴんと来るかというと、微妙だな思うんですね。 一応説明してみましょう。(読み飛ばして、先に進んでいただいても結構です。いや、読み飛ばされることを強くオススメします。) 「売買集中原理」というのは、生産者と消費者が直接取引するよりも、商業者を間に挟んで、そこに取引を集中させると、いろんな意味でスムースな流通ができるということです。 「いろんな意味で」というのは、例えば「情報の縮約・斉合」といいまして、生産者側の「こんな商品を作ってみたんですけど、いりませんか?」という情報と、消費者側の「こんな商品がほしいんですけど、ありませんか?」という情報を生産者と消費者で個別にやりとりするのは、ややこしい。商業者が仲介してくれれば、商業者に聞けばすべてわかるということです。この情報の縮約・斉合が行われるおかげで、いわゆるワンストップ・ショッピングが可能になります。 「いろんな意味で」という時に、もう一つ大事なのが、「取引数単純化原理(取引数極小化原理とも言う)」で、生産者と消費者が直接取引をするよりも、商業者を介在させた方が取引回数が少なくてすむので効率がいいということです。例えば、5人の生産者と5人の消費者が、全員と直接取引するとなると、5×5で25回の取引が行われることになります。このとき間に商業者が一人介在してすべての取引を仲介すると、生産者5人と商業者の取引が5回、商業者と消費者5人との取引が5回で、合計10回の取引で済んでしまうというわけです。 ほかにも「不確実性プールの原理(集中貯蔵の原理)」という、商業者に集中して在庫を形成することで、各生産者が個別に在庫を形成するよりも、社会全体の在庫量が少なくて済むというのもあります。(なぜそうなるかは説明省略) さて、これだけいろいろメリットがあるわけですが、商業者の能力も考えないといけません、すべてを一人の商業者に集中させて裁ききれるかという問題もあります。そうなるとライバルが出てきますね。同業者が出現します。一人の商業者ですべての仕事をさばくよりも、同業者がいた方が、一人一人の仕事負担が減りますから流通がスムースになる面は当然あります。しかし、流通ルートが複線化するわけですから、取引回数は明らかに増えます。ある一定量以上の商業者が現れると、生産者と消費者が直接取引する場合よりも、かえって取引回数が増えて非効率になることもあります。 とにもかくにも、この売買集中原理が商業者の社会的な存在意義です。多すぎると問題ですが、適切な数ならば、商業者がいてくれて、商業者に売買を集中する方がいろんな意味で、流通がスムースになるのです。 と、こんな風に、「売買集中原理」というのは、とっても重要な上に、それほど難しい話でもないのですが・・・これを文章に書いて、読めといっても、まぁぴんと来ないでしょうね。実際、ここまで、読んでくださった方が何人いるでしょうか(笑) はい、お待たせしました!! そういうわけで、説明するより、実際にやってみようよ!というのが、このゲームの趣旨です。 では、ゲーム・スタート!! まず一回目。 AクラスとBクラスそれぞれが、相手のクラスに商品を配達します。 商品は、各自のクラスと番号を書いた紙です。 これを相手のクラスのメンバー一人一人に配達します。 まずは、Aクラス全員が、Bクラスに配りに行きます。 つまり、AクラスとBクラスの直接取引ですね。 16人×16人で256件の配達が行われたことになります! ごらんの通り、大騒ぎになります。 この配達には1分06秒かかりました。 今度はBクラスがAクラスに配達に行きます。 やはり混乱しますね。 1分17秒ですね。 大騒ぎの割には、速いですね。 ストップウォッチで時間を計りながら競争しましたからね、がんばってくれました(笑) さて2回目の配達競争、今度は両クラスからそれぞれ1名ずつ代表を出して、よーいどんで一気に配達します。 チーム代表の責任感からか、だいぶがんばってくれました。 Aクラスは29秒、Bクラスは27秒。 どちらも1回目の半分以下のタイム。 劇的に短くなりました。 3回目は、両チームから5人ずつ代表を出してもらって、分担して配達します。 Aチームは17秒、Bチームは20秒と、どちらも短縮されました。 この競技結果を、ワークシートに書き留めて、「なぜ1回目より2回目、2回目より3回目が速くなったのか!?」ということについて、自分なりに予想を書いてもらいます。 ここではじめて、上に書いた売買手中原理を、パワーポイントで図解しながら、説明するわけですね。 と、まぁ、こんなことを1年やっていこうと思います。 教科書の太字の部分を暗記するだけなんていうビジネスの勉強は、あまり意味がないと思うんですね。 むしろ、ゲームをしたり現場の様子を見たりして、どれだけ実感をもって理解してもらえるか。 高校生には高校生にふさわしいビジネス教育の入り口を考えていきたいと思います。 ということで、これから一年一緒にがんばろう!という意味を込めて、第1回目の授業の記念撮影をいたしました。 市商のF田先生が、細井ゼミブログは「立派な方がたくさん見てるんだから、まじめな顔をして写るんだぞ!」と脅しをかけたので、ちょっと控えめなピースサインです。 細井ゼミブログは、立派な方がたくさん見てる!? そう、今、このブログを見ているあなたのことです。
ぜひ、市商のみんなに立派なコメントをしてあげてください(笑)。 |
全体表示
[ リスト ]






↑で、皆さんが読んだと言ったからやっと読んだ怠け者ですが(爆)
ある意味、大規模スーパーは越後屋ですよねえ。集中の原理に乗っかってあれだけ商品かき集めて、商店街に出さないわけですから〜。
で、商店街って、原理から言ったら生まれて当然だけど非効率的ってことになるんですかね?
2009/5/16(土) 午前 7:26
市商の皆さん
Hosoi先生の授業を受講できるなんて、幸運な
事だと思います。
特に女性には優しいお人柄ですから、懇切丁寧で
楽しい授業になると思いますよ。
但し、このブログは立派な方も見ていますが
そうでもないという方々も、沢山おられます(笑)
気軽に書き込みして下さいね。
2009/5/16(土) 午前 8:40
うちの会社は基本的には問屋ですから、売買集中の中心におります(いるはずです)。・・・・この理論は懐かしいですね。久しぶりに教科書を読み直そうかと思いました。
医療商社は以前は流通の中のチャネルリーダーだった時期もあるのですが、ここ数年でリーダーの地位が低くなりました。消費者のほうに(うちだと医療機関)にリーダーの地位を奪われつつるようで、もう物を売るだけの姿勢では利益率を回復するのは難しいですね。
売るものが「物」から「情報」あるいは「提案」にドラスティックに変わってきましたし、満たすべきものが「ニーズ」から「ウォンツ」へ劇的に変わってきてます。
問屋は・・・厳しい(あ、愚痴になってしまいましたね)。
2009/5/16(土) 午前 10:24
こんな授業、私もやってみたいです〜。さすがですね! hosoi先生は、大学の先生の中でも教えるのがうまくて有名な方です。生徒のみなさん、おもしろい講義が聴けて、幸せですね☆
2009/5/16(土) 午後 1:45 [ - ]
最初は、見事にすっとばそうとしちゃいましたが、「>実際、ここまで、読んでくださった方が何人いるでしょうか(笑)」という一文が目に止まり、「仕方ないな〜、じゃあ、私が」と突然奮起。自分の責任感の強さを自負出来た記事でした(まあ、全部読んでも、結局こんなコメントしか残せないので意味ないんですが^^;) 面白い授業というのは、ずっと記憶に残りますよね!
2009/5/16(土) 午後 2:46
高校の時に近しい授業はありました。職業科ですので。
先生方がそこまで狙っていたのは考えませんでしたが、面白いと思っていました
ところが半年終わったら、この授業の運営係にされてされてしまい・・・
運営係はおもちゃの商品やお金を用意したり、先生にお茶を入れる(!)係
実際社会に出て、女子の仕事はそういうことばかりで(時代が時代だったので)
役にたたなかった訳ではないのですが、私はもっと商業実践をしたかった・・・
今でも運営係みたいな役の子がいたらもっと短いスパンで交替にしてあげてほしいなぁ
2009/5/17(日) 午前 0:19
売買集中原理売買集中原理売買集中原理売買集中原理売買集中原理・・・・取引数単純化原理取引数単純化原理取引数単純化原理取引数単純化原理・・・・取引数極小化原理・・・・なんの×ゲームでしょうか!?口がもつれて・・・・。
学生さんたち、毎日こんな早口言葉(・・・違う!?)を暗記なさっているのですね。すごいわぁ〜。
以上、社会人の立派なコメントでした。
母は速やかに去る。。。
2009/5/17(日) 午前 11:24
ぶたままんさん
読みましたか(笑)
お役に立てたようで、何よりです。
で、そうですね、F田先生がいなければ、私がこんなことを考えても高校生に披露する機会がない。いや、そもそもF田先生がいなければ、高校生にこんな授業が必要だなんて考えもしなかったですね。
仲買人、重要ですね(笑)
2009/5/17(日) 午後 4:14
にゃーごさん
商店街は、単なる商業集積ではなくて、生活の場だという点が、大型スーパーやショッピングセンターと異なります。
ショッピングセンターは、何が違うかというと、ディベロッパーがテナントを管理しているという点ですね。周辺住民のニーズを考えて、どんなテナントを入れるか考えて、誘致して、成績が悪ければ退去勧告をして入れ替えます。
一方、商店街の方は、各店舗は基本的に生活の場ですから、販売成績の悪い店があっても、それを他の店に入れ替えようと言っても、なかなか難しい。結局、ニーズとの乖離が発生して、廃れていきます。
ビジネスという点から言えば、ショッピングセンターが越後屋的に不正競争をしているわけではなく、むしろショッピングセンターの方が消費者のためになっているとさえ言えます。
ただ、それでいいと断言しきれないのは、商店街はまさに「街」ですから、商店街が廃れるということは一つの街が崩壊していくということですね。商店街や周辺住民の生活という観点から言えば問題です。
2009/5/17(日) 午後 4:26
↑(続きです)
さて、それでどうするかですが、大店法はとにかく大規模小売店の活動を制限して中小小売商を保護しようという法律でした。
しかし、それは大規模店のいい点を無視した、中小小売商を票田とする政治家のエゴだという批判もありました。
そこで2000年の大店立地法では、大規模小売店周辺の生活環境の保護が法律の目的になりました。大規模店そのものを否定するということはもはやしない。そのかわり店舗周辺の生活を守ろうというわけですね。
幸い、できたてのイオンが、本学と市商の間にありますから、そういうことも講義で話題にしていこうと思っています。
2009/5/17(日) 午後 4:27
ぴよぴよさん
売買集中原理で物が集中することが、昔はパワーの源泉になっていたんでしょうね。物が集中すると言うよりも、情報が集中する大手小売業にパワーが写ってきているというのも、そうですね。
で、これからの売り物は「提案か」。確かに、ネットワークのハブになって、提案を生み出す業者は強いんでしょうね。ネットワークを束ねて、提案のためのコーディネートができる業者ということかな?
ハブになることが、ネットワーク内でパワーを持ちやすい。このことは今も昔も変わらなくても、何の流れの中心になるかがポイントなわけですね。
ぴよぴよさんのコメントで、ちょっと見通しが良くなった気がします。
ありがとうございます。
2009/5/17(日) 午後 4:32
kossさん
なんだか微妙に引っかかるコメント、ありがとうございます(笑)。
でも、ほんと、そうですね。
もともとこのブログは、自分のやっている活動をいろいろ披露して、気軽にコメントをいただければというのが設立の趣旨ですから、どなたからでも気軽にコメントいただけると嬉しいですね。
もっとも、元々は細井ゼミの活動を披露する場と思っていたのですが、ゼミの話題がどんどん少なくなっていますけどね(^^ゞ
2009/5/17(日) 午後 4:35
Tomoko先生
えええっ?Tomoko先生にそんなお言葉をいただけるとは・・・お世辞とわかっていても嬉しいです。
もっとも、私が教えるのがうまいことで有名だなんて、初耳ですが・・・(笑)
2009/5/17(日) 午後 4:38
67号さん
すばらしい責任感です(笑)
最近、記事が長くてすみません。ブログ開設当初は「写真1枚プラスひと言コメント」という方針だったのですが・・・
それはともかく、67号さんの言うように、記憶にの頃授業であってほしいものです。
2009/5/17(日) 午後 4:41
サクラノさん
そうでしたか、授業の運営係ね。
この授業に関しては、通常業務が終わった18時過ぎからF田先生と打ち合わせを初めて、綱渡り的に間に合わせるので、なかなか生徒さんに任せると言うことが難しいんですよね。
でも、運営係がおけるかどうか、ちょっと考えてみます。
全部は任せられなくても、一部分でも任せたらいいですよね。
やっぱり、ただ言われたことをするだけよりも、運営にも携わることができた方が、生徒さんたちの教育効果も高くなりますもんね。
とっても参考になりました!
ありがとうございます!
2009/5/17(日) 午後 4:45
0:49の内緒さん
過分なお褒めをいただき、恐縮です。
それほど立派なこともしていませんが、まぁこれからもできるだけのことはしたいと思います。
何かと大変なようですけど、がんばってくださいね♪
2009/5/17(日) 午後 4:48
母さん
そうそう、こういう用語を試験に備えて丸暗記しろと言ったら、ほんとにそんな風になるんですよね。まるで×ゲームですよね(笑)。
ビジネスに関する教育が、そんな×ゲームみたいなことにならないように、がんばりたいと思います♪
2009/5/17(日) 午後 4:51
んーと、今ひとつよくわからないのは、商店街も大規模ショッピングセンターも同じ「売買集中論理」で説明できるのかどうか。。。ということです。
大規模ショッピングセンターがなくなると周辺地域の衰退にやっぱりつながりませんか?と考えると、商店街の崩壊と同じような影響が起こると考えられるので、同じものと考えていいんじゃないのかとわたしのような素人は考えちゃうんですが。
2009/5/17(日) 午後 10:39
にゃーごさん
売買集中原理というのは、生産者と消費者の間に第三者(典型的には卸)が介在することの意義を説明した物なので、またちょっと違うんですけどね。だから売買集中原理で説明できるかと言われれば、できません。
2009/5/17(日) 午後 11:06
続き
で、この上のコメントに書いたのも、売買集中原理の話ではありません。「テナント・ミックス(日本語で言うなら、テナントの最適組み合わせ、というかテナントの編成とでも言うのかな)」という発想があるかどうかという違いのことなんですね。商店街がなくなるとか、ショッピングセンターがなくなるとか、そういうことじゃなくて、商店街やショッピングセンターの中のテナントの入れ替えが意図的に行えるかということです。
もちろん、これも商店街では絶対できないというわけではなくて、やってるところもあります。ただみんな独立の商店ですから、商店街全体の店舗ミックスなんてことは、まずできないですね。
大規模店がなくなっても商店街がなくなっても、周辺地域の衰退につながる点は同じです。ただ、そのプロセスが違うんですね。
商店街のほうは、意図的なテナントミックスができないのが最大の衰退の原因なんですね。古い細胞が新しい細胞に変わってくれないために、ヒトそのものが死んでしまうようなものです。
大規模SCは、こういう機能不全がおきにくい。
ま、程度の差ですが。
2009/5/17(日) 午後 11:10