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N0.1
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一昨日、ゼミ生とウッドエッグの体験スタジオでお好み焼きを焼かせていただきました。

ちょうどいい機会なので、広島のお好み焼きの焼き方について、解説をさせていただきましょう。

まず、広島のお好み焼きの基本中の基本から。
広島のお好み焼きは「重ね焼き」と呼ばれるタイプのお好み焼きです。
写真中央にあるように、色々な具材を重ねて行くんですね。
この重なった層の一番下にあるのが、クレープ状に引いた生地です。
このクレープ状に引いた生地の上に、好きな具材を載せて、まさにクレープを作るわけですね。

戦後、広島のお好み焼きは、重ねる具材を増やすことでボリュームを増していきました。
関西のお好み焼きは、粉を増量して具材を混ぜ込むという「混ぜ焼き」として発展していくことになります。

現在では、お好み焼きと言えば、全国的に関西風の混ぜ焼きのことですね。
しかし、広島風も関西風も、先祖は同じで「重ね焼き」なのです。
その重ね焼きが広島県、特に広島市とその周辺地域のみに残って、独自進化を遂げたわけです。
まさにガラパゴス化です。

広島のお好み焼きは、名前だけはそれなりに知られているようですが、この「重ね焼き」という特徴が全く理解されていないように思います。



N0.2
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さて、まず、クレープ状に引いた生地の上に、具材を重ねます。

一般的には、キャベツ、もやし、天かすです。
天かすが上に来ると、ひっくり返した時に鉄板に天かすが当たって、カリッとします。
野菜で天かすを挟むようにすれば、天かすのうまみが全体に回ります。
このあたり、お好み焼き屋さんによって、どんな味を目指すかで違ってきます。

この写真のように、その上から、削り節をかける場合も多いです。いりこの粉を混ぜたり、昆布粉を混ぜたりするお店も多いです。ガーリックや、オニオンパウダー、セロリパウダーなどを使う店も多いですね。これでお好み焼きの味や香りが違ってきます。



N0.3
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その上に、豚肉を乗せ、つなぎとして生地を少量垂らします。

つなぎは、豚肉をコーティングして、旨味を閉じ込める意味があります。
しかし、多すぎると、ボリュームが出過ぎます。
どの程度の量のつなぎを使うか、ここでも味が違ってきます。



N0.4
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さて、ここまで重ねてきた具材の山をひっくり返します。

広島のお好み焼きは、関西のお好み焼きと違って、生地をほとんど使っていませんから、まとまりません。
ひっくり返せば、当然、具材が飛び散ります。
関西風のイメージからすると、ひっくり返す時に具材が飛び散るなんてとんでもないことでしょうけれど、広島の場合は当然のことです。
飛び散った具材は、ヘラで集めればいいだけのことです。
野菜炒めのように、わざと広げて混ぜるようにすることさえあります。

いずれにしても、こうしてひっくり返すと、豚肉が一番下になって、鉄板に接しますね。
これで豚肉の脂や天かすの油が出ます。
それが野菜から出た水分と反応して、旨味のある水蒸気が出ます。
層の一番上に来た生地は、この水蒸気を具材全体に回して蒸し焼きにするためのフタの役割を果たします。

重ね焼きは、もともとクレープのように、具材を包んで(といっても二つ折り程度ですが)食べるものだったのですが、今日では具材がメインになっています。
生地は、食べるものというよりも、具材を蒸し焼きにするためのふたとしての意味合いが大きいです。
それゆえに、生地の存在感をなくそうと努力する店も多いのです。そういう店は、できるだけ生地を薄く引こうと努力します。関西風では必須のグルテン形成さえ避けようとする。天ぷら粉のようなシャバッとした生地を作ろうとする店も多いです。
ついには、生地をなくしてしまった店さえあるのです。所詮ふたの役割しか果たしていないのなら、金属製のふたをして蒸せばいいというわけですね。ここまで来ると、もはや粉モノではありません。もっとも、こういう店は、はるみだけだと思いますが。
一方、生地の存在感を増そうと、生地を寝かせてグルテン形成させたり、出汁を混ぜて味をつけたりするお店も多いです。


生地とはなにか!
お好み焼き屋さんによって、考え方が全く違います。
広島のお好み焼きを鑑賞するうえでの重要なポイントですね。



N0.5
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さて、ここでソバが入ります。
この日は、マスマンの茹で麺を使いました。
茹で麺というのは、広島では良く使われるのですが、麺を茹でた状態で出荷するものです。
全国的には、こういう袋入りの麺は、蒸し麺が多いと思います。
広島のお好み焼き屋さんでは、茹でも蒸しもせず、生のまま出荷される生麺を店頭で茹でて使う店が増えてきています。

コシや風味では生麺が勝るでしょうけれど、茹で麺や蒸し麺は、手軽に使えて、お好み焼き屋さんにとっては大変重宝するものです。
また、重宝だというだけではなく、蒸し麺は蒸す工程で面の表面にできる微妙なでこぼこにソースなど調味料が乗りやすい、茹で麺には出汁などうまみがしみ込みやすいという特徴があります。
全ての麺にそれぞれの特徴があるのです。



N0.6
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さて、この日は、茹で麺ですから、改めて茹でる必要はナシ。
袋から出して、鉄板の上に置いておけばいいのです。

その間に、具材の方をちょっと持ち上げて、焼け具合を見ます。
今回ご指導いただいたK本さんによると、ここでできるだけ首をかしげず、さりげなく見るのが、プロっぽく見えるポイントだとのことでした。
他にも、ヘリの方のキャベツの焦げ色だとか、豚肉の油が出てくるかどうかとか、裏を見なくても火の通り加減が分かるサインはいろいろあるのですけどね。



N0.7
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さて、火が通ったら、具材部分と麺を合わせます。

この麺の処理も、ほんと、お店によって、いろいろです。
味付けも違いますし、油でパリッとさせるいわゆる「めんぱり」にするかどうかとか、ポイントが色々あります。

麺パリもいろいろでしてね。
麺を一本一本ばらして、ほんとにパリパリにするお店もあります。
麺をまとめた状態で油をかけ、鉄板に接した麺だけパリッとさせるお店もあります。
麺をぎっしり固めた状態で焼いて行けば、ソバ寿司のようになります。特に細麺はそうですね。
ある程度麺を広げて固めに焼いた上でまとめると、麺が固いのでまとまり切らないわけですが、そのおかげで適度な空間ができ、空気を含んだ、はらりとほぐれる握りずし状態になります。

また、今日は、中華麺(いわゆるソバ)でしたが、うどん好きの方も多いですね。



N0.8
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はい、合わせるとこんな感じですね。



N0.9
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これを薄くクレープ状に広げた卵で包みます。
卵をクレープ状に広げて、その上にNo.8の具材の山をのせて、ひっくり返せばいいわけですね。




N0.10
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ひっくり返すとこんな感じです。
層の一番下に来ていた、卵が、今度は一番上ですね。

今回は、卵をクレープ状に広げてしっかり焼くスタイルで作りましたが、卵を広げずに半熟にする店も多いです。
こうさかのように、卵をすくい上げて、具材の山の上に乗せるという方法をとる店もありますね。こうなると、材料は同じでも、見た目も食感もだいぶ違ってきます。

ちなみに、さっきまで、一番上にあってふたの役目をしていた生地は、この段階で再び一番下になります。



N0.11
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ソースを塗ります。
ハケでソースを塗るというのは、意外に難しいものです。
刷毛をスプーンのように使ってソースをすくいかけ、かけた後から刷毛で広げる感じにするのが良いようです。
刷毛を使わず、おたまでかけるお店も結構ありますね。

ちなみに、ソースは温度で味が変わります。
冷たいソースをかける店もあれば、鉄板の上で温めておいて酸味を飛ばして使う店もあります。
ソースがお店のどこに置いてあるかも、チェックしてくださいね。



N0.12
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はい、ソースを塗って、青のりをかけて、出来上がり♪



N0.13
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こちらは、中国からの留学生Q君の作品。
青のりかけ過ぎな気もしますが、広島の「広」だそうです(笑)

考えてみると、関西では、マヨネーズはお好み焼きの模様を描く道具としても使われるわけですよね。
広島では、そういうお店はまずありませんが、こういう遊び心があってもいいですね。




N0.14
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出来上がったお好み焼きをみんなで食べました。
さすが細井ゼミ、猫舌の一部の人を除いて、ヘラで食べていますね。



N0.15
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こちら、私が焼いたお好み焼きの断面です。

広島のお好み焼きは、「重ね焼き」の名の通り、層状に具材が重なっているのがお分かり頂けると思います。

この層状の重なりが大切ですので、召し上がられる際には、ぜひヘラで召し上がっていただきたいと思います。
この写真のようにヘラきれいに切って、層状の重なりを崩さずに食べていただきたい。
箸で食べたら、この層が崩れてしまうのです。

広島のお好み焼きを箸で食べる・・・
それは、握りずしを箸でぐちゃぐちゃに崩して食べるのと同じなのです。

もっとも、一部の通は、それが分かってわざと箸で食べることがあります。
キャベツの甘味は十分に引き出されているか、麺はどんな風に仕上がっているか、生地の仕上げにポリシーがあるか・・・わざとパーツにばらして食べるんですね。
怖いですね(笑)




N0.16
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さてさて、お好み焼きを美味しく食べた後は、皿洗いや鉄板磨きも体験しました。
この鉄板磨き、かなりの力仕事で、結構大変なんですよ。



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O君「う、届かん・・・(苦笑)」

鉄板って、結構広くて、一気に端まで磨こうと思っても、届かなかったりするんですね。

この鉄板磨き、体力を使うのはもちろんですが、腰や肩にかなりの負担がかかるんですよ。

お好み焼き屋さんにいかれたら、鉄板のきれいさも見てください。
お好み焼き屋さんの、熱を扱う技術や、鉄板への愛情が分かります!



※ホットプレートで作る場合は、こちらをご覧ください。
http://blogs.yahoo.co.jp/kn_hosoi_hue/29000841.html


【追記】

ブログ引っ越し済みです → https://knhosoi.blog.fc2.com/

当ブログは、2019年5月8日に、fc2ブログに引っ越しました!

閉じる コメント(8)

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ゼミ生の皆さん、楽しめたようですね。
「楽しく学ぶ」理想の勉強法ですね^^
この素敵な記事は、明日の私のブログ記事に取り上げさせて頂きますわ(^o^)丿
今日の分は、先ほどUPしてしまったので…。
私は一日一記事なんですよ^_^;

2012/8/11(土) 午前 11:00 Gena

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一度、行ってみたいとは思いながらも一人で行くのは寂しくて。。。

2012/8/11(土) 午後 6:05 [ D-day ]

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ジーナさん
一日一記事、いいですね。
私なんか、書いたり書かなかったり、ムラがありますが、、、
何事も、ムリ・ムラ・ムダなく、コンスタントに続けて行くのが一番ですね。

いずれにしても、こんな長い記事をお読みいただき、恐縮です(^^ゞ

2012/8/11(土) 午後 8:44 Hosoi

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D-dayさん
私、実は、一人でおこのミュージアム見学をさせていただいたこともあります。ものすごく勉強になるのですが、、、案内係の方に申し訳ないなぁと、嬉しいやら、恐縮するやら・・・(^^ゞ

2012/8/11(土) 午後 8:47 Hosoi

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思わず熟読してしまいました!広島で本場のお好み焼き食べたいです。

2012/8/12(日) 午後 6:11 tomo@日本ビール党の部屋

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tomoさん
お待ちしております!

2012/8/13(月) 午前 9:10 Hosoi

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細井先生、残暑お見舞い申し上げます。
オタフクソースのキッチンかな?皆さん楽しそうですね。
オタフクソースのショールームに売っている「へら小町」というへらは御存知ですか?
通常のへらよりもひと回り小さく口の小さい女性やお子さんでも食べやすいようで、私の勤めている店でも数本置いてますが好評です。
ぜひ一度お試しあれ。
P.S.
私の勤めている”お好み焼めいじ”は、知りため!でご一緒の稲葉さんのご実家の巻きずし屋さんの向かい側です。
呉に来られる際はぜひお立ち寄りください。お待ちしております^^

2012/8/16(木) 午後 4:05 [ とまこまゐ ]

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とまこまゐさん
ご丁寧にありがとうございます。ここはウッドエッグ別館一階の体験スタジオですね。2010年の暮れ(だったかな?)に出来ていますね。
ヘラ小町もまた、試作段階から見せて頂いておりまして、とても思い入れがあるのです。とてもいいヘラだと思いますので、ぜひぜひ広めてください。

それにしても、稲葉さんの向かい側とは、、、
世の中狭いものですね!
いずれぜひうかがいたいと思います!
楽しみにしています!

2012/8/16(木) 午後 10:28 Hosoi

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