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今日は広島交響楽団の演奏会に行ってきました。
今日は「これが広響か!?」と驚くくらい素晴らしい演奏でした(失礼)
とっても長い記事になったので、どこがどう素晴らしかったのか、興味のある方だけどうぞご覧ください。
ゼミ生は、最後のメッセージを読んでおくように。
さてさて、今日の演奏会、会場は、いつもの広島厚生年金会館ではなく、はつかいち文化ホール「さくらぴあ」。
このホールは実にいいホールで、音がよく響くのに、残響が無駄にのこらず、実にキレのいい響きになります。それと座席配置が急傾斜で、前の人の頭が邪魔にならず、二階席でもステージがよく見え、いい音で聴けます。ちなみに今日はA席ですがS列というまぎらわしい席でしたが、十分いい音です。
肝心の演奏のほうですが、最初に演奏されたのが、モーツァルトの「魔笛」序曲。魔笛の音が静かに鳴り響き、そこから徐々に盛り上がっていくという曲です。メリハリがあって、なかなかの好演。もっともまだ余力を残した感じで、このあとの演奏が期待されるところでした。
二曲目は、ショパンのピアノ協奏曲第1番。第1楽章や第3楽章のメロディは、CMなどでも耳にすることもある、比較的有名な協奏曲。
ソリストは外山啓介さんというかたで、まだ東京芸大の修士課程在学中で、昨年CDデビューしたというところだそうで、名前を聞くのも初めてでした。パンフレットの写真は、甘いルックスと女性のような美しい手で、これまたルックス優先で大して期待できないのでは・・・と思ったら、これがまた実に見事な演奏をしてくれました。
特に第2楽章は見事でした。清楚でゆったりとした演奏なのですが、ショパンですからね、そんなゆったりした楽章でも超絶技巧が求められます。たとえば4拍の小節を「タン・タンタ・タン・タン」という単純な4拍ではなく「タン・タンタ・タリラリラリ・タリラリラリラリラルララ」とかいう、ものすごい指の動きをするわけです。しかもピアニッシモだったりする。速いパッセージを大きく強く弾くのは、勢いに任せて乗り切れるとしても、これを最弱音で清楚にゆったりと弾けと言われると、これはほんとに大変です。速いのにゆったりしていて、最弱音なのにオケにかき消されないようなキラキラと輝く珠のような音色でなければならない。こういう相反する要求にどう折り合いをつけるか。彼は見事にそれをやってのけました。
40分以上の曲を、全編暗譜で、つねに指揮者やオケと呼吸を合わせながら演奏する、彼の真摯な態度にもとても好感が持てました。ぜひ今後も活躍してほしいです。
さてさて、三曲目は、ベートーベンの交響曲第5番。
そう、クラシック・ファンならずとも知らない人はいないという超有名曲です。
クラシック音楽の代名詞ともいうべき有名曲ですから、クラシック音楽の演奏会に足を運ぼうという人ならば、CDの5枚や10枚持っていて、どこでどんな音が鳴るか知り尽くしているという人ばかり。普通に演奏したら「ありきたり」と言われるし、下手に変わったことをすれば「わかっていない」と批判される。どんな演奏を聞かせてくれるか、お手並み拝見。聴衆はみなそう思っているわけです。
ところが・・・というべきか、だから、というべきか、今日の指揮者の円光寺雅彦さん、驚くほどオーソドックスな解釈で、真正面から攻めてきました。カール・ベームの来日公演の時を彷彿とさせる上体をかがめた姿勢でフンと踏ん張ると、半拍遅れで例のジャジャジャ〜ンという第一主題が始まります。そしてこの第一主題が、まるで鉄のように、重厚で、中身の詰まった重みのあるすごい音で、圧倒されました。しかも、明るくて、切れがあり、リズミカルで・・・「ほんとに広響か」と思うほどいい音でした。
第三楽章から第四楽章に移るところなどは、ほんとに見事。最弱音からクレッシェントして第四楽章になだれ込むわけですが、これはもう爆発的な盛り上がりでした。しかし、金管楽器には音量を下げさせ、弦楽器中心の響きをつくり、うまく抑制を効かせていたのもまた見事です。この部分は、確かに爆発的でなければいけないのだけれど、本当のピークはこの後に来るのだから、ここで力を出し切るわけにはいきません。この辺のコントロールも見事にきいて、この後の再現部で本当の爆発がきます。最後の最後まで、爆発的なパッションがありながら、全てがち密に計算されているという見事な演奏でした。実に見事な演奏で、終焉後もいつまでも拍手が鳴りやみませんでした。
こんな言い方は広響に失礼かもしれませんが、この有名曲を、全くの正攻法で、真正面から正々堂々と攻めてくるとは、おみそれしました。見直しました。
この「運命」、ちょっと大げさかもしれませんが、これまで私が聴いてきた、どの「運命」よりも、いい「運命」でした。
今日は、ほんとにいい演奏でした。
広響の皆さん、どうもありがとうございました!!
広島交響楽団
http://hirokyo.or.jp/
外山啓介
http://www.keisuke-toyama.com/
※ゼミ生諸君、クラシック音楽を聴くのはカワツさんとマツシマ君くらいのようだが、今度みんなで聴きに行くぞ!こないだ異文化に飛び込めと言ったけれど、外国に行かなくても、国内でも普段自分の行かない世界があるでしょう。まずそこに飛び込もう。学生は1500円で定演が聴けるんだから、聴きに行かなきゃもったいない!
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