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広島交響楽団第291回定期演奏会に行ってまいりました。
曲目は以下の通り。

シベリウス:悲しきワルツ
糀場富美子:未風化の7つの横顔〜ピアノとオーケストラのための
ラフマニノフ:交響曲第2番 ホ短調 作品27

指揮:秋山和慶
ピアノ:長尾洋史

実は今日は行くつもりがなかったのですよ。
まず今日締め切りの論文がありましたし、今日もいろいろ仕事があったのです。
ですが、どういうわけか、いけるようになったんですね。
論文は昨晩(というか今朝)3時頃なんとか書き終わり、今日の仕事も無事終わりました。
それでチケットも買っていなかったんですが、当日飛び込みで行ってまいりました。

ラフマニノフの2番は、もともと好きな曲です。
「行きたいけど、行けないな」と思いつつ、ここのところ毎日のようにiPodでこの曲を聴いておりまして、一日中頭の中でこの曲がぐるぐる回っていたのです。
思えば通じるというかなんというか、行けるようになるもんですね(笑)



さて、演奏のほうですが、今日はなかなか良かったです。

まず一曲目、シベリウスの「悲しきワルツ」。
タイトルの通り、悲しい曲ですが、ワルツですからね。
悲しみを抱えつつも、踊り続けるという奥深さのようなものが求められます。
今日の演奏は、細かなニュアンスが良く表現できていて、いい演奏でした。
2曲目以降にも期待がふくらみます。

二曲目は、広島出身の作曲家・糀場富美子(とうじば とみこ)さんの「未風化の七つの横顔」。
原爆の記憶を風化させてはいけないという思いを「未風化」というテーマに込めた曲だそうです。
やはり1曲目と同様、悲しい曲ですが、悲しさの表現の仕方が1曲目とは全く違います。
現代曲というのは、見慣れた楽器が「この楽器でそんな音が出るのか?」というような不思議な音を出したり、こちらが想像もしなかった不協和音が鳴ったりして、意表を突かれるものですが、原爆の被害というのも誰も予想もしなかったようなものだったのかなと考えさせられる曲でした。
必ずしもわかりやすい曲ではないとは思うのですが、ただならぬ緊張感と、清らかな祈りの響きに、拍手が鳴り止まず、指揮者とソリストが4回もステージに呼び出されていました。
作曲家の糀場さんご本人もお越しになっていたようで、ステージに上がって、拍手に応えられていました。


こんなふうに、まったくタイプの違う悲しさを見事に演じ分けて、「今日の広響はのってるな」と感じました。
3曲目のラフマニノフの2番への期待が高まります。



そのラフマニノフの2番も、期待を裏切らない好演でした。

導入部の地の底から絞り出されるような低音の響きは、前二曲の悲しさを上回るおどろおどろしさがありました。
そしてそれが、第一主題、第二主題と受け継がれて、ソナタ形式で展開される中で、テンポも良くなり曲調も明るさを増しますが、脳天気な明るさにならずに、微妙な愁いを含んだ、いい演奏でした。

第二楽章は、実にテンポ良く、爽快な演奏でした。
もちろん、曲自体がそういう曲ですから、テンポ良く爽快にならないほうがおかしいとも言えますが、そういう曲でもしっかり気持ちを抑えてかちっとした演奏をするのが秋山指揮の広響というイメージを持っていました。
ところが今日はどんどん前に出ようとする熱のようなものを感じました。
楽譜を見たことがないので、いくつかCDをきいた印象ですが、おそらく楽譜の指示より早めのテンポだっただろうと思います。
今日の秋山さんには熱があるなあと感じました。

第2楽章が早めのテンポで爽快な演奏だっただけに、第3楽章のロマンチックな美しさが見事に引き立ちます。
もともと広響はこういうロマンチックな旋律を歌うのが得意だなという印象を持っていたのですが、今日はこの持ち味がほんとに良く出ていた気がします。

第4楽章は、これまた打って変わってお祭りのような明るくテンポの良い曲調ではじまります。
ときどきゆったりとした美しい旋律が流れて、ほっと一息と思うと、ダダダダーンとたたみかけるようにまた激しい旋律に変わります。
このパターンが繰り返されて、フィナーレに至るわけですが、このダダダダーンが好きなんですねえ。
バーンと爆発するんじゃなくて、ダダダダーンです。たたみかけるように。これがいいんですよ。わかるかな?
このダダダダーンを繰り返すたびに、どんどん盛り上がります。
エンディングは、まるでフルトベングラーのバイロイトの第九のエンディングを彷彿とさせるような、すごいテンポで、「うわ、ついて行けるか!?」と思わず手に汗を握りました。
こんな無茶振り(失礼)をする秋山さんを初めて見た気がしますが、オケも見事について行って、大団円でした。
最後の一音が鳴り止んだ瞬間に、ブラボーの声と大拍手。

いやあ、今日はほんとに見事でしたね。
楽しませていただきました♪



最近、ラフマニノフの2番がずっと頭の中でぐるぐる回っていた私。
定演で聞けば気が済むかなと思ったわけですが、
まだしばらく頭の中で回り続けそうです♪




※そうそう、今日は、ブラボーおじさんを発見したのも一つの収穫でした。いつも演奏終了と同時に無条件でブラボーと叫ぶおじさんがいるのです。いつも同じ声。今日は、私の目の前にいました。「うわ、この人だったか!?」と思わず凝視してしまいました(笑)


※ちょっと今日の記事は長過ぎかな(^^ゞ

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