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まぁ、しかし、これは広島風お好み焼きとは似て非なるものですね。 まずいというわけではないのです。 そこそこおいしいです。 でもね、関西風お好み焼きの味なんです。 外見からわかる特徴は、なんといってもこのマヨネーズでしょう。 ソースの上に、マヨネーズを筋状に欠け、マスタードをつけたスプーンでさらに筋を入れます。 そうすると、マヨネーズの線がスプーンに引っ張られて、波型になるわけですね。 卵を2個使うのですが、それはお好み焼きの表面を卵で覆ってしまわないと、この模様が描けないからなんでしょう。 もちろん、卵を使って、高級感やボリュームを出すというのが、戦後すぐ多くの食品に見られた特徴です。 文献によれば、関西風お好み焼きでもそういうことがよく行われたようです。 さて、断面を見てください。 下から順に行くと、まず生地が薄いけれどもはっきり見えますね。 関西風の山芋入りの生地は、関西風お好み焼きには、モチっとパリッとちょうど良くなるのでしょうが、この薄さですから、ぱりぱりする感じでお煎餅のようになります。それはそれでクリスピーで面白い食感。 その上に野菜が来てますが、キャベツはほんのひとつまみで驚くほど少ない。しかしお店のメニューには「キャベツたっぷり」と書かれています。広島の感覚では信じられない少なさなのですが、関西風のお好み焼きと比べるとこれでもかなり多いのは事実です。関西の方にとっては十分多いのでしょう。 そして、驚くべきことに、キャベツと同量か、それより少し多いくらいもやしを載せます。もやしは広島でよく使う細もやしを使っています。確かに細もやしを使わないと水分量の調節がうまくいかず、べちょべちょした食感になりますからね。メニューにも「しゃきしゃき細もやし」と書かれていて、もやしには一応こだわりがあるようです。しかし、広島で、もやしを使っていることをウリにしている店など聞いたことがありません。もやしはオマケ程度にちょっと入れるだけの店がほとんどで、キャベツと同量のもやしが入るなんて、考えられません。 野菜の上には、ソバが入ります。確かに、ソバが入るのは広島風の特徴ですが、麺を多めのラードで麺パリにした後、ソースをからめます。これも広島では見かけない作り方です。麺パリにするならソースなしだし、ソースで味付けするならあっさりしたソースでさらっとした味付けにするのが一般的。麺パリにした上に、お好みソースでこってり味にするというのは、考えたことがありません。 野菜の存在感があまりなく、ソース味のこってり麺と、表面のソースとマヨネーズで、ほんとにこってりしています。 だから、このお好み焼き、広島で食べるお好み焼きの半分近いサイズしかないのに、油やマヨネーズでかなりのカロリーがある。十分おなかいっぱいになります。 広島なら700円くらいで食べられるものが、半分のサイズしかないのに980円というのは、驚きます。でもそれで一応、おなかいっぱいになるということは、大阪の他の食べ物に比べれば、まったく高いという感覚にはならないのでしょうね。 いやあ、ほんと、広島で食べるお好み焼きとは全く別物です。 これは完全に、関西風広島焼きですね。 これを食べながら、博多ラーメンの普及プロセスを考えていました。 博多ラーメンは、博多で食べると、驚くほどうす味であっさりしていて、それでいて豚の臭みなど独特のクセがあるものです。 しかし、博多以外で食べると、こってりしているのに、クセはないんですね。 食べ物というのは、普及する際には、一般受けする特徴がデフォルメされて、一般受けしない特徴は消されるモノなのでしょうね。 ぼてじゅうの広島焼きは、広島風お好み焼きが関西で受け入れられるために必要な「修整」をほどこされたものなのでしょう。 それにしても、面白いのは、元々は関西も、広島と同じ重ね焼きのお好み焼きを食べていたということです。 お好み焼きというのは、重ね焼きの状態で、東京→関西→広島へと伝播していく。 ところが、戦後、広島で広島風が生まれたときには、関西では現在の混ぜ焼きが主流になっていたわけですね。 そうなると、広島風を逆輸入する際にも、関西風にアレンジし直さないと受け入れられなかったんでしょうね。 もともと関西だって重ね焼きが主流だったにもかかわらず!!です。 いやあ、このお好み焼き、ほんとに面白かったです。 ぼてぢゅう(梅田店)
大阪市北区芝田1-1-3 阪急三番街 B2F 川のある街 電話06-6374-2254 http://www.botejyu.co.jp/shop/osaka_umeda.html |
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2010年04月17日
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