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「なぜ買うのか、どのように買うのか」

帯に書かれたこのコピー、なかなか見事なコピーです。

消費者行動研究というのは、1950年代にマーケティング研究の一環として始まるわけです。
「なぜ買うのか」を解明して、「どうやったら売れるのか」を知りたいというわけですね。

とはいえ、「なぜ買うのか」なんていう問題は、そう簡単にわかるわけではない。
また、その「なぜ買うのか」を比較的ストレートに取り上げた「モチベーション・リサーチ(購買動機研究)」という研究アプローチは、様々な理由で壁にぶつかります。
そこで、まずは「どのように買うのか」をきちんと理解するところから始めないといけないということになるわけですね。

ところがこの「どのように買うのか」をきちんと理解しようとすると、考えるべき問題は、これまた山のようにあるわけです。
中には「どのように買うのか」を記述するだけの研究も出てきて、「なぜ買うのか」という最初の問いとの関係が良くわからない研究とか、きちんと記述するために「なぜ買うのか」という最初の問いをあえて封印したような研究も出てきます。
そうなると、消費者行動研究と一口に言っても、本当にいろんな研究が出てきます。

この「なぜ買うのか」という最初の問いが、「どのように買うのか」という記述的な問いになっていくという流れの中で、私のような凡人は、全体像を見失うわけです。
しかし、青木先生のような賢い人には、ちゃんと全体が見えているのですね。

さて、こうしていろんな知識が体系化されて全体像が見えてくれば、「どのように買うのか」に関する膨大な研究蓄積を、再び「なぜ買うのか」という最初の問いを解くために役立てることが可能になるはずです。
でも、この本は、「なぜ買うのか」とか、ましてや「どうやったら売れるのか」といったことはストレートには取り上げてくれません。
あえていうなら、ブランド選択の問題などがこれに当たるかも知れません。でも、ブランド選択について安っぽい処方箋を与えてくれるというよりは、その問題を理解するためには、消費者の情報処理や、コミットメントや、ライフコースといった、様々な問題について「どのように買うのか」をもっときちんと考えないといけないという問題意識が明確になってくる本だと言えるかもしれません。
結局、「なぜ買うのか」を考えたいひと、あるいは「どうやったら売れるのか」を考えたい人にとっても、結局必要なのは「どのように買うのか」ということの正確な記述だということなんですね。

「なぜかうのか」という説明的な問いと、「どのように買うのか」という記述的な問いの関連が見えてくる、そんな本でした。



※著者の青木先生から御献本いただきました。
青木先生、ありがとうございます。

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