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網膜に積もる淡雪のように(まとめサイト:http://kinoshitan.com)

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プルースト(その2)

イメージ 1

P=プルースト(その2)

≪網膜にうっすらと積った淡雪≫―25日にお配りしたコピーでは、≪網膜に積った初雪≫としました。「淡雪」か、「初雪か」。これ自体イメージの問題ですが、ともかく「うっすらと積って」いるので、映像のちょっとした熱で溶けてしまいます。そんな弱いイメージなのです、文学が与えてくれるイメージは。
弱いけれど、しかし、それは、「自分だけ」のものです。ここが大切です。映像文化全盛の時代である現代、映像はまさにそういう「現代」に生まれてきたイメージ製造装置です。かつて映像装置が絵画とその身内ぐらいしかなかった時代には、文学の果たしたイメージ力も現代ほど弱く脆くはなかったでしょう。しかし、そんなことをいっていてもはじまりません。ともかく、せっかく「自分」のイメージを持っていても、映像の熱をちょっと当てられると、あっけなく、溶かされてしまうのです。

当日お配りした3枚目の資料は≪「自己=人間」と「世界=宇宙・環境・社会」との関係からみた世界史的な「知」「芸術知」の構図≫というので、これは横国時代学生諸君にも配っていろいろ話した表ですから、あ、またもちだしたなって思う人がいるかもしれませんが、お許しください。この表は、「文学作品を成立させている8つの要素」とともに、長い期間をかけて作ったもの(まだ、完成とは言えない)なので、ぜひ、みなさんに聞いてもらって、さらに深めていきたいし、きっとみなさんも、これを参照されると、ぐうっと、文学や美術を考えるのが面白くなること請け合い!と、まあ、ひそかに自負しているものでもあります。みなさん、どうか、気軽にこれを使ってください。―ちょっと脱線しましたが、この「自己ー人間対世界の人類史的変遷図シェーマ」とでもいいたい図表はあとで、ここでもご紹介しますが、その「現代」は、「自己」と「世界」の関係が分断され、「自己」も分裂拡散しています。そういう「自己の分裂拡散」と、文学が与えるイメージが映像の熱であっけなく溶けてしまうこととは無関係ではないと思います。「自分」だけのイメージをしっかりもてているということが難しなったことが、自己分裂・自己拡散を支えきれない―これが「現代」です。
ともかく、この映像全盛期の時代にあってこそ、この「個的」なイメージ喚起の力をどうすれば生かすことができるか、あらためてじっくりと考える必要がある、とだけ、ここでは、申しておきましょう。
8の「像=イメージ」にはもう一つ、別の作用が起こっていきます。それは、「作者の像」を産み出してくることです。あらかじめ、その作品の作者について情報をもっているときは、その情報の量の応じながら、読者はその作品から、独自の作者像を作っていくのです。これも、作品の登場人物像と同様、作品を読めば、必ず、避けがたく作用してくものです。
それは、実在の作者の像・観念とは別の像です。その意味では、作者像は作品の数だけ生まれる、といえます。この作者像を追究すれば、作家論になるわけです。
「文学を構成する8つの要素」の各要素の説明は、こういったところで、つぎへ進みます。
さて、プルーストの『失われた時を求めて』は、「ロマン」としての長篇小説ではない小説を書こうとしたものだ、といいました。それは、「文学作品を構成する8つの要素」のそれぞれの要素の比重が、「ロマン」とプルーストの場合でちがってきていることでもあります。
構造的に考えると、そういえます。
歴史的の考えると、これは、別の様相を呈してきます。そのために、「ロマン」という長篇小説の歴史的意味を整理しておきましょう。
そこで、「自己=人間」と「世界」との関係・関係意識の人類史的(世界史的)変遷のシェーマをみていただきましょう。


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