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網膜に積もる淡雪のように(まとめサイト:http://kinoshitan.com)

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前回(10月9日・土)は、北斎にとりくみました。
ゴッホが「一本の草の芽を研究している賢者にして哲学者」と呼んでいるのは、まぎれもなく北斎のことであり、そのことをゴッホは、きっと『北齋漫画』などから学んだにちがいない。ゴッホは現在のわれわれからみるととてつもなく少ない情報からこんなことをいっているけれど、これが意外と的を得ていること。それなら、北斎はどんふうに生き、絵を描いて、その結果、ゴッホのこんな表現が的を得ているとボクたちに思わせるのか。そんなことを語った三時間でした(喉は涸れましたが、まだまだ喋り足りない感じでした)。
北斎という超有名な人物(神話化された部分が極めて多い、ほとんどそうかもといっていい)を、ほかの超有名な(その分神話されている)西行、雪舟、芭蕉、光琳、良寛、といった人たちの文脈のなかに置き、彼らが、それぞれに「自己」と「世界」との関係をどのようにとらえ生きようとしたかを考え(つまりそれぞれの神話をときほぐして)くらべてみると、いろいろな発見があることも問題提起してみました。

ボクがかつて「日本近代以前の自画像ベスト6」に選んだ、雪村、岩佐又兵衞、久隅守景、与謝蕪村、良寛は、このABCでとりあげたことになりますから、北斎をやって、どうやら、日本の近代以前の自画像を考える仕事も大詰めにきたような気がします。
次回(10月22日・金)は、これからの課題をみつめつつ、日本の近代以前と近代以降、そしてヨーロッパの自画像史とをつなぐ接点に立って、今公開中のウフィツイの自画像展をいとぐちに問題を探ってみようかと考えています。
kinoshita

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