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吐息
ぼくの心は、お前の額へ。あぁ、静かに思いにふけるぼくの大切な人よ。
朱く染まった色片の散り積る秋が夢見ているお前の額へ。
そして、その天使のような瞳に遠く映っている空へ、
昇っていくんだよ。物憂げな庭のなかで
ひたすら、噴き上げる白い水の吐息のように。「青い空」へ!
―「青い空」へ。弱々しい光で澄み切った「十月」の和らいだ空。
その大きな湖 ( うみ )が映し出すのは、いつ止むとも知れぬ彼女の愁い。
動きのない水の面 ( おもて )には、死悶える栗色の馬の鬣 ( たてがみ )となった
葉群が風に吹き上げられ、その跡が一筋冷たく遺り、
黄色い太陽の長い光を這うにまかせている空へ。
木下長宏 訳
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