木下長宏のウェブログ

網膜に積もる淡雪のように(まとめサイト:http://kinoshitan.com)

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次回は、5月27日…

次回は、5月27日(金)19:00〜 です。

ミケランジェロを語っていると、まだまだ喋りつきないのですが、次回は、レオナルド・ダ・ヴィンチに向います。
ミケランジェロと対比して、そこに見えてくる彼の像を整理できたらと思っています。
もちろん、いまのわれわれに、レオナルドは、なにを、どんなふうに語りかけてくれるか、それが問題です。

kinoshita
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 去年の夏のことだった。那覇へ行ったおり、牧志駅のたもとにある小さな雑貨店を覗いたら、琉球張子らしい仔山羊が棚にのっていて、「これいいね」と店主に言ったら、「じつは、これは売り物ではないんです」とのこと。「ロードワークス」という看板を掲げて首里に店とアトリエを構えている豊永盛人という人の作だと教わり、首里へ行ったついでに店を訪ね、件の仔山羊を求めた(それを写真に掲載します)。店内も面白くて、彼の作品であふれている。豊永君と話も弾んで、いろんな玩具も買ってしまったのだが、いかにも沖縄の若者らしく飄々とした人柄が、そのままオブジェ(人形)になっている。ときどき東京でも個展なんぞ開いたりするとのこと。この5月、新宿京王百貨店の沖縄フェアに店を出すという知らせをもらって出かけた。そこで出会ったのが兎のペン置きだった。
 兎のペン置きは焼物で、豊永君(なんとなく「君」と呼びたい人柄)は、気分の赴くまま、紙細工(紙粘土で動物や人形を作るだけではない、双六やカルタも作る)、木工、ガラス絵となんでも豊永流玩具に取り込んでしまう。といって、そのオブジェ(玩具というにはなにかが抜けていて、いまほかにいい呼び方がみつからないので、とりあえずこう呼んでおく)は、すべて豊永流にアレンジされていて、その雰囲気はもう、どこからみても、彼のものである。
どこにも押しつけがましいところがなく、不思議な暖かさがある。
 ある個展の案内状に「なんの役にも立たないものを作りたい」と書いていて(しかしそれをこうして引用すると、その言葉自体が肩ひじ張って聞こえそうであぶないが、心底なんのこだわりもなく、そういっている彼の言葉が、彼の仕事のすべてを語っている気がして)、彼の仕事が好きになった。
 3月11日とその後を経験してから、やっぱり、自分と世界を見るみかたが、それ以前と同じようにはいかなくなった。だったら、どうすればいいのか判らない。「がんばろう」というのはかんたんだが、そういって自分になにができるか、振り返ってみると恥ずかしい、というか情けない存在にすぎない。
 そんなとき、豊永君の「なんの役にも立たない」という言葉は、妙に胸に沁みる。なんの役にも立たないで、そして誰にも害を加えない存在でいることはどんなにか難しいことだろうか。
 

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