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さて・・・
我がアナ研は、松下女史を沢田さんのうちに連れてっただけで、この二人についてはなんら活躍の場もなく終わった。彼女たち二人で、互いの問題を解決してしまったのだ。
以下は、後日二人から聞いた話だ。
「沢田さん、いる?」 沢田家の練習風景を見に行った翌日の放課後、松下さんは沢田さんを教室に訪ねていった。
「・・・は、はいっ? ご、ごめんなさいっ! 私、何かしたかしら! はっ! 気付かないうちに、なにかしていたら、ごめんなさいっ! 無意識にボケかましてたら、ごめんなさいっ!」
「ちょっと、ピアノの練習につきあってくんないかな。音楽の先生に音楽室の使用許可もらった。」
「えっっっ!!! ご、ごめんなさいっ! ど、どうしてですか!? はっ、気を悪くしたらごめんなさいっ!」
「そんなにごめん、ごめん言われるほうが、気を悪くするよ。君、本当は謝る気ないだろ。」
「はぅわわっ!! そ、そんなことないのですっ! ご、ごめんな・・・ いえ! 謝らないのですっ!」
「やればできるじゃん。ちょっと、つきあってよ、ピアノ。」
「えっ、でもでも・・・ ママがうちで待ってるから・・・ 」
その時、松下さんがそっと沢田さんの背中に手をやった。
びくっ! 沢田さんが椅子から10cmほど浮かび上がった。
「君、嫌なことは嫌だと言わなきゃだめだよ。母親でもね。」
「・・・ なんで知ってるの? ・・・ わかった。ちょっとだけなら・・・ 」
ズダダダダン♪ ズダダダダン♪ (激しいピアノ音です。念のため。)
「そっかぁ。ここのパート、苦手だったんだ。さすが沢田さん、うまいわね。」
「ちょっとした、コツなんです。松下さんも、とってもお上手です。さすが、ライバルなのです。」
「え? 沢田さん、私のことライバルって認めてくれるの?」
「もちろん! 私、いつもあなたに追い越されるってビクビクしてますもん。あ、普段からごめんなさいっ!ってキョドってますけど。」
「あははは、自覚あるんだ! いや、ごめんごめん・・・ はっ! 私の方があやまっちゃった。」
「うふふふ。松下さん、ありがとう。なんか、ママにもう、ぶたないでって言えそうな気がしてきたわ。」
「うまくいったら、教えてちょうだい。・・・ コンクール、お互い頑張ろうね。」
「うん!」
その日の夕方、遅く帰ってきた沢田さんにお母さんは激しく怒ったそうだが、沢田さんは『もうぶたないで』と言えたそうで。ピアノが嫌いになっちゃう、お母さんも嫌いになっちゃうって。お母さんも若いころピアノをずっと習っていて、怖い先生だったそうで、その先生に気に入られようと一生懸命やりすぎて、コンクール直前に腱鞘炎とやらになっちゃって。夢破れたお母さん、子供にはより、優秀なピアニストになってもらいたいと思っちゃって。でもいつしか娘とお母さん自身を重ねちゃって・・・みたいな展開で、二人とも号泣の上和解したそうで。
コンクールの結果です。
1位 沢田美和 2位 松下奈緒
松下さんの野心、今回も叶わなかった。でも、そんなこと、どうでもよくなっちゃったみたいで・・・
どうなったかって?
お穴様の予言のとおりになった。
それはその・・・ つまり・・・
あのエロ拓海の想像のとおり。
「美和ちゃん❤ 私の可愛い、美和ちゃん❤ 今日も毛穴ひとつひとつの底から、愛してるよ❤」
「ナオナオ〜、それってかなり浅い愛な気がするよ〜」
「えええええ!!!! ひどいっ! 美和ちゃん、私の深いふかーい、マリアナ海峡冬景色、連絡船が沈没してデカプリオがひどい女に裏切られ海の底にいってもさらに深い私の愛を疑うのっ!!」
「ナオナオ〜、ちょっとわかりにくい上に、なんか愛というより恨みっぽいよ?」
「あー、もう怒った! 怒ったからね!」
「あ〜ン、私のナオナオ、怒った顔もかわいい! ご褒美のチュ❤」
「うれしいっっっ!!! 嬉しすぎて、頭とお尻が爆発よ!!」
おわかりいただけたろうか・・・?
(第2章 あなたとわたしと修行中 おしまい)
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私立洞純学園アナモリ・シス
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放課後、可憐先輩と俺とで、松下さんの教室に急行した。
ガラガラっと教室の戸をあける可憐先輩。
「松下さぁ〜ん!! ちょっとお話があるんですけど〜!!」
あれ?キャラ変わってませんか?
「松下さんってばぁああん?」
「・・・ あ、この間のろくでなし連中ね。気安く呼び掛けないで。なんだか汚れた気分になるわ。」
「あんだとー?! このデカ女、いきなり喧嘩しようってか、上等だ!!」
可憐先輩、キレルの早すぎです。
「ちょっとちょっと、いきなり不穏当ですなぁ。落ち着いてくださいよ。」
「ネクラ少年その1、無理して大人のふりなんてみっともない限りだわ。」
「あんだとー?! 可憐先輩、やっぱりやっちゃって下さい!!」
「って、少年、自分でやらないのかよ。」
「はい、仮にも女性で先輩ですからっ!!」
「・・・ 漫才はよそでやってくれる? 私これでも忙しいの。」
「松下君! 君、沢田君のピアノ練習風景、見たことあるかね?」
「ないけど・・・。それが、何?」
「一見の価値あるよ。ライバルがどんな練習を普段しているか見れたら、攻略の仕方がわかるかもなのだよ?」
「それは・・・ そうかもしれないわね。」
「よし! 電話急げだ。これから行ってみようじゃないか!」
可憐先輩、松下さんの手をとって、ぐいぐいと行ってしまう。おっと、スルーしてしまうところだった。電話、じゃなく善は、です。先輩、国語の成績悪そうだな。
学校を出て、結構歩いて住宅街に入った。低層マンションや一戸建て住宅が並んでいる、ハイソな地域だ。ちなみに、俺は二イソが割と好きだ。
ポロロン♪ ピロロン♪
ピアノの音が聞こえてきた。
白い御殿。その一室、出窓のある部屋から聞こえてくる。まだ明るいから、窓を開けて練習している。沢田さんの家に行ってみたら、外から練習している様が見られるかもと教えてくれたのは、美麗先輩だ。美麗先輩が、はぅうとか、ごめんなさいっとかの合間の言葉をつないで、沢田さんの会話を分析したそうだ。
「何やってんの!!そこ違う!!ほんと、愚図なんだからっ!!」
「ごめんなさいっ!!」
あらら。家でもごめんなさいしてるのか。つか、あの怖い声は、ピアノの先生かな?
「ごめんなさい、お母様!! 生まれてごめんなさい!」
「あんたなんか、ピアノしか能がないんだから! さあ、早く次引きなさい!」
ピシャッ!! え、何の音? 出窓の中を背伸びして覗いてみる。
ふとんたたき・・・。ふとんたたきで、美和さんの背中を叩いたんだ。
「はぅうう・・・」 苦痛に顔を歪めて、背中を不自然にそりかえらせた。
可憐先輩、松下先輩と俺、しばらく硬直して動けなかった。美和さんママの鬼っぷりたら・・・
美和さんがいつも「ごめんなさい」と言ってるのは、鬼ママのせいだったんだ。
「・・・ あんなすごい練習してたんだ。だから私、かなわなかったんだ。」
ぽつり、と松下さん。
え、感動してんの? ちょっと違くないっすか?
(続く)
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美麗先輩と一緒に、お穴様から逃げるように出た。あの絡みつく白大蛇2匹は、何だったんだろうか。
お穴様のお告げ(?)を解釈すべく、アナ研緊急会議が開催された。っていうか、アナ研の部室にたむろしてた連中で話し合っただけなんだけどね。
「松下さんの蛇に、目がなかったって? それは周りが見えてないってことかな?」と可憐先輩。
「確かに、彼女にはそういう傾向があるけど、お穴様には、松下さんと沢田さんの関係でお伺いを立てているので、沢田さん限定でしょうね。」と美麗先輩。
ん? どゆこと? 俺はちょっとついていってない。
「それは、松下さんが、沢田さんの本質が見えてないってこと。」と、知恵先輩。さすが、アナ研の頭脳。でも、やっぱりよくわかんない、俺。
「異議ないようね。では、沢田さんの白蛇についてはどう思う? 松下さんの蛇より、大きくて、力強い感じだったけど、口(くち)がなかった。」と美麗先輩。
「うーん、蛇ってのは、なんでだろ? しかも白? ふたりとも? ・・・ ライバル心なのかな。」と可憐先輩。
「そうね、そのようにとって、間違いなさそうね。」と美麗先輩。
えぇええ?!! なんで、そうなるの? なんか、悪い心のような、そうでもないような、というのは感覚的にわからないでもないけど、どうして断定できるの?
「経験よ。」 にこっ
あれ、俺の疑問、読まれましたか? ふー。なんか、納得しちゃいました。あなたと知り合えて、よかったです、美麗先輩。って、なんの解決にもなってませんけどっ!
「実は、沢田美和さんの方が、ライバル心が大きいということね。」と知恵先輩。
確かに、そうなっちゃいますが、あんな「ごめんなさいっ! 生きててすみませんっ!」とかいう娘が、そんな熱いココロ持ちというか感情って、あるのかな?
「あの態度は、カムフラージュというか、抑圧された感じがムンムンだわ。」 可憐先輩、感覚的には納得だけど、よく考えると、意味不明です。
「で、口(くち)がなかったんですけど、あれはどういう・・・?」 質問してみた。
「それは簡単。自分の思いを言えないだけ。」 と一刀両断の知恵先輩。んー、それは俺にもわかりやすいかも。
さてさて。一番わからないパート。あの絡み合いを、なんと解釈する??
「んー? よくわからんな。美麗先輩、少年。白蛇は絡み合って、闘ってたんじゃないのか?」と可憐部長。この人に、あの光景を説明するのは、難しいな。
「い、いやー、闘っているというのは、ある意味合ってるんだけど、その、なんていうか。こう・・ 2匹がぐっちょんぐっちょんに絡み合って・・・ ぴくぴくぴくって、なんか気持ちよさげだったし。っていうか、もしかして、オスメスだったような気もするし。って、わかれよ!」 と逆切れ気味の俺。
「あら、真君。私は、メス同士だった気がするわ。」 と美麗先輩。
「メス同士? 意味がわかりません。メス同士だったら、交・・・ うほんうほんげほげほ」 まじでむせちゃった。
「佐藤、さっき可憐先輩に切れかかってたけど、お前も鈍感だよ。本学は、長い歴史の中、去年まで女子校だったんだぜ? 百合展開だって十分ありうるのさ。・・・ あぁ。想像するだに神々しい!! 長身の宝塚男役も恥ずかしくて引退宣言を出そうと言うほどの松下様と、小柄で愛らしく、まるでお人形さんのような沢田様が、リアルに愛し合うシーンを想像すると・・・ はぅ!!」
顔のイケメン度合いの割にお下劣な想像しかできない拓海のやろうは、ハンカチで鼻を押さえて部室から出て行った。鼻血って、洗濯してもなかなか落ちないんだぜ。
「いや、ほら、なんだ、その、ままままま、まぐわ、いや、こう、こう・・・ こうべーないてどーなるのかー いやその、あの歌手なんていったっけ?」
「可憐先輩、落ち着いてください。例の昭和の国民的歌手についてはこの際、忘れましょう。そして、あの行為の名称については触れなくていいですから。」 俺はなんとか助け舟を出してあげた(つもり)。可憐さんは下ネタ方面、超苦手だ。
「そ、そっか! ありがと、少年! えっと、結局二人は、仲良くなるっていうことじゃない?」
「仲良いことに、違いはないんだけど、あれはそれ以上・・・ ぶほぶほ」
俺の口を、知恵先輩がふさいだ。
「デリカシー、ゼロ。」
知恵先輩の手、ちっちぇ。やわらかくて、なんかいい匂いがする。ちょっと、なめてもいいかな。
ばばっ。知恵先輩のかわいらしいお手手が急に離れた。知恵先輩、両腕を後ろに回して、うぅうぅ!! って感じで俺を下からにらんでいらっしゃいます。頬が真っ赤で、かわいい・・・。しかし、俺のココロ、モロ読まれてませんか?
「知恵先輩、わかりましたよ。仲良い、ハッピーエンドになるっていうのがお穴様のお告げでいいんでしょ?」
「よし! じゃあ、まずはお目目がない松下女史から、攻略だあ!!」 大声で宣言する可憐先輩。
「・・・ どした? みんな、『おーー!!』とか、『可憐先輩は、神です!!』とか、『いいえ、あなたは女帝です! 私を奴隷にしてください!』ぐらいの賛同のシュプレヒコールを挙げるべきだろ、ここは。」
可憐先輩、いろいろ間違ってますけど、ともかく松下女史の攻略から始めるのは賛成です。
(もうちょっと続きます。・・・ いろいろと、すみません・・・・)
はい、あなたは男性パートをどうぞ。
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美麗さんと俺は、正座で対面し、手をにぎり合っていた。
「真君、じゃ、松下さんのことを、強く念じてください。」
「はい! え〜っと・・・」 あの高慢ちきな、プライドと同じくらい背も高いこぎれいな女の子っと。
ぼわぼわ〜ん
ちょっと離れた場所に、何かがあらわれた。白くて、長くて・・・ うろこに、長い舌・・・
だ、大蛇だ! ずずり・・ ずずり・・・ 白い大蛇が、こっちに向かってくる。
「松下さんの情念の形ね。恐れるに足りないわ。」と、美麗さん。
大蛇は、どったんばったんと、暴れ出した。鎌首を大きく、右、左、右、左。
XXYYGBSRRR!!!
なんか表現できない、変な咆哮をあげてるぞ!! こえぇぇええ。
あれ? この蛇、むやみに暴れてるけど、もしかして・・・
目がない。
この白蛇、目がないぞ。
「・・・ 真君、よく気がついたわ。松下さんの問題は、見えてないことね。」
おっと、そういうことですか。
「真君、じゃ、次は、沢田さんを念ずるのよ!」
はいはい、あの謝ってばかりの可愛い娘さんね。
ぼわわわわぁ〜ん♪
のたうちまわる、松下大蛇の後ろに、また蛇の姿が・・・
え・・・? えええええ・・・????
でかい・・・ でかすぎる!!! 松下大蛇よりでっかい、白蛇が現れた!!
「・・・くっ! この大きさの違いは、思いの大きさの違いかしらっ!!」
「ひぃ!! くわれるっ!」
松下大蛇より一回り大きい、沢田大蛇が松下大蛇を襲おうとする!!
・・・ が? ごしっ ごしっ
あれれ? 鎌首の先・・・ まるくなってるだけど・・・ 割れてない。
口がないのだ。
「あれまあ、これが沢田さんの問題なのね。」
「ええぇぇえ? どゆこと? ねぇ、美麗先輩!」
「うるさい! さあ、二人のことを同時に思って! 二人の将来は・・・」
「は、はい! 二人の行く末っと。」
どったんばったん どったんばったん
松下白蛇と、一回り大きい沢田大蛇、しばらく互いの鎌首をぶつけ合っていたかと思うと・・・
ぐるぐる ぐるぐるぐる・・・
互いに絡み合って・・・
ぴくぴくぴく
絡み合ったまま、ケイレンしたりして・・・
おいおい・・・ これって・・・・
「まままままま、真君! おおおおお、お穴様から、出るわよっ!!」
「その方が、よさそうですね。なんかお邪魔みたいだし。」
(続く)
さて、何してたんでしょうか?
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お穴様に入るのは、『禊』(みそぎ)のとき以来だ。ちょっと緊張しちゃうな。
今回お穴様に入るのは、美麗先輩と俺だけだ。美麗先輩の指示なのだが、今回はお穴様にお願いをするので、集中力が必要とのことで、少数で入るということらしい。
ヴォリュームコントローラーなしのスピーカー女、可憐さんと、女をほめまくる優男、拓海が今回のミッションに向かないのはわかる。しかし、存在感を完璧に消すことができる知恵先輩がはじかれたのは、なぜだろう?
「私が落ち着かないの。」と美麗先輩。知恵先輩と一緒だと、何か全て見透かされているような気分になるそうだ。
あれ? じゃあ、俺だと落ち着くんですか?
「落ち着くというより、真君、無害だから。」
・・・ なんですか、その理由。
いずれにしても、美麗先輩と二人っきりなんて、無害と言われた俺でも全然落ち着かない。
久しぶりに入るお穴様は、暗くてしっとりしている。
ボボボボ
ぼんやりと灯りがともったかと思うと、隣を歩いている美麗さんの衣装が巫女姿に変わった。そうだ、変身、変身。お穴様の中では、イメージした通りに変身可能だ。
ボボボボ
「真君、相変わらずセンスないわね。」
だから、俺達知り合ってそんなにたってないでしょ? あいかわらずって何ですか。
・・・ 確かに、センスないかもしれない。神主さんってどんな装束だったっけ? イメージがわかないから、白の浴衣を思い浮かべた。そしたら、なんかこのまま棺桶に入れそうな雰囲気になってしまった。
「このあたりでいいかしら。真君、私の前に座ってください。」 美麗先輩、正座をした。言われたとおり、俺は美麗先輩の前に回るようにして、正座した。
!!
「なななな、なにするんですかっ!」
「しっ! 大人しくしなさい! また禊をしたいの? いいから!」
低い声で美麗先輩にしかられた。だって、美麗先輩、突然俺の両手を握るんだもの!!
「私の手も握ってください。・・・ 呼吸を整えて。1、2、1、2・・・ 」
うわぁああ、落ち着けといわれても、落ち着かないなあ。美麗さんの手、なんて柔らかいんだろう・・・ 俺の鼻先に、美麗さんの甘い息がかかってる・・・
い、いかん! 神聖なお穴様の中で、体の中心部分に血が集まってくる気がする!! そうだ、禊、禊の感覚・・・ 冷たくて、肌を刺すような水・・・ 水・・・
ほ、俺のせつない部分はかろうじて『反応』を免れた。
「・・・ さあ、沢田さんと松下さんのことを念じましょう。」
「はい。」
(続く)
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