全体表示

[ リスト ]

印鑑証明書

今日は、印鑑証明書の話を少し。
 
不動産登記法が改正されてから、原則として法務局での還付手続きが出来なくなった印鑑証明書。
 
原則としてなので、当然例外はある。
 
還付が認められないのは、
①登記義務者(例えば移転登記の際の売主)の印鑑証明書。
法条文に基づいていえば、
不動産登記令16条2項、18条2項 がこれに当たる。 
16条2項は本人申請の場合で、義務者として申請書に実印を押印する場合、
18条2項は資格者代理人が義務者の委任状を添付して申請する場合で、その委任状に
実印の押印が求められる場合だ。
 
尚、この印鑑証明書は作成後3ヶ月以内という、有効期間が有る。

②第三者の同意書・承諾書等に押印した印鑑の印鑑証明書
法条文に基づいていえば、不動産登記令19条2項 が該当する。
具体的には、
ⅰ取締役会(株主総会の場合もある)の議事録に押印した印鑑証明書、これは
  会社と取締役との利益相反取引の場合に必要となる。
ⅱ登記上の利害関係人の承諾書
ⅲ親権者等の同意書が必要となる場合で、その同意書に添付された印鑑証明書
ⅳ根抵当権譲渡等の際に必要となる根抵当権設定者の承諾書に添付する印鑑証明書
この印鑑証明書は作成後3ヶ月以内である必要はない。
 
では例外は?
遺産分割協議書や特別受益証明書、相続分譲渡証明書等に添付された印鑑証明書
上申書(登記名義人の住所の沿革がつながらない場合に提出したりします)に添付された印鑑証明書
本人確認情報に押印した職印(資格者の職務上の実印です)の証明書(れっきとした印鑑証明書です)
etc は印鑑証明書であっても還付できるとされています。
 
で、なぜ突然こんなことを書くのかというと、登記申請には連件処理というのが有って、
簡単な例を挙げると、
売買による所有権移転(1件目)→銀行による住宅ローンの担保権設定(2件目)
といった、連続した法務局での受付番号が必要な場合に、それらをまとめて(というか連続で)
法務局に申請するわけです(オンラインの場合は連件番号を振って、まとめて送信する)。
 
そうすると、登記申請の目的は違えど、一つの事件として、まとめて法務局で調査を受けて
もらえます。つまり、別々に出すと、1件目(さっきの例では移転)の処理が終わるまで、
2件目(さっきの例では担保権の設定)は調査してもらえない(というか、いわゆる事件中扱いで
2件目の調査をすることが出来ない)わけです。で、この連件処理のメリットは資格証明書や
登記義務者の印鑑証明書が数件にわたり必要な場合で、その提出者が同じである場合に、
前件添付という魔法の言葉(笑)を申請書の添付書面の該当箇所に書き入れれば、
例えば、1件目と2件目に登記義務者の印鑑証明書が必要な場合で、その義務者が
2件とも同じである場合に、1件目に印鑑証明書を添付すれば、2件目は添付不要
ということが出来るわけです。
 
なんせ、一連の登記をまとめてみてるわけですから、同じものは何枚も不要なはずですよね。
 
ここまで書いても、まぁ何のこっちゃ???ですが、
ここからは僕の素朴な疑問です。
 
疑問は、先程の還付できない印鑑証明書の②で書いたⅰ〜ⅳに添付している印鑑証明書です。
 
当然、連件処理の中で、例えば取締役会議事録に添付した印鑑証明書と、登記義務者の印鑑証明書
が同じものである場合があります。
1件目は取締役会の議事録に、2件目は登記義務者として印鑑証明書を添付する場合に、
同じものが2通いるのでしょうか?
 
連件処理でまとめて調査するとはいえ、印鑑証明書を添付すべき根拠条文が違います。
ですから、前件添付という魔法は使えないのは理解できます。
 
では、1件目にコピーを添付して2件目に原本というのはどうでしょう?
 
何だか行けそうな感じがしませんか?違うものを付けているわけではありません。
1つは原本を、もう1つはそのコピーを付けてるだけですよ(^^;)
 
でも、法務局の見解はNO!!です。先ほど述べたとおり、添付させる
根拠条文が違うから&その条文に該当する印鑑証明書は還付が出来ないから、
です。つまり、1件目で還付が出来ないものを2件目に付けられないので、
2件とも原本が必要だ、という理論です。
 
理論的にはもの凄く正しいです。
 
ただ、何だかおかしいと思いません?
 
同じものを2通用意しなければならないんですよ。印鑑証明書はタダじゃないんです。
発行手数料がかかるわけですよ。しかも結構立派な偽造防止機能とか付いた紙を
使って発行されるわけです。エコじゃないですよね。
しかも、前件についてたものと同じものを後見でも見るわけですよ。根拠条文違うけど。
 
でも、『印鑑証明書』という物(ぶつ)を考えると、同じものですよね。
 
担当登記官には疑問に思う人もいるようですが、大阪法務局統括登記官からの指示
 
なるものが各法務局に回っていて、例外は認められないそうです。
 
法に基づいて事案を処理するという仕事に携わっている以上、仕方のないことではあると思います。
が、何となくおかしい、腑に落ちない って感じになりますね。
 
法が改正されて、印鑑証明書の還付が可能と戻らない限り、こんなおかしなことか続きますね。
 
登記に携わる仕事をしている人は、要注意ですね。
ついつい、連件だから印鑑証明書は1通で大丈夫 とか思ってしまう時がありますので。
 
後、依頼人にはよく説明をしなければ『何で同じものが2通もいるの?』
って大いに疑問に思われてしまいます。
 
まぁ、こんなくだらないことを考えるのは、まだ心に余裕があるくらいの仕事量しかないからだろうか?
月末だけど。30日は ひぃ〜!って感じに仕事があるのですが(笑)
 
分散して欲しい。
 
今日もちょっと書くつもりが、取り留めもなく書き綴ってしまいましたm(__)m
 
よし、寝よう!!
 
 
 

この記事に

閉じる コメント(2)

ここで言う「還付」って何だろう?と、ずーっと疑問で。
もしかして、印鑑証明書の事ですか??
書類に対して「還付」って使うんだ??新鮮な驚き。
いろんな法律学べて勉強になります。

2011/9/28(水) 午前 8:21 [ - ] 返信する

顔アイコン

そのとおりです。法務局に提出すべき書類の原本を還付してもらう
手続きなので、正確には『原本還付』と言います。原本の代わりに、
『原本と相違ない』なんて書き込んで、コピーを一緒に提出するん
ですよ。すると、還付可能な書類は原本を返してくれるのです。
一般的には、書類を『還付』なんて、確かにわかり難いですね(笑)
法律関係の業界は変な言い方が結構ありますんで(^^;)

2011/9/28(水) 午前 10:49 [ 司法書士K・K ] 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


みんなの更新記事