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好きなそば屋の訪問には、最近、枕詞のように必ずといっていいくらい《久しぶりに》で始まる。
つくづく自分はそば好きではないなと思う。
本当にそば好きなら一年に5〜6回くらいしか行かなくて我慢が出来るはずもないだろうし、どうしても行くことができなければ、きっと自分でソバを打つに違いない。これではどう贔屓目(?)に見たってそば好きとは言えまい。
この傾向はここ2〜3年で顕著になった。それまでは、ひと月に1回くらいはそば屋を訪れていたように思う。それでも月一。
こうなった原因の一つに、心躍るような新しいそば屋との出会いがほとんどなくなったことが考えられる。
そば屋でソバ切りを含むそば料理を酒と一緒に愉しむことに無情の喜びを覚え、そば屋通いを始めた訳だが、本当にそれが可能となるそば屋が基本的に神戸から遠いところに点在することも大きな理由だ。
わざわざそのためにだけ足を運ぶほど(そんな時期もあるにはあった)、のめり込んでいる訳でもない。だから観光を兼ねたり、という副次的な理由を見つけて出かけていた訳だ。
さて、《久しぶりに》大阪は大正区の“凡愚”を訪れた。
いつものことではあるけれど、大阪に近づくにつれ、心が騒ぎ出す。そしていつものことではあるけれど、自問自答が始まる。
「初めての店ではないのにどうしてこんなに心が騒ぐのだろう。」過剰な期待感からか…
環状線に乗り換え大正駅が近づくにつれ、ますます心の高鳴りが激しくなる。
それは“凡愚”が視界に入り、暖簾をくぐる迄続く。
「よし!」と中に入ると、先客は無し。
間髪入れず、とはいかず少しの沈黙。
ここで私の緊張感は最高潮に達する。
明るい声の女性の二重唱で『いらっしゃいませ!』
と、今迄の心の騒ぎが嘘のように静まり返る。
暖かさに包まれたという安堵感。
これだ、これが“凡愚”だ。
私を皮切りにお客がぼつぼつと増えてくる。
初めてらしき客…。常連客…。
にもかかわらず、店の空気感になんの変化もない。
ここはそば屋ではなく居酒屋でもなく、
もちろん喫茶店やレストランでもない。
強いて言えば“凡愚” という暖かさに包まれた居心地があるだけだ。
この居心地感はここで修業した人達にもまだ受け継がれていない。
ひょっとしたら受け継げない、まさしく“凡愚”そのものなのかもしれない、と、そんな気がした。
冷酒【天野酒】におからの酒肴少々、
ちょっと苦手な『太切りそば』
こいつが目的『手挽き細切りそば』
調子にのって『細切りそば』
とたらふく頂いて退却した。
知らなかったけれどホームページがありました。
たいへん愉しいホームページです。
ホームページも暖かい。
是非
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私も昨年末に凡愚さん訪問いたしました。蕎麦の味もさることながら何とも言えない前衛的な雰囲気に酔いしれました。
[ ちゅうちゅう忠吾 ]
2014/1/26(日) 午後 5:11
ちゅうちゅう忠吾さん
ありがとうございます
前衛的なのに暖かいですね
2014/1/27(月) 午後 0:53