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新・そば通信
新・そば通信は蕎麦屋さん訪問の記事を中心に蕎麦についてのあれこれを紹介します。

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舌は肥えるのか

随分以前のことになるが、
テレビでビールの銘柄当てをやっていた。
グルメの誉れ高いタレントが数名でて
何種かのビールを飲み比べ、その銘柄を当てるという
極めてシンブルな内容だった。
結果は、ほとんどのタレントにとって悲惨なものであった。
しみじみ人の味覚とは当てにならないものだと実感した。

味の善し悪しがわかる表現として“舌が肥える”という言葉があるが、
果たして舌は肥えるものなのだろうか。
“舌は肥える”のではなく、単に経験を積み重ねるだけではないのか。
確かに、より多くの経験を積んだ人間の方が、
そうでない人間より、多くのことを知り得る可能性は高い。
でもそのことと、ものの味が分かるということとは同じではないはずだ。
年齢によっても経験とは別に、味覚や好みは違ってくるように思う。

いじわるな見方をすれば、
グルメとは、経験値の絶対量からくる自信、
平たく言えば
“場数を踏んだくそ度胸”で味についての蘊蓄を語る人間、
といえなくもない。
結婚式や正式な場所でのフレンチや懐石料理など、
緊張のあまり味が分からなかった、
という経験は誰しもあると思うのだが、
その逆の現象として“場数を踏んだくそ度胸”による自信が
あたかも研ぎすまされた味覚の持ち主であるかのように
他人はもとより、
自分自身をすら錯覚させているということもあるかもしれない。

【絶対音感】というものはあるが、
【絶対味覚】というものはあるのだろうか。
もしそんなものはないのだとしたら、
“場数を踏んだくそ度胸”の大声に勝るものはないだろう。
かくして世間では彼のことを、
舌が肥えている!
グルメだ! と賞賛する。

しかし、私は思う
“舌は肥えるのではなく、驕るだけ” なのではと。

気になる言葉(使い)

仕事の関係でコピーも書けば取材も行いますが
その中で以前から気になっている言葉があります。
それは“こだわり”という言葉です。
特に飲食関係の取材先では、聞かない事がないくらい
頻繁に登場してきます。
いわゆる
こだわりの○○○。とか
シェフこだわりの○○○。とか
こだわりの○○○を使った 等々

ちなみに手元にある三省堂の新明解国語辞典をひくと
【拘る(こだわる)】
 どうでもいいこと・(とらわれてはならない)問題を必要以上に気にする、
とあります。
【拘】 を漢和辞典で調べると
 とらえる
 つかまえておく
 かかわる
 かまう
 なずむ
 こだわる
 かかえる
  などとあり
 【拘士・拘束・拘泥・拘留・拘禁】 などが使用例としてあげられています。
なかでもまさに“こだわり”と同義といえる“拘泥”は
『あることに片寄って執着し、融通がきかないこと』とあり、
どうひいき目にみても褒め言葉にはなりえません。

いつごろから“ごだわり”という言葉が
積極的に褒め言葉として使われるようになったのかわかりませんが、
そうなった理由は私なりに想像することはできます。
1.【拘る】の意味にある、どうでもいいこと・(とらわれてはならない)問題を必要以上に気にする、
といった意味の曲解説。
 普通の人、あるいは素人には“どうでもいいこと”と思われることを気にする。
 つまり、プロ意識が表現されことばとして積極的に使われるようになった。
 『素人にはどうでもいいようなことだが、プロには見過ごせない重要事』。
それを“こだわり”という言葉で表現した。

2.漢和辞典にあった“あることに片寄って執着し、融通がきかないこと”ということば。
これは一般的に思われている、“ある種の人間”の特質を表現している言葉だと気づきませんか。

そう、職人=職人気質です。
まさにその職人、ある事に秀でた人間として積極的な意味合いでこだわる人。
つまり、職人=プロ(優れた人)=こだわる人といった論法から、
こだわりが褒め言葉となった という考えです。

私自身は、どうしても辞書的なニュアンスでしか、
“ごだわり”という言葉が受け止められないので、
極力プラスイメージとしては使わないようにしているのです。

“ごだわり”と一言使えば、済む(まさに“済む”だけのことですが)ところを
別の言葉で言い換える訳なので、
それはそれなりに勉強でもあると自分には言い含めていますが、
まさに“ごだわり”という言葉に拘っているのかもしれませんね。

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蕎麦が好きなくせに
臭いを嗅ぎ分けることに関しては全く自信がない私が
敏感にならざるを得ない嗅覚の話

“体力の弱い人間ほど臭いに敏感”説
嗅覚はモノが放つ香り(飛散物質)を嗅ぎ分ける器官なのだけれど、
最も大事なのは身体にとって害をなすものを嗅ぎ分けるということに
その本来の役割があったのではないかと思う。
雑食性の人間にとって食物の所在を臭いで嗅ぎ分け、
補食するという行動がどこまで嗅覚に頼っていたのか定かでないが、
少なくとも、見つけた食物(候補)が自分の身体にとって
害をなすかどうかに関してはかなり有効に
作用していたのではないかと思う。
モノを食べる前に臭いを嗅ぐという行為。
余談だが
同じ行為でも、顔の位置を変えずに、その場の空気全体の香りを嗅ぐという所作は
いかにも良い香りを楽しんでいるように見え
好感が持てるけれど、
食物に鼻を近づけクンクンと臭いを嗅ぐ所作は
行儀の面から良しとされないだけあって、
やはり見ていて気持ちの良いものではない。
それはさておき
嗅覚本来の役割は後者にあったのではないかと思うのです。

嗅覚の最大の役割は、腐ったものとそうでないものとを区分けすることで、
よい香りを楽しむといった面は、
ある意味、あとからおまけのように派生したのではないだろうかと思う。

良い臭いと悪い臭いを嗅ぎ分ける器官としての嗅覚がまったく同じものだとすると
器官として嗅覚の発達(敏感)した人間は、身体が弱いのではないだろうか。
つまり、弱い身体にとって害をなす食物を敏感に嗅ぎ分けなければ
健康体を維持する事が困難だからだ。

逆に嗅覚が鈍感な人間は、多少害をなす食物を食べても、
難なく消化して生き抜いてきたのだと言える。

結果、私は結構強靭な体力(消化器官)の持ち主であるという結論が
導き出されたのであるけれど、多いに自覚もある。
だからといって蕎麦の香りに関して鈍いことに対して
なんの擁護にも弁護にもなっていない。

近頃、真剣に耳鼻咽喉科に行く事を考えている。

※写真はイメージで私の鼻ではありません。

味の評価

味の評価
意外にそれは味そのものではなく
味を提供する人間とそれを享受する人間との
人間関係が大きなウエイトを占めるのではないかと思う。


良い仮定でないことは承知の上で
仮に10点満点で5点の料理をいただいたとして

それが人間的に尊敬出来るすばらしい人が創った料理であれば
(尊敬出来るすばらしい人が創った料理
 というだけで既においしいという気になりませんか)
評価は7〜8点位になり、
逆に、同じ人間やっていて気が滅入るような
はたまたムカムカするような人間がつくったものであれば
(そんな人間が作ったものは先ず食べる事はないだろうけれど)
3〜4点ということになる(だろう)。

それはないでしょうとお思いの方、
冷静自分の記憶を辿ってみてください
きっと思い当たる節があると思います。

だから出来るだけ客観的な評価を加えようとするなら
人を見ない、店を見ないという状況で
戴けばいいという事になるのだけれど
果たしてそれがどんな意味を持つのか
という気がする。

食のリトマス試験紙

食の旨い不味いにリトマス試験紙のような客観的な判断基準はありません。
仮に100人の人間の内、80人が旨いと評価したものでも
自分が旨いと感じなければ、それは旨い食べ物ではないはずです。
しかし人は、100人中80人という数字に心が動かされるところがあります。
寄らば大樹の陰 的な心情が働き、
自分の感覚を信じきれず、大勢に流されるところがあるのです。

また、味はそれを受け止める心のありようにも影響されます。
つまりどういった心がまえで目の前のものを
味わおうとしているかにも味覚は左右されるように思います。

例えば、評判の手打ち蕎麦屋に行く時の心の在り方と、
駅の立ち喰いそば屋に行く時のこころの有り様は大きく違います。

評価を下すコチラ側の味に対する基準が違うのです。

味も味そのものだけでなく
味にまつわるもろもろの要素が影響を与えます。

雰囲気・状況・体調など
つまり客観的な判断基準にはなりえではないのです。

最初にあげたリトマス試験紙を例にいうなら
アルカリ性か酸性かというはっきりとしたターゲットが絞られないのです。
一つの食べ物のどこに重心を置くかで
評価は違ってきますし、
仮に、同じ重心であっても《好み》という
大変厄介(?)というか、最もおもしろい(?)問題がでてきます。

なぜ厄介かというと、《好み》と言えば
それで全ては(たぶん)終わるからです。

好みという言葉が出ると論議は終わります。
でもそういうよりどころがあるからこそ面白いといえるし、
人は人としての尊厳も保てるのではないでしょうか。

他人の好みをどこまで肯定的に受け入れられるか
そこにも人間の価値や自由があるともいえます。

リトマス試験紙は思想であり宗教かも知れません。

少なくとも味に関しては、自分の好みを基準に
同じく他人の好みを受け入れられる寛容さを持てればと思うのです。

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