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小武家放射線科胃腸科医院のブログ
ホームページを補足する情報などをお伝えします。
3月3日(日)、グリーンピアせとうちで開催されましたGREEN-GO-ROUND spin offに救護班として参加しました。

このイベントはトレイル・ランニングという、山を走る競技をイベント化したもので、今回は1周2.4kmの周回コースを1周走るごとに100円が豪雨災害復興のために寄付されるという仕組みになっています。

小雨で寒い中ではありましたが30名近くの方が集まられ、木段の多い周回コースに挑まれました。自分もコースを回らせていただきましたが、登りの木段は数も多く、どこまでも続くような長さを感じました。頂上からの景色は残念ながら存分に楽しむことはできませんでしたが晴れたらきっと美しいと思いました。

救護班としては低体温症を懸念していましたが、周回コースであったため、選手の方々も適宜休みを取りながら走られていて大きなトラブルなく終了しました。

現地へ向かう途中、何カ所も豪雨災害と思われる土砂崩れ箇所を見ました。グリーンピアせとうちの山頂からも近隣の山肌が崩れているところを何カ所も見ることができます。豪雨災害の爪痕を見ながら、懸命に走られるランナーさんを応援した一日でした。

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2月28日(木)、地域の勉強会でお話しさせていただきました。認知症患者の暮らしの様子をVTRで拝見し、地域で長く過ごしていただくために何が必要かのグループワークを行いました。

さまざまな意見が出てきてとても興味深いものでした。地域とのかかわり、家族の目線、医師・看護・介護はどうか…変化していく病状に対してどのように柔軟に対応するかも求められます。

最後にミニレクチャーとして、認知症の基礎知識、フレイルとその予防、地域包括ケアシステムについてお話させていただきました。活発なディスカッションと熱心な聴講で話す側も力が入りました。多くのご参加ありがとうございました。

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在宅医療情報交換会

先日、当院で担当している訪問医療に関わってくださる方々との情報交換会を行いました。お忙しい中、多くの方に集まっていただき感謝申し上げます。

当院と関係スタッフの情報交換という目的もありますが、訪問看護師、ケアマネジャー、理学療法士・言語聴覚士、施設看護師、薬剤師などさまざまな職種の方々の相互の情報交換・交流も兼ねました。予想していた以上に盛り上がり、楽しい会ともなりました。

いろいろなお話をうかがう中で、訪問医療に取り組む中でのみなさんの苦労や工夫・熱意があちこちに感じられました。大変刺激になりましたし、これからも連携を意識して取り組んでいきたいと思います。

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※大変長い記事になっております。

2月7日(木)、中区医師会学術講演会に参加しました。この日は大阪の向坂直哉先生による講演でした。

最近「フレイル」という言葉はあちこちで見かけるようになりましたが、以前は「虚弱」という言葉で表現されていたものを「それではあまりに響きがネガティブすぎる」というので2014年に日本老年医学会が提唱したものが定着してきた、ということのようです。介護保険の区分で言えば要支援〜要介護1・2程度の方までを含むと考えても良いようです。

何にせよ、加齢とともに体力や生理機能(内臓・筋肉・神経ほかの反応)が低下していくこのフレイル、人生100年時代に入りつつある今、避けて通れない問題となっています。もちろん厚生労働省もフレイルには注目しています。

フレイルという言葉の定義を考えたとき、まず最初に思い浮かぶのは筋肉が弱って階段の上り下りが難しくなるようなものですが、これは「身体的フレイル」と言われ、フレイルの一側面に過ぎないとされています。他にも独居・閉じこもりなどの「社会的フレイル」、認知症や抑うつ状態などの「精神心理的フレイル」がフレイルの概念には含まれます。「サルコペニア」という言葉がありますが、これは「身体的フレイル」とほぼ同義と考えていて良いと思います。

2012年から千葉県柏市で介護予防事業の一環として取り組まれた「柏スタディ(東京大学高齢社会総合研究機構)」のお話も披露されました。そこでは研修を受けた市民サポーターが「イレブンチェック」「指輪っかテスト」他を用いて半年毎に対象者を評価。その結果を改善するために何が必要かを考え実行していくプログラムでした。そこには健康長寿のための「3つの柱」が設定されており、それが出来るようにサポートしていくというプログラムになっています。「3つの柱」とは①栄養(タンパク質・口腔機能)、②身体活動(歩行・筋トレ)、③社会参加(就労やボランティア・交友関係)で、そのすべてが健康長寿のためには重要であるとのことでした。

※イレブンチェック、指輪っかテストについてはこちら

具体的に対策の話です。①栄養については向坂先生はタンパク質の重要性を強調されていました。タンパク質の一日の所要量は自分の体重(kg)に(g)を付けたもの…たとえば僕ならば体重75kgなのでタンパク所要量75gということになります。これがなかなか難しく、牛肉豚肉100gを食べてもタンパク質としては13-20gということなので、一日に所要量を食べるのは大変だということに気付きます。特に一般的に「食が細っていく」高齢者にとってタンパク質確保は簡単なことではありません。米や小麦にもタンパク質は含まれますが、これらはタンパク質としての有効性が高くないため注意が必要です(この話はとても大切なことなので後日触れたいと思います)。はっきり言ってしまえば米・小麦はタンパク質としてカウントせず、他で補う方が良いです。肉・魚・豆腐・乳製品・卵…これらをとにかく多く摂ることが大切となります。

①栄養についてはもう一つ、口腔機能が重要です。堅いものが噛めるか、飲み込みはスムーズか。もっとも、タンパク質摂取と連動することなので、堅いものを噛むようにしたり定期的に歯科チェックを受けるなどが対策となります。おしゃべりや歌うことも意外と大切なので、この辺りは③社会参加とも関わってくるところです。

②歩行や筋トレについてはさまざまな形で取り組みが始まっているように思います。広島で言えば「100歳体操」もその一つと言えるかもしれません。テレビ体操やラジオ体操をされている方の話はしばしば聞きますし、よく歩かれている方も居られます。膝や腰の負担を和らげつつ、上半身の筋力も使いながら歩けるノルディック・ウォーキングも見かけるようになりました。

③社会参加についてはとても大切な問題でありながらややその対策が遅れているように思われます。引きこもりや独居から来る精神的なつながりの不足状態は、人間に備わった力の一つである社会で生きていく力を失わせることにもつながりかねません。個人の尊厳を大切にしつつ、他者との関わりを避ける方々に対するアプローチは今後とても大切な課題になることと思います。

さて、いつの間にか講演から大きく逸脱して私見をしまいました。

講演の後半では漢方薬「人参養栄湯」が取り上げられました。フレイルは東洋医学で考えると気虚(食欲がなくなる・何となくだるいなど)と血虚(皮膚が乾燥したり・集中力がなくなったり)が合わさった状態と考えることが出来、それに対応出来るエキス剤が人参養栄湯であるとのことでした。

今回の多施設での検討ではフレイルと思われる対象者への人参養栄湯の投与後、握力や筋肉量の増加が見られたとのことでした。数字として上がってくるのは頼もしいことです。

もちろん、ここまで辛抱強く読んで下さった方であれば、大切なのは人参養栄湯だけではなく、フレイルに対する3つの柱を立てることであるということをご理解いただけるかと思います。

この日の講演後は仲良くさせていただいている先生方とのディスカッションが盛り上がり、時間を忘れるほどでした。しかし、それくらい大切で取り組み甲斐のある課題であると考えています。

人生100年時代を自分らしく歩んでいくために、何が大切なのかをあらためて考えるきっかけになった一日でした。

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医書は仕事柄読みますが、ブログの記事にするのは久しぶりとなります。

神戸大学医学部感染症学講座・岩田健太郎先生の新刊新書を読みました。なんと半年前に約10日間で書き上げられたという本で、ものすごい勢いで岩田先生が書かれた(もしくはボイスレコーダーかもしれませんが)のがうかがえるスピード感漂う一冊です。インフルエンザの話で1冊が書き上げられているわけではなく、感染症予防、ワクチン、抗生剤など、岩田先生の得意分野のお話がアラカルト的に、最新データとともに並べられています。

岩田先生は「いろんな理由が複合的に絡み合って」インフルエンザは毎年冬に流行すると書かれています。その理由のいくつかは「ウイルスは乾燥下で元気になる」「冬は日照時間が少なく」「密閉された建物の中にいることが多いこと」ではないかと書かれています。「効く」「効かない」の議論が尽きないインフルエンザ・ワクチンについても簡潔に触れられており、当然先生も先生のご家族も毎年接種されるそうですがその理由も読めば納得というものです。

抗生剤の功罪、誤用については先生の独壇場。岩田節炸裂で痛快です。また、ワクチン論では近藤誠氏の主張を並べて一つ一つを吟味する(全否定・全肯定ではない)ことの大切さを実践されていました。岩田先生がワクチンを語られるときに根幹とされているのは「双方向的なリスクを認識した上での行動か否か」です。つまり「(自己責任で)定期接種をしないというのであれば、それによって予防できるはずだった感染症に苦しんだり命を落としたとしても、それもまた自己責任ですよ」ということです。

ワクチンを拒否されるのは全く問題ありませんがその理由を見てみると「接種しないリスク」が見落とされがちであると書かれています。接種するとしてもしないとしても「ゼロリスクはあり得ない」ことを認識しておかねばなりません(それには勉強が大切ですね)。

少しこみ入った話になったかもしれませんが、本書は一般の方でも十分読める内容となっています。もし興味がありましたらご一読ください。

今季のインフルエンザもなかなかの猛威を振るっております。高齢者施設での感染拡大、新薬ゾフルーザの耐性ウイルス出現、A型の2種類流行、治癒証明書不要など、さまざまなニュースが医学系サイトにも出ています。手洗い、十分な栄養と休養、人混みを避けるなどして、できるだけインフルエンザを遠ざけてください。

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