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映画感想―武智鉄二

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「源氏物語」

1966年
監督・脚本:武智鉄二
音楽:芝祐久
作者:紫式部

出演:花ノ本寿、浅丘ルリ子、花川蝶十郎、志賀山章、芦川いづみ、紅千登世、山本陽子

★★★
妙に生々しい「源氏物語」だ。光源氏の女性遍歴に目を向けたものである。
芦川いづみは髪型・着物が似合わないな。
明石の上はセンスが良く利発だった筈だが…とんでもない事になっている(T_T)
山本陽子が初々しくて可愛い。

「紅閨夢」

1964年
監督・脚本:武智鉄二
音楽:芝祐久
原作:谷崎潤一郎

出演:芝山千之丞、川口秀子、川口秀延

★★★★
不思議な映画だ。エロスというのは(当然だが)セックスだけではない。
人間の深層心理に隠されたエロスというのはこういうのを言うのかも知れない。
それを舞踏で表現しつくした、という感じだろうか。
暗黒舞踏家の土方巽が出演しているのが、何より嬉しい。本当に嬉しい。
日本舞踊も映画内でののた打ち回る女の姿もヌードショーも、全て暗黒舞踏に繋がるものを感じた。
だからどれも異様な雰囲気を放っている。
この舞踏場面や夢の場面以外の現実世界の映像が、どれも食の場面であるという事も、
人間の欲求を表わしていて面白い。何しろ良く食べる。そしてエロスを感じ、よく眠る。
三大欲求の作品だな。

「黒い雪」

イメージ 1

1965年
監督・脚本:武智鉄二
音楽:湯浅譲二・八木正生

出演:花ノ本寿、村田知栄子、紅千登世、花川蝶十郎

★★★★★
「わいせつ図画公然陳列罪」に問われたという問題作。
三島由紀夫や大島渚が弁護に立ち上がった…と聞くと、何故か親近感を覚える。
米軍基地周辺の女達を描いたもの。演技下手な役者が出ているのが、妙に現実味を帯びている。
作品内で何度も聞かれる飛行機の騒音が、臨場感を出している。
あの騒音と米軍の笑顔とジャズと女…混沌とした世界の中で、青年は地に足がついていない。
日本を犯している(侵している)米軍への怒り、
そんな米軍に汚染され堕落している女(同胞)への憐れみ…。
それが強い意志の下、ではなく無意識の内に噴き出してしまっている。
二つの殺人へと繋がる無意識。何者にも犯されていない女(静枝)が救世主だ。
この女和服を着ている処女というのも純日本の暗示だろう。
米軍基地のフェンスを裸で走るのは、確かに衝撃的だね。

「戦後残酷物語」

1968年
監督・脚本:武智鉄二
音楽:西辺竜
原作:小野年子、五島勉

出演:路加奈子、剣持伴紀、紅千登世、有沢正子、小畑通子、李麗仙

★★★★★
反米・反権思想の強い作品。実話というから驚きだ。
横暴な振る舞いをしているのは米兵だが、日本もそれに手を貸している。
それこそが憤慨すべき、そして憂慮すべき事なのだ。警察や病院でさえも信じられない。
女性だけではなく、日本全体が犯されているのだ!
米の上で犯される女。それは其の儘日本が犯されている(侵されている)事を意味している。
そして犠牲となった女は、米兵に加担しなければいけないという悪循環。
路加奈子演じる小野年子の切実な悲しみが伝わってくる。
映像もまるでドキュメンタリーのようだった。
ラストで流れる年子の歌も胸に響く。

「浮世絵残酷物語」

1968年
監督・脚本:武智鉄二
音楽:芝祐久
原作:羽黒童介

出演:刈名珠理、辰巳典子、小山源喜、宇佐美淳也、小林重四郎

★★★★
浮世絵師・宮川長春は実在の人物だというが、この話は実話なのだろうか?
芸術への異常な執着心が描かれている。芸術は時に残酷である。
才能ある芸術家は、芸術の為ならば全てを犠牲にする。
芸術至上主義のあまり、人の心を忘れてしまうのだ。
この作品を観た後では、あんなに興味のなかった日光東照宮が感慨深く感じる。
エログロというジャンルに入れて良いと思うが、何故か安っぽさはなかった。
石井輝男を少し抑え気味にしたような感じかな。

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