浮遊船

しばらく旅行記が続きます…すいません

邦画 1945年〜51年

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「生きている画像」

1948年
監督:千葉泰樹
脚本・原作:八田尚之
音楽:早坂文雄

出演:大河内傳次郎、藤田進、花井蘭子、古川緑波、笠智衆、清川虹子、河村黎吉

★★★★
画伯「瓢人先生」とその門下生、友人等の交流を描いたもの。
大河内傳次郎演じる瓢人先生がとても魅力的だ。
破壊的で少々荒れ気味の門下生(藤田進)には温かく見守りながらもそっと手を貸し、
謹厳実直だが成果の出ない門下生(笠智衆)には励ますよりも駄目だしをすることで愛情を示す。
職人気質の為に客が寄り付かなかった寿司屋の親爺と瓢人先生が心を通わすところなどは、
職人(絵の道と食の道)同士だからこそ相手の腕を見抜いたのだな。
分野は違っても、ある1つの事において確かな目を持った人物は、何事においても本質を見抜くのだ。
この寿司屋の親爺を演じている河村黎吉とその女将さんを演じている清川虹子が、また良いのだ。
抑え気味のユーモアとホロリとくる人情が絶妙のバランスである。

「手をつなぐ子等」

1948年
監督:稲垣浩
脚本:伊丹万作
音楽:大木正夫
原作:田村一二

出演:笠智衆、初山たかし、香川良介、杉村春子、徳田夢声、村田宏寿

★★★★★
戦後間もない1948年に特異児童の教育を子供の視点から描いた特筆すべき作品。
親・教育者等の大人の苦労も描かれているものの、
大部分は子供同士の触れ合いによる心の変化が描かれる。
このように子供同士が取っ組み合いの喧嘩をしたり
受験や試験に追われる事のない時代と現代とでは「子供の事情」も大分変わってきていると思う。
大人が見守っている、或いはほんの少し方向を定めてやるだけで、
子供同士が手を取り合って協力し合うことができれば、それはとても幸せなことだ。
子供の善意、純粋さ、優しさに任せた教育方法は、現代ではどのくらい通用するのだろうか…。
しかし、大人が愛情を持って子供に接して向き合うというこの映画の姿勢は
現代でも変わらない大切なことだろう。
ひたすら見守る笠智衆の相変わらず抑えた演技もなかなか良かった。

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「母三人」

1949年
監督:小石栄一
脚本:館岡謙之助
原作:川村花菱

出演:水戸光子、三益愛子、入江たか子、夏川大二郎、根上淳、中野暁子

★★★★
新派悲劇である。理不尽でもやもやして、ところどころ憤りを感じるが、結構嫌いじゃない(笑)
一組のカップルがいたが、男は金持ちの女と結婚する為に女を捨てた…
しかし女のお腹の中にはその男の子供がいたのであ〜る…というストーリーだ。
三人の母とは、この産みの母時子(水戸光子)
子供を引き取りたいと言ってきた男の妻…つまり義母真砂子(入江たか子)
困窮していた時子の代わりに子供を育てた、育ての母お光(三益愛子)である。
三人がそれぞれ、この子供を手元に置いておきたいのだが、
真砂子は金や物で釣ってくるし、健気なお光は子供の為を思って真砂子に勝手に引き渡しちゃうし…。
あ〜腹が立つ!!
大体あの腹の立つ妹(中野暁子)の発言を容認するような嫌な女である真砂子を、
最後には純粋な真心を持ったお方だなんて持ち上げて!!
しかも、いくら実の父親とは言え勝手にかっぱらう様な真似をして!
しかも、しかも、結局金で釣ってたじゃないか!
あ〜、唯一の救いはこの子供が田舎に帰ったことだ。お光を選んだことだな。

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