I LOVE CARPENTERS

カーペンターズによるカバー曲を、元曲とともに、安岡孝一が紹介します。

Nowhere Man

Carpentersのアルバム『As Time Goes By』(2001年)の3曲目に収録された「Nowhere Man」(ひとりぼっちのあいつ)。The Beatlesのアルバム『Rubber Soul』(1965年)のA面4曲目が元曲です。この曲をKarenとRichardは、1967年にデモテープとして録音していたのですが、アルバム収録にあたって、デモテープにムリヤリ重ねる形で新たな楽器を追加録音しています。

Tommy MorganのハーモニカとRichardのピアノで始まる前奏に、ストリングスが重なって、すぐにKarenのボーカルが入ります。Karenのボーカルの部分はデモテープから取っているため、デモテープ上の電子ピアノと新たに録り直したピアノとが重なって、かなり不思議な音色です。ストリングスをやや大きめの音量でかぶせ、Earl Dumlerのオーボエに対旋律を歌わせることで、何とかギリギリのバランスを保ちますが、どうしても無理のあるアレンジとなってしまっています。

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The End of the World

Carpentersのアルバム『Now & Then』(1973年)のB面3曲目に収録された「The End of the World」(この世の果てまで)。Skeeter Davisのシングル盤(1962年)で、アルバム『The End of the World』(1963年)のA面1曲目に収録された「The End of the World」(この世の果てまで)が元曲です。「'Cause you don't love me anymore」という歌詞で失恋を歌い上げた元曲を、Richard Carpenterはほぼ同じスタイルでアレンジしています。

Tony Pelusoの「Where were you when this song was No.1!」というDJと共に、Karenのボーカルが入ってきます。Karen自身のドラムとJoe OsbornのベースとRichardのキーボードをバックに、曲が淡々と進みますが、Earl Dumlerのオーボエが入ってくるあたりから、微妙に曲の表情が変わっていきます。サビのハーモニーは、元曲に近いもののRichardの手が入っていて、Karenのドラムのリズムも変えてあります。ただし、元曲とは違って1番で曲が終わってしまい、いわゆる「語り」の部分はありません。

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Knowing When to Leave

Carpentersのアルバム『Carpenters』(1971年)のB面4曲目の最初に収録された「Knowing When to Leave」(去りし時を知って)。元曲は、ミュージカル「Promises, Promises」でヒロインFranが歌う「Knowing When to Leave」(もうさようならの時)で、オリジナルアルバム『Promises, Promises』(1968年)ではJill O'HaraのバージョンがA面7曲目に収録されています。

Earl Dumlerのイングリッシュホルンに続いて、KarenのドラムとRichardのキーボードとJoe Osbornのベースが入ってくるだけの、シンプルな前奏で曲が始まります。この曲でのKarenのボーカルは、いわゆる「早口ソング」スタイルで、イングリッシュホルンとの掛け合いが続きます。「day after day as I wait for the man I need」からはRichardのコーラスが入ってきますが、「早口ソング」スタイルはそのままで最後まで押し切ってしまいます。

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☆ 私のおすすめ:
『Promises, Promises』を試聴

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Breaking Up Is Hard to Do

Carpentersのアルバム『A Kind of Hush』(1976年)のB面5曲目に収められた「Breaking Up Is Hard to Do」(悲しき慕情)。Neil Sedakaのシングル盤(1962年)で、アルバム『Neil Sedaka Sings His Greatest Hits』のB面1曲目に収録された「Breaking Up Is Hard to Do」(悲しき慕情)が元曲です。Neil Sedakaの大ヒット曲を、Richard Carpenterは、元曲と同じロ長調で始めて、半音上がってハ長調で終わるアレンジにしています。

Richardの「Come-a come-a down dooby do down down」を合図に、Jim Gordonのドラム、Karenのボーカル、Joe Osbornのベース、Richardのキーボードが入ってきて、曲がにぎやかに始まります。Tony Pelusoのエレキギターが合いの手を入れ、ストリングスとカスタネットとJim Hornのバリトンサックスが曲を軽やかに進めます。Karenのボーカルが2人分聞こえますが、ほとんど全部が元曲Neil Sedakaのコピーです。でも、間奏ではBob Messengerのテナーサックスがソロを取り、その直後でいきなり半音上がって転調してしまうところが、元曲とは全く違います。

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Get Together

Carpentersのデビューアルバム『Ticket to Ride』(1969年発表時は『Offering』)のA面4曲目「Get Together」(ゲット・トゥゲザー)。The Kingston Trioの『Back in Town』(1964年)のB面1曲目「Let's Get Together」(レッツ・ゲット・トゥゲザー)が元曲です。フォークソングの典型ともいえる元曲に対し、Richard Carpenterは妙にサイケデリックなアレンジを施しています。

Richardのピアノによる前奏に続き、かなりエフェクターのかかったRichardのボーカルが入ります。元曲を知っていると、ここで早くも聞くのをやめたくなるのですが、サビでKarenとRichardのコーラスになって少しホッとします。ところが、チューバが破壊的な音量で入ってきて、またエフェクターの入ったRichardのボーカルに、Karenのバックボーカルまでエフェクター越しです。3番ではフルートも聞こえてくるのですが、Richardがどういうアレンジを目指しているのか、さっぱりわからないままに曲が終わります。ただ、Richardもこのアレンジに納得していなかったのか、『Your Navy Presents』(1970年)ではKarenを前面に押し出したアレンジに挑戦しています。

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Jambalaya (on the Bayou)

Carpentersのアルバム『Now & Then』(1973年)のA面4曲目に収録された「Jambalaya (on the Bayou)」(ジャンバラヤ)。Hank Williamsのシングル盤(1952年)が元曲です。CとG7が交互に出てくるだけのカントリー・ソングを、Richard CarpenterもあえてGとD7だけで押し切っています。でも、アレンジはRichardらしく手を変え品を変え、様々なパターンが現れます。

フルートとドラムのシンプルな前奏に続いて、エレキギターとペダルスチールギターが入ってきます。Karenのボーカルが入ってもそのままのパターンが続き、ボーカルとフルートの掛け合いが続きます。Joe Osbornのベースが入ってくると、今度は掛け合いの相手にペダルスチールギターが加わります。サビではRichardのコーラスが現れ、間奏はBob Messengerのフルート・ソロ。2番ではBuddy Emmonsのペダルスチールギターが頑張って、サビでタンバリンが現れ、2度目の間奏はTony Pelusoのエレキギターがソロを取ります。Richardのオルガン風キーボードがサビに現れて、もうアイデアが尽きたかと思いきや、手拍子とタンバリンとHal Blaineのドラムだけになります。すばらしい。そして全楽器でフィナーレ。手拍子がキッチリ最後を締めて、ギター2本がコーダを飾ります。Richardのアレンジの勝利です。

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Where Do I Go from Here

Carpentersのアルバム『Lovelines』(1989年)のA面2曲目に収録された「Where Do I Go from Here」(愛のゆくえ)。England Dan & John Ford Coleyの『Dowdy Ferry Road』(1977年)のB面1曲目「Where Do I Go from Here」(愛の迷い子)が元曲です。DanとFordのハーモニーに支えられたAORの元曲を、Peter Knightは、やや大仰なオーケストレーションでアレンジしています。

RichardのピアノにEarl Dumlerのオーボエが重なる前奏に続いて、Karenが失恋の痛手を切々と歌い始めます。フルート、ウィンドチャイム、ストリングス、鉄琴が次々に現れて、曲を盛り上げます。サビでKarenは、元曲の「Where do I go from here?」の頭の8分休符を捨てて、1拍目からストレートに入ります。痺れる一瞬です。間奏は、Tony Pelusoのエレキギターと共にト長調から変ホ長調に転調して、最後はさらに変イ長調に転調してしまいます。

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Our Day Will Come

Carpentersのアルバム『Now & Then』(1973年)のB面8曲目に収録された「Our Day Will Come」(アワ・デイ・ウィル・カム)。Ruby & the Romanticsのデビュー・シングル(1963年)が元曲です。リズム&ブルースというよりはスカに近い元曲を、Richard Carpenterは、カクテル・ジャズ風にアレンジしています。

電話の向こうのMark Rudolphが1000ドルを逃したあと、Karenのドラムに乗って、キーボードとコーラスの前奏が始まります。Karenのボーカル「I love you so, and you love me」に、Richardの流麗なピアノが絡むあたりが、とってもおしゃれな雰囲気。元曲Ruby Nashのような泥臭さはなく、ジャズっぽさを前面に出したアレンジになっています。

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Reason to Believe

Carpentersのアルバム『Close to You』(1970年)のA面4曲目に収録された「Reason to Believe」(リーズン・トゥ・ビリーヴ)。Tim Hardinの『Tim Hardin 1』(1966年)のB面1曲目が元曲です。カントリー風のギターが印象的な元曲を、Richard Carpenterは、あえてエレキギターでアレンジしています。

Richardのキーボードと、Louie Sheltonのスリーフィンガー風のエレキギターが絡む前奏に続いて、Karenの「If I listened long enough to you」が入ります。バックのリズムは軽快なのですが、「Knowing that you lied straight face while I cried」というシリアスな歌詞に合わせたのか、Karenのボーカルには微妙な陰があります。また、2番の歌詞の最初を、元曲の「If I gave you time to change my mind」から「If you took the time to change my mind」に、さりげなく変えています。

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You

Carpentersのアルバム『A Kind of Hush』(1976年)のA面2曲目に収録された「You」(ユー)。Randy Edelmanの『Farewell Fairbanks』(1975年)のB面1曲目が元曲です。元曲の字たらずな歌詞を、Karenはあちこち変更して歌っています。

まず最初は、元曲の「When everything else is grey」を「When everything else turns to grey」に変え、次は「And kicks me out to the day」を「And sends me out into the day」に変えています。その直後に、元曲の「You are the crowd that sits quietly and listens to all the mad sense I make」を「You are the crowd that sits quiet, Listening to me and all the mad sense that I make」に変えて、かなり音符を増やしています。その後も細かい変更が続きますが、2番ではとうとう「Just like the old record says」を「Just like the old love song goes」に変えてしまっています。とにかく音符と字数が合わなくて、かなり苦労しているようです。

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