若田光一 宇宙ブログ

国際宇宙ステーションに長期滞在している若田光一が日常を語る

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若田さんに質問

YAHOOきっずの企画で行われた「若田さんへのQ&A」を紹介します。

Q.宇宙の生活で一番不便な事はなんですか? 風呂、寝る時は?

若田:骨や筋肉が弱らないように、毎日1時間以上運動するのは面倒でもありますが、よい気分転換にもなります。やはり、お風呂につかれずに濡れタオルで拭くだけで済ませなければいけないことや、熱々のご飯が食べられないことが一番不便でしょうか。寝るときには、寝袋のようなものに入って寝ますが、無重力なので寝違えなども起こらず、とても快適です。

Q.宇宙での生活は、体に負担がありますか?訓練しないとできないくらいに大変ですか?いま、地球にいる人たちが不自由なく宇宙で生活するにはこれから何年もかかりますか?

若田:身体に負担はありませんが、むしろそのままでは負担がなさ過ぎて骨や筋肉が弱ります。そのために、毎日運動は欠かせません。あとは宇宙放射線が強く、太陽フレアが発生したときなどは、ISSの4カ所に設置されたシェルター部に避難します。
また、ISSでの作業は多種多様で、実験や組み立て作業では間違いが許されません。そのために、事前に十分な訓練が必要ですし、打ち上がってからも練習をします。宇宙旅行は既に行われていますが、不自由なく生活というとまだまだ先のこととなると思います。

Q.若田さんは宇宙の旅が辛くなった時やストレスが溜まった時、どうやってストレス解消しますか?

若田:毎日2時間のジョギングや筋力トレーニングなどの運動でストレスを解消しています。

Q.宇宙から地球はどのように見えますか? 若田さんは前にも宇宙に行ったことがあると聞きました。その時に見た地球と今回見ている地球に何か違うところはありますか?

若田:地上400キロの高度から見渡せる範囲は直径2000kmくらいですが、国際宇宙ステーションから見える地球は、暗黒の宇宙に浮かぶ青く輝くオアシスのような印象を受けます。ヘリの方はきれいなカーブを描き、宇宙空間との境目に薄い大気の層があるのが見えます。昼は海や大地、雲などの自然の営みが、夜は逆に照明による人間の営みが見てとれます。
前回のミッションと比べ、地球の姿には大き違いはないと思いますが、一番の違いは私の方にあります。今回は長期滞在であるため、2週間程度のシャトルミッションに比べて地球をじっくりと観察することができます。雪をかぶった昼の富士山の姿も照明にかたどられる夜の日本列島の形も、いつまで見ていても飽きることがありません。

Q.宇宙には空気がないのに、国際宇宙ステーションでは酸素マスクをしなくても息ができるのはどうしてですか?

若田:もちろん、国際宇宙ステーションは丈夫な壁があり、その中は空気で満たされています。私たちが普段、地上と同じような服を着てふつうに暮らしているのはそのためです。ただ逆に、窓を開けて新鮮な空気を取り込むということができないので、酸素を発生する装置や、二酸化炭素を除去し汚れた空気をきれいにする装置も欠かせないんです。

Q.若田さんはどうして宇宙に行きたいと思ったのですか?

若田:5歳の時のアポロ11号の月着陸で、宇宙への憧れを抱いた事を覚えています。
しかしながら当時は幼心にも、宇宙を舞台に仕事ができるのはアメリカと旧ソ連の人たちだけだと思っていたようです。幼少時代からの飛行機に対する強い興味が、「航空機のエンジニアになる」という具体的な目標になりました。その目標を実現するため、大学、大学院で航空工学を学び、志かなって航空会社の航空機構造の技術者になることができました。
技術者として充実した日々を過ごしていましたが、国際宇宙ステーションの組立や運用に携わる宇宙飛行士の募集を知り、人類に貢献できる大いにやりがいのある仕事に挑戦してみたいという気持ちから応募しました。ですから、私にとって、子供の頃からの航空機に対する強い興味が技術者としての仕事につながり、その過程で学校や職場で学んできたこと、経験してきたことの延長線上に宇宙飛行士になった自分がいるのだと思います。

Q.宇宙に行くのは怖くないですか?

若田:宇宙に行くのは正直言って怖いです。宇宙飛行士の仕事はリスクが伴います。
しかし、人間が宇宙に行くことで、地球人みんなに役に立つ新しい発見や地上での生活を豊かにする新しい技術を得ることができます。有人宇宙開発は人類が永遠に存在するために、リスクあっても取り組む価値のある重要な仕事だと思います。また、私たち宇宙飛行士が、世界の人々と協力し合い、地球の環境を守りながら、共に宇宙での活動の場を広げていくことによって、「地球人」としての価値観と文化を育むことにも貢献できる仕事でもあると思います。

Q.宇宙で長く生活して驚いたことはありますか?

若田:身体がすっかり無重量環境に適応したことでしょうか。2000年10月のスペースシャトルミッションでISSを訪れたときは、まだISSも広くなかったのでそれほど感じませんでした。いまでは割と雑然としたISSの中ですが、身体の重心をうまく取ってかなり速いスピードで且つスムーズに移動することができるようになっています。
逆に、視覚や嗅覚なども地上にいるときとほとんど変化がないように感じます。ですが、先日ロシアの貨物用宇宙船プログレスが到着し、ハッチを開いたときに積み荷のリンゴの香りがISS内にふわーっと漂ってきたときには、懐かしい匂いで嗅覚が研ぎ澄まされた感じがしました。

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