若田光一 宇宙ブログ

国際宇宙ステーションに長期滞在している若田光一が日常を語る

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およそ4ヶ月半の宇宙長期滞在を終えて、まもなく地球に帰還する若田宇宙飛行士。
日本時間の7月26日に軌道上記者会見が行われました。
記者会見の様子はこちらでご覧いただけます。
STS-127/第20次長期滞在クルー合同記者会見

若田宇宙飛行士の日本語での回答を紹介します。

<地球に帰還した後のリハビリ>
帰ったあと、45日間のみっちり詰まったトレーニングメニューがあり、それに従ってリハビリをします。身体に無理をせずにインストラクターの指示に従って、しっかりと体調を整えていきたいと思います。

<国際宇宙ステーションから離れること>
本当に名残惜しい感じがします。ここにいるSTS-127のクルーと一緒に「きぼう」の組み立てを完成するという仕事を担当させてもらえたことに、本当に感謝しています。「きぼう」は、ここにいる13名のクルー(STS-127と第20次長期滞在クルー)、筑波、ヒューストン、モスクワ、ヨーロッパのケルン、ミュンヘン、モントリオールにある各国のコントロールセンターの皆さんのチームワークがあって完成したと思います。
この4ヶ月半、全力でマラソンを走り抜く事ができたと思いますので、思い残すことなく地球に帰れると思います。

<匂わない下着>
最初の2ヶ月間くらいずっと着用していましたが、特に匂いもなく、周りのクルーから文句も出ませんでした。非常に快適に、着けている本人も周りのクルーにとっても非常に快適な着用ができたのではと思います。
参考:JAXA宇宙オープンラボ インタビュー「宇宙で快適な衣服は福祉の現場でも快適」

<帰還後にまず行きたいところ、食べたいもの>
宇宙ステーションにはお風呂がないので、日本の温泉にゆっくりつかりたいと思います。また、ここには生鮮食料品というのがありませんので、お寿司や冷やしたぬき蕎麦を食べたいと思います。

<国際宇宙ステーションへの日本の貢献度>
「きぼう」の船内実験室だけを見てみても、国際宇宙ステーションにある実験棟の中で一番大きいんですね。そこには素晴らしい窓が2つありますし、今回取り付けた船外実験プラットフォームでは、無重力だけでなく、宇宙の曝露された空間における、例えば、高真空という宇宙特有の環境を使った実験ができます。そういう意味では、「きぼう」が提供する実験の能力というのは、世界に誇れるものだと思います。
まさに船外実験プラットフォームが取り付けられて「きぼう」が完成したことによって、実験能力が格段に伸びたと思います。「きぼう」というのは日本が世界に誇れる宇宙の家であり、実験室だと思います。

<2016年度以降の国際宇宙ステーションの運用>
その件についてはクルーで何度も話したことがあります。国際宇宙ステーションの実験施設は素晴らしいものです。この素晴らしい実験能力を維持したまま、クルー6名で運用していく時間が延びるということは、実験の成果をさらに大きく出して伸ばしていくためにも、とても望ましいのではないだろうかとクルーはみんな思っています。そして、私もそのように思っています。

<筑波の「きぼう」地上管制室>
筑波の管制室に限らず、世界の管制チームの皆さんがてきぱきと作業をしてくれたと思います。筑波の皆さんと交信する機会が多かったんですが、ちょっとしたトラブルがあっても、本当に細かくクルーをフォローアップしてくれて、てきぱきと対応してくれました。「きぼう」のハードウェアを作ることはやはり非常に難しいのですが、宇宙ステーションの中で何人も住んで生活をしていくという複雑なシステムを安全に運用していくというのは、それにも増して難しい作業だと思うんですね。
そういう意味で、この1年間、「きぼう」が組み立て始められてから大きな問題もなくここまで運用してきたというのは、まさに筑波にあるフライトコントロールセンターの皆さんの素晴らしいチームワークの成果だと思います。私たちは彼らを信頼していますし、彼らもクルーを信頼してくれていると思っています。

<宇宙から見る地球>
やはり、地球はいつまで見ていても見飽きたりないなあという印象を持っています。地球の環境保護はいろいろなところで議論されていますけども、多くの方々にこの美しい地球、蒼い地球を見てもらい、それで、地球の環境を守っていくということを一緒に考えてもらいたいと思います。やはり世界の宇宙飛行士がここに集まって、この宇宙ステーションから見る地球の美しさと、その感動を多くの方に発信することによって、地球環境の気運を高める力にもなるのではないかと思っています。

<宇宙で使う日本製の機器>
初めて宇宙で使うメカが今回は多かったです。特に、STS-127の飛行9日目では、日本製のメカがすべて活躍して動いたわけですね。それで、初めて宇宙で使う道具というのが結構あったわけです。多少、地上で予想できなかったことが実際に起きましたが、そのトラブルを即座に、地上の筑波の管制室の皆さんが問題を解決して、我々に瞬時にてきぱきと指示を与えてくれました。「きぼう」のロボットアームも初めて操作するものでしたが、全体的に見ると非常にスムーズに運用が進んだと思っています。

<スペースシャトルによる帰還>
耐熱タイルの検査も非常に順調に終わっていますので、シャトルによる帰還については全く心配していません。私は今回の打上げの時に、9年前の宇宙飛行の時にも乗ったディスカバリー号に搭乗しました。そして、1996年に私が初めて宇宙へ行ったときに乗ったのがスペースシャトル、エンデバー号ですが、今回はそのエンデバーが私を迎えにきてくれたわけです。とても懐かしい気持ちでエンデバーに乗って地球に帰還できることを非常に嬉しく思っています。

<宇宙滞在中の家族との交信>
宇宙ステーションでの毎日の仕事を「マラソンを全力で走る」という表現を使わせてもらいましたけども、毎日その厳しいスケジュールをこなしながら体力の限界に近い状態で走り続けているときに、ふと家族、妻、子供、母親や弟と電話で話すような機会がありました。その時にやはり、本当にオアシスを見ているような感じで心がほっと落ち着くような気持ちになったのを覚えています。

若田さんに質問

YAHOOきっずの企画で行われた「若田さんへのQ&A」を紹介します。

Q.宇宙の生活で一番不便な事はなんですか? 風呂、寝る時は?

若田:骨や筋肉が弱らないように、毎日1時間以上運動するのは面倒でもありますが、よい気分転換にもなります。やはり、お風呂につかれずに濡れタオルで拭くだけで済ませなければいけないことや、熱々のご飯が食べられないことが一番不便でしょうか。寝るときには、寝袋のようなものに入って寝ますが、無重力なので寝違えなども起こらず、とても快適です。

Q.宇宙での生活は、体に負担がありますか?訓練しないとできないくらいに大変ですか?いま、地球にいる人たちが不自由なく宇宙で生活するにはこれから何年もかかりますか?

若田:身体に負担はありませんが、むしろそのままでは負担がなさ過ぎて骨や筋肉が弱ります。そのために、毎日運動は欠かせません。あとは宇宙放射線が強く、太陽フレアが発生したときなどは、ISSの4カ所に設置されたシェルター部に避難します。
また、ISSでの作業は多種多様で、実験や組み立て作業では間違いが許されません。そのために、事前に十分な訓練が必要ですし、打ち上がってからも練習をします。宇宙旅行は既に行われていますが、不自由なく生活というとまだまだ先のこととなると思います。

Q.若田さんは宇宙の旅が辛くなった時やストレスが溜まった時、どうやってストレス解消しますか?

若田:毎日2時間のジョギングや筋力トレーニングなどの運動でストレスを解消しています。

Q.宇宙から地球はどのように見えますか? 若田さんは前にも宇宙に行ったことがあると聞きました。その時に見た地球と今回見ている地球に何か違うところはありますか?

若田:地上400キロの高度から見渡せる範囲は直径2000kmくらいですが、国際宇宙ステーションから見える地球は、暗黒の宇宙に浮かぶ青く輝くオアシスのような印象を受けます。ヘリの方はきれいなカーブを描き、宇宙空間との境目に薄い大気の層があるのが見えます。昼は海や大地、雲などの自然の営みが、夜は逆に照明による人間の営みが見てとれます。
前回のミッションと比べ、地球の姿には大き違いはないと思いますが、一番の違いは私の方にあります。今回は長期滞在であるため、2週間程度のシャトルミッションに比べて地球をじっくりと観察することができます。雪をかぶった昼の富士山の姿も照明にかたどられる夜の日本列島の形も、いつまで見ていても飽きることがありません。

Q.宇宙には空気がないのに、国際宇宙ステーションでは酸素マスクをしなくても息ができるのはどうしてですか?

若田:もちろん、国際宇宙ステーションは丈夫な壁があり、その中は空気で満たされています。私たちが普段、地上と同じような服を着てふつうに暮らしているのはそのためです。ただ逆に、窓を開けて新鮮な空気を取り込むということができないので、酸素を発生する装置や、二酸化炭素を除去し汚れた空気をきれいにする装置も欠かせないんです。

Q.若田さんはどうして宇宙に行きたいと思ったのですか?

若田:5歳の時のアポロ11号の月着陸で、宇宙への憧れを抱いた事を覚えています。
しかしながら当時は幼心にも、宇宙を舞台に仕事ができるのはアメリカと旧ソ連の人たちだけだと思っていたようです。幼少時代からの飛行機に対する強い興味が、「航空機のエンジニアになる」という具体的な目標になりました。その目標を実現するため、大学、大学院で航空工学を学び、志かなって航空会社の航空機構造の技術者になることができました。
技術者として充実した日々を過ごしていましたが、国際宇宙ステーションの組立や運用に携わる宇宙飛行士の募集を知り、人類に貢献できる大いにやりがいのある仕事に挑戦してみたいという気持ちから応募しました。ですから、私にとって、子供の頃からの航空機に対する強い興味が技術者としての仕事につながり、その過程で学校や職場で学んできたこと、経験してきたことの延長線上に宇宙飛行士になった自分がいるのだと思います。

Q.宇宙に行くのは怖くないですか?

若田:宇宙に行くのは正直言って怖いです。宇宙飛行士の仕事はリスクが伴います。
しかし、人間が宇宙に行くことで、地球人みんなに役に立つ新しい発見や地上での生活を豊かにする新しい技術を得ることができます。有人宇宙開発は人類が永遠に存在するために、リスクあっても取り組む価値のある重要な仕事だと思います。また、私たち宇宙飛行士が、世界の人々と協力し合い、地球の環境を守りながら、共に宇宙での活動の場を広げていくことによって、「地球人」としての価値観と文化を育むことにも貢献できる仕事でもあると思います。

Q.宇宙で長く生活して驚いたことはありますか?

若田:身体がすっかり無重量環境に適応したことでしょうか。2000年10月のスペースシャトルミッションでISSを訪れたときは、まだISSも広くなかったのでそれほど感じませんでした。いまでは割と雑然としたISSの中ですが、身体の重心をうまく取ってかなり速いスピードで且つスムーズに移動することができるようになっています。
逆に、視覚や嗅覚なども地上にいるときとほとんど変化がないように感じます。ですが、先日ロシアの貨物用宇宙船プログレスが到着し、ハッチを開いたときに積み荷のリンゴの香りがISS内にふわーっと漂ってきたときには、懐かしい匂いで嗅覚が研ぎ澄まされた感じがしました。

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