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2009年6月28日(日) 23:00-23:30 放送 TBS系列 「情熱大陸」 打上げ前の昨年7月から密着取材。ぜひご覧ください。
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2009年6月21日 ISSは現在約350kmの軌道高度を飛行中で、地球を約1時間半で一周するので、1日に地球を16周します。 ISSの軌道面は地球の赤道面に対し51.6度傾いているため、ISSが通過するのは北緯51.6度から南緯51.6度までの範囲です。 「きぼう」の窓から見える、暗黒の宇宙に浮かぶオアシスのような青い水惑星、地球。 その地球の昼と夜の光景から受ける印象は対照的です。 約45分おきにやってくる夜明けと日暮れ。 太陽の当たっている昼間側の地球には、コバルト色から深い藍色に至るまで鮮やかな色をした青い海、強い風が吹いていることを連想させる砂漠の筋や立ち昇る白い積乱雲、噴煙を巻き上げる火山など、大自然の力強い息吹がはっきりと感じられます。 一方、夜の側の地球の光景は、明るい豆電球をちりばめたような眩いばかりの都市の明かり、人間の科学技術力を象徴しているような光がとても印象的で、人間の地球環境に与える影響力の凄まじさを物語っているかのようです。 宇宙を飛行していると、思いがけない地球の光景に出会うことがあります。 この火山噴火の写真は、6月12日に千島列島上空で撮影した写真で、噴煙の頂上部に大量の水蒸気が立ち上っている様子が分かります。 こちら写真はエジプトのカイロで、写真中央にピラミッドが3つほど小さく見えます。 この写真からは、軌道上で大気層を通さずに直射する太陽が、ぎらぎらと輝く灼熱の白球のように見えることがお分かりいただけると思います。 こちらは南米の東側を通過した時に撮影したオーロラの様子です。 ISSからは見えるオーロラは薄い緑色のものがほとんどです。 地球はいつまで眺めていても決して飽きることのない様々な豊かな表情を見せてくれます。 「故郷(ふるさと)の水惑星を包み込み青き大気の光輝く」 若田光一 (イタリア上空にて)
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打上げが約1ヶ月延期されたSTS-127は、「きぼう」組み立ての締めくくりになる重要なミッションです。 微小重力に加え、宇宙空間の高いレベルの真空環境を利用した実験や、天文観測装置などが搭載できる船外実験プラットフォームや、実験装置と通信システムを搭載した船外パレットの取り付けなど、5回に渡る船外活動とロボティクスを駆使した複雑な組み立て作業が目白押しの飛行になります。 また、STS-127ミッションの打上げ時期の延期に伴い、ソユーズTMA18宇宙船のドッキング位置の変更のために、実際そのソユーズ宇宙船に乗り込んで、一旦ISSから離れ、再度別のドッキングポートにドッキングする作業にも参加することになりました。 ソユーズ宇宙船で飛行するのは初めての経験になるので、とても楽しみです。 ソユーズ宇宙船。大気層に包まれた地球が美しい |
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2009年6月20日 水素漏れのトラブルが原因で、スペースシャトル・エンデバー号によるSTS-127の打上げが約1ヶ月延期され、私の地球への帰還もさらに1ヵ月遅れることになりました。 食糧や水、酸素などの必要物資のストックは十分にあり、軌道上の作業は計画変更を行い順調に進んでいます。 打上げ延期の知らせは、17日朝起床後、ヒューストンのミッションコントロールセンターからの連絡で知りました。 STS-127での「きぼう」組み立てミッションに向けて綿密な最終準備を行ってきましたので、その打上げが遅れたことは残念ですが、与えられた軌道上での時間を有効に使い、ISSでの更に充実したシステムや実験の運用と、「きぼう」の最終組み立てに向けて気を引き締めて作業を行っていきたいと思います。 帰還が延びた分「きぼう」を利用した仕事がさらにできるので、とても幸運に感じています。 (スペイン上空にて) |
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2009年6月14日 「きぼう」の組立てを完成させるスペースシャトルエンデバー号によるSTS-127 (ISS フライト2J/A)の打上げが間近に迫り、私のISS(国際宇宙ステーション)長期滞在も残すところ約3週間になりました。 そこで今日は、日本人宇宙飛行士によるISS長期滞在開始の意義についてお話したいと思います。 私が参加した過去2回のスペースシャトルミッションでは、日本やアメリカの人工衛星の回収やISS建設のための作業などを行いましたが、飛行中に分刻みでスケジュールされる作業を地上で事前に何度も訓練し、宇宙での仕事全てを頭と体に叩き込んで飛行に臨む形でした。 しかし今回のようなISS長期滞在では、何ヶ月にも渡る飛行中に行う全ての作業を事前に訓練するのは不可能です。 そのため、飛行中に行う可能性の高い作業に対応するための「知識」と「スキル」を訓練で習得し、軌道上ではそれらを活かして、世界各国の地上運用管制局の支援の下に作業をこなしていきます。 そういう点で、短期宇宙飛行とはかなり異なる経験をしています。 ISS長期滞在の場合、作業内容は非常に広範囲に渡ります。 各国の宇宙飛行士は自分の国の装置だけでなく、各国のISSシステム全体の操作を行わなければなりません。 そのため、長期滞在する宇宙飛行士はISSの運用言語である英語とロシア語を話せる必要もあります。 船外活動やロボットアームを駆使したISSの組立てのための作業、ISSでクルーが生活していくための様々なシステムの操作やメンテナンス、トラブルを起こしたシステムの修理、日本の「きぼう」日本実験棟など各国の実験モジュール内での多岐にわたる宇宙実験の実施、ISSへ届けられた膨大な量の物資の搭載管理、地球観測映像の撮影、広報普及活動、無重力環境下での骨密度や筋力の低下を抑えるための連日2時間の体力トレーニングなど、数々の任務をこなしていかねばなりません。 睡眠と食事時間以外はこのような作業を絶えず行っており、ゆっくりと休む時間がほとんど取れないことも、飛行前の予想を覆す経験です。 ISSでの生活は喩えて言えば、体調を常にモニターしながら全力で走り続ける「マラソン」のようです。 また、過酷な宇宙環境の中で人間が長期間生活していくシステムを維持していくことは、高度な技術と運用経験を要します。 日本が軌道上の恒久的な実験施設を保有し、つくばの運用管制チームが24時間体制で「きぼう」を管制し、つくば側のチームの支援の下に日本人宇宙飛行士が長期滞在を始めたこと。 これは、人間が長期に渡って宇宙で生活していくための非常に複雑な有人宇宙システムを主体的に安全に運用しながら、且つ「きぼう」の性能を最大限に活用して様々な実験運用を行っていく能力を日本が得たという点で、「わが国の有人宇宙活動が新たな段階に入った」と言えます。 この事実が、日本人によるISS長期滞在の開始の大きな意義のひとつだと考えています。 「きぼう」は約1年前に宇宙ステーションに取り付けられてから、大きなトラブルは全くなく、宇宙での過酷な環境の中できちんと動いています。これは品質管理を含めた日本の高い技術力の証だと思います。 今後も日本人宇宙飛行士が継続的にISSに長期滞在します。 今年の12月には野口飛行士が、そして2011年の春には古川飛行士が長期滞在を開始する予定で、また山崎飛行士も来年始めにスペースシャトルによるISS組立てミッションに搭乗予定です。 「きぼう」は国際宇宙ステーションの中で一番大きな、そして大変静かな実験室で、世界に誇れる日本の「宇宙の家」です。 「きぼう」の運用を確実に発展させ、地球低軌道から月面、惑星有人探査と、日本が有人宇宙活動の分野でもさらに世界で重要な役割を果たしていけることを期待しています。 そして私たちの活動を見てくれている子供たちが、宇宙そして科学への好奇心を高め、科学技術立国としての次世代の日本を支えていってくれることを願っています。 このブログの読者の皆さんからも、今回のISS長期滞在ミッションについてのご意見やお感じになっていらっしゃることを伺えれば幸いです。 (マダガスカル上空にて) |






