Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

全体表示

[ リスト ]

7月24日

 みなみ会館で『女経』(大映、1960年)を観る。したたかな女たちをテーマにした、三人の監督によるオムニバスである。私の好きな監督、私の好きな女優ばかり。「女経」(じょきょう)とは、女の身体を通して男が悟りに至ることの由。
 外国輸出用フィルムしか残っていないとのことで、ドイツ語の字幕がついている。少しだけドイツ語の復習にもなり、一本で三本、なかなかお徳な感じの作品。
 第一話「耳を噛みたがる女」(増村保造監督)。主人公(若尾文子)はダルマ船育ち(河縁の船で生活)のホステスで、男たちを手玉にとっているが、大会社の社長令息(川口浩)だけは本当に愛している。令息は令嬢との結婚前夜に主人公と遊びのつもりで一夜を過ごすが、主人公が自分を本当に愛していると知る。だが、主人公は令息の結婚予定を知って、すべては嘘だったと金を要求して、二人の人生はすれちがう。また田宮二郎が登場している。タイトルは、主人公が男の耳を噛んで誘惑することに由来する。ダルマ船暮らしとは、名作『泥の河』を思い起こさせる。
 第二話「物を高く売りつける女」(市川崑監督)。
 流行作家(船越英二)がスランプで家出し、海岸で美しい謎の未亡人(山本富士子)に出会う。未亡人は古い家に独り暮らしで、生活に窮して家の買い手を探している。作家は未亡人の美貌に惹かれて、この老朽家屋を600万円で買う。だが、未亡人は姿を消してしまう。実は、彼女は不動産屋とグルで物件を高く売りつける女だった。だが、作家は彼女を好きになって彼女を見つけ出し、彼女もハンサムで優しい作家との再会を喜ぶ。山本は市川監督『黒い十人の女』を想起させる好演。
 第三話「恋を忘れていた女」(吉村公三郎監督)。 
 主人公(京マチ子)は京都の先斗町のやりての元芸者で、亡夫の跡を継いで今や旅館の経営者。亡夫の父(中村雁治郎)とも、昔は関係をもったことがある。営利主義者の主人公は、旅館で事故に遭った修学旅行生にも冷たく、義理の妹の結婚にも金を出そうとしない。だが、昔捨てた男(根上淳)と再会、男は零落して詐欺師になり、主人公の経営するスナックで警察に逮捕されてしまう。女の恋心を取り戻した主人公は、怪我の貧しい修学旅行生を助け、義妹にも結婚資金を提供する。往年の先斗町の姿が映し出されていて感動的。スナックのホステス役に市田ひろみ、他に叶順子や川崎敬三。吉村監督『偽れる正装』のパロディの感も。
 三人の監督はそれぞれ達者なものだが、やはり大映の現代劇は女優でもっていたことを再確認する。雁治郎はもとより、川口も田宮も船越も逝ったが、京も山本も若尾も健在である。この映画のとおり「女は強し」であろう。

閉じる コメント(2)

顔アイコン

産経新聞の「人、この瞬間」というコーナーで、今日から3回若尾文子さんが、黒川紀章さんとの事を話されるようです。(ずっとワカオフミコだと思っていたらアヤコさんなんですね。母に指摘され恥ずかしかったです。)きれいな方ですね、いつも着物をパリっと着てはって。新聞に使われている写真は少し「太地 喜和子」さんに似てます。(この女優さん知ってる人もきっと少ないですよね。)興味のある方は是非読んでみて下さい。

2008/3/19(水) 午後 1:14 [ mom**ocake*rxyz ]

顔アイコン

3つの物語とも、商才にたけた女性が愛に目覚めるというものです。第一話では、好きな男性の縁談を知り、主人公は身を引いたのではと思われます。結局のところ、女性の神秘については、誰にも答えられないようです。
南座の顔見世に行きました。今年はエビタマ(海老蔵、玉三郎)の共演がありました。客席には海外の若者や京都の学生さんの姿も見受けられました。トラブルといえば、私の場合、生まれた日がトラブルです。母が緊急手術、大雪の日に未熟児で生まれました。朝7時の手術に医学生の皆さんが集合してくれたそうです。

2008/12/9(火) 午前 9:28 [ KIYO ]

開く トラックバック(1)


よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事