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皆さん、色々なコメントありがとうございます。
今日は午後から京都文化博物館で、五所平之助監督『たけくらべ』(東宝、1955年)。脚本は八住利雄。樋口一葉の原作を、今読んでいるところです。
明治中頃の吉原。祭りをめぐって、比較的裕福な表町の子供たちと貧しい横町の子供たちが、対立している。前者の中心は質屋の息子・正太郎(市川染五郎=現・松本幸四郎)、後者のそれはとび職の頭の息子・長吉(服部哲治)である。これに、美登利(美空ひばり)と寺の息子・信如(北原隆)の淡い恋が重なる。少女は表町、少年は横町なのである。
そして、美登利の姉は花魁(岸恵子)で人気者だが、病に身体を冒されつつある。信如の姉も父(佐々木孝丸)の意向で金持ちの妾にされてしまう。それぞれの女の不幸である。
さらに、美登利は初潮を向かえ、花魁になることに。信如も父に失望し、京都の本山の修行に向かう。大人になりたくない少女と大人になりたい少年――二人の初恋の終わりであった。
遊郭・大黒屋の主に柳永二郎、元花魁の荒物屋の女将に山田五十鈴、正太郎の強欲な祖母に毛利菊枝、他にも望月優子、山茶花究、坂本武、飯田蝶子、中村是好ら、名優ぞろい。
とりわけ、落ちぶれた元花魁役の山田の演技が渋い。ひばりは当時17歳だとか。染五郎も幼くかわいい。
吉原の風情が見事に描かれている。
「吉原には門が二つある。男たちの入る極楽門と、女たちの入る地獄門である」――『吉原炎上』冒頭の岸田今日子のナレーションが思い出される。因みに、この作品の朗読は夏川静江(のち静枝)である。
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