Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

邦画 2008年

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10月19日

 ここ数年、けっこう日本映画は観てきたが、一番弱いジャンルがアニメ。
 今夜は自宅で宮崎駿監督『千と千尋の神隠し』(スタジオジブリ、2001年)。
 荻野千尋とその両親は、引越しの途中で不思議なトンネルに迷い込み、両親は魔法で豚にされ、千尋は魔女の湯婆婆の下で、千と名を変えられて、八百万の神々相手の湯屋で働かされることになる。最初は驚くことばかりだったが、ハクという少年や先輩のリン、それに釜爺らが、いつも千を助けてくれた。
 この湯屋には猛烈な悪臭を放つオクサレ神や人間の孤独を体現したカオナシが登場して、大騒ぎ。しかし、千はこれらの事件を乗り越えていく。
 やがて、湯婆婆の双子の姉・銭婆の出現を機に、ハクの正体が琥珀川の神だったことも判明し、千と両親は魔界から解放される。
 いやあ、「食わず嫌い」とは、このことですね。実に面白かった。
 日本版「不思議の国のアリス」でしょうか。
 オクサレ神やカオナシには、ややスカトロの感もありますが、あるいは、パゾリーニのように、過剰な資本主義批判なのか。千やハクのように本名を取り上げれれて支配されるというのも、創氏改名を連想させる。
 舞台のモデルは台湾の九份だと言われていますね。何年か前に学生諸君と旅行したことを、懐かしく想い出しました。また、湯婆婆や銭婆の巨大なヘヤスタイルは、京都の老舗料亭「ちもと」の女将さんがモデルとの由(本人の談)。
 英語版もある由で、こちらでは湯婆婆の声をスザンヌ・プレシェットが演じたとか。ヒッチコックの『鳥』で鳥たちの襲われて死ぬ美女役です。今年1月に亡くなりました。
 この日本語版も、夏木マリや沢口靖子、菅原文太など、豪華な声の出演である。

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不思議の街へ通じるトンネルには、懐かしさを感じました。私の心はまだ少女、なんですね(苦笑)

2008/10/19(日) 午後 11:34 [ たら梅子 ]

スザンヌ・プレシェット・・。ティッピー・ヘンドレンにやんわり火花を散らす幼稚園の先生役でしたっけ。何度見ても、静かな恐怖を感じる作品でしたね。

2008/10/22(水) 午後 9:28 [ mar*nba* ]

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ええええ・・・?スザンヌ・プレシェットって亡くなりんさったとですか・全然知りませなんだ(--;)。当時エリザベス・テイラーの再来とまで言われた美人女優さんでしたがいね。でも『鳥』以外は凡作ばかりで大成されなかったですなあ。二枚目トロイ・ドナヒューと共演した「恋愛専科」も主題曲は良かったけど退屈な映画でしたなあー。
でも女優さんらしい気品がありましたねえ。

2008/10/23(木) 午後 11:14 [ しん ]

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はじめまして!
今朝の「スーパーモーニング」をみて検索してたどり着いたものです。
私は基本日本映画があまり好きではありません。でも、それはあまり日本映画を見てないからで。。。ま、いわゆる食わず嫌いですよね笑

日本映画は好きではないといえ、宮崎アニメはむちゃくちゃ好きです!!
で、今まで、何も考えずに「絵が好き」「話が楽しい」「よくわらかんけど好き」という理由で何度も見ていました。
村田先生の見解には「ほほー」と納得の声をあげてしまいました。
宮崎監督のアニメはぼーっとみてると意味不明で、考えながらみてると、もしかしてもしかして仮想ができるから人を引き付けるのでしょう・・・^^

2008/10/24(金) 午前 9:33 [ turezuretomtom ]

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村田先生、アニメは苦手なのですか。
ヴィリエ・ド・リラダンの「未来のイヴ」を下敷きにした、押井守の「イノセンス」などはどうでしょう。
洗練された映像美(まずこれがすばらしい)と、人間の必要条件(むろん相対的な)について、人間・サイボーグ・人形(ロボット)・動物・神との比較から論じられるアニメ映画です。
僕はもう8回も見ました。

千と千尋の「カオナシ」はやはり苛烈な資本主義への、批判でしょう。(スカトロ?……もしかして先生はお好きなのですか。)
これはつまり「われわれ」なのですね。資本主義にその身を毒された人間たち、カネによって画一化される価値でしか物をみることができない「われわれ」の平均者なのです。

2008/12/31(水) 午前 9:44 [ ips ]

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顔をもたないのは、「犬」という動物が存在しない(イデア論を考えればわかりやすいでしょうか、例えばリトリバーや柴犬というのはある程度示すことができますが「犬」というものは不可能なイデアであるままで可視化しません)のと同じ理由で、彼が資本主義人間たちの「平均値」でしかないからです。

それともうひとつ、「画一化」という資本主義の原理の具現であるからですね。
画一化とは全体の均一化、絵の具をまぜて生まれる色が灰色でしかないように「色」、個性(=顔)を持たないものなのです。


しかしやはり宮崎駿の主流といえば、森と人間(やっぱり資本主義的な性格の)とのさまざまな形の関係性を描くこと。多様な性格をもつ森たちです。
「紅の豚」もいいですがね。
この映画は心底、宮崎監督が、好み楽しんで描いているんだろうなというのが伝わってきて、やはりそういうものは見ている側としても楽しいものです。

そんなわけでジブリは、絵的にも美しいのでオススメします。

2008/12/31(水) 午前 9:45 [ ips ]


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