Koji Murataの映画メモ

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邦画 2009年

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9月6日 邦画105

 今夜は自宅でビデオ。木下恵介監督・脚本『風花』(松竹、1959年)。切ない音楽は木下忠司(監督の弟)。
 信州の田舎で、名家・名倉家から花嫁が嫁いでいく。一方、青年が家を飛び出して、川に身投げを図り、母親がそれを止める。ここから母親の19年前の回想となる。
 春子(岸恵子)は身分の違いを超えて、名倉家の長男と愛し合い子供まで身ごもる。だが、男は出征を控えており、二人は心中を図って川に投身する。春子だけが助かる。実父も自殺したことから、名倉家に引き取られるが、当主夫妻(永田靖と東山千栄子)は春子親子を使用人として扱い、冷遇する。生まれてきた男の子には、なんと捨雄と名づけるのである。
 戦後の農地改革で、名倉家も没落し、当主も不遇のうちに死んだ。未亡人(東山)は息子(細川俊夫)夫婦を相手にせず、美しい孫娘のさくら(久我美子)に良縁を見つけて、家名の再興を期している。このさくらだけが、春子と捨雄(川津裕介)親子に優しかった。捨雄は名倉家を憎んでいるが、さくらを密かに愛していた。さくらは長野一の資産家の家に嫁ぐことになる。女学校時代の友人(有馬稲子)との会話から、さくらは自分も捨雄が好きだったことに気づく。一夜、二人は川べりで抱擁する。
 こうして、冒頭のシーンにつながる。さくらが嫁いだのち、春子親子は名倉家を出る。春を前に小雪が風に舞う。これが「風花」である。
 封建的な因習が二代にわたって男女の恋を引き裂く。木下監督得意のテーマである。
 その封建主義と因習の権化を、東山は見事に演じている。永田もなかなかの貫禄。
 時代が複雑に前後しながら、物語が進展していく。実験的だが、主人公の岸の見た目がほとんど変わらないのが難点か。
 今から50年前の作品ですが、岸、久我、有馬と女優陣はみなご健在ですね。
 他に、笠智衆も名倉家の下男の役で、前半に登場している。
 木下監督作品は49本あります。私が観たことのあるのは、これでようやく20本です。

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古きよき日本の伝統はすばらしいものですが、封建的な制度に人間が縛られる側面もあったのだなあと考えてしまいます。東山千栄子さんと久我美子さんは良家の女性独特の味を出しています。孫娘には没落した名家を出て、成長しそうな家系に嫁がせるというのも、祖母の知恵かもしれません。岸恵子さんをみると『細雪』を思い出してしまいます。
そして『桃さんのしあわせ』を観ました。60年間仕えた家政婦をその家の息子が介護するという物語。モモさんでなく、タオさんと読みます。

2012/12/11(火) 午後 5:08 [ KIYO ]


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