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今夜は自宅でもう一本ビデオを。これで邦画と外国映画を合わせて今年200本目の鑑賞です。
成瀬巳喜男監督『薔薇合戦』(1950年、松竹)。原作は丹羽文雄。いわゆる「中間小説」の大家ですね。
里見真砂(三宅邦子)は兄と勤務先の百合化粧品の乗っ取りを企てたが、背任に問われそうになり、兄は病死してしまう。真砂は財界の大物(新藤英太郎)に出資を頼って、ニゲラ化粧品を設立し、百合化粧品に対抗する。宣伝部長には辣腕の園池(鶴田浩二)をヘッドハンティングしてくる。
真砂の次妹・雛子(若山セツ子)は大人しい性格で、園池に惹かれているのだが、姉の命じるままに社員の日夏(永田光男)と不幸な結婚をする。日夏は妻と園池の関係を勝手に嫉妬した上に、社内に愛人を作り、真砂社長によって札幌に左遷されてしまう。末妹の千鈴(桂木洋子)は自由奔放な性格で、アパート暮らしをして江島(大坂志郎)という冴えない雑誌記者と結婚を約束するが、実はこの男には妻子(妻は千石規子)があった。真砂は若い愛人の小島(仁科周芳=のちの岩井半四郎)を入社させ、会計主任に抜擢する。女社長と会計主任、それに財界大物との関係が、面白おかしく週刊誌を賑わす。江島の持ち込んだ記事だった。
こうして、三姉妹それぞれが挫折を経験し、人生のやり直しを決意する。雛子と園池が結ばれる予感の中で、映画は終わる。
占領下で製作された作品だが、会社乗っ取りや不倫、結婚詐欺など、刺激的な話題に富んでいる。およそ成瀬的ではない。いつもはお淑やかな三宅邦子が女実業家の役で意外性があるし、三姉妹はそれぞれ魅力的だ。だが、鶴田はやや単調な二枚目役にとどまる。大坂演じる情けない江島のほうが、印象が深い。
そう言えば、若山セツ子は谷口千吉監督と離婚し、その後癌で闘病中に自殺しました。谷口の再婚相手が八千草薫です。事実は映画よりも奇なり、かもしれません。
「ニゲラ」って、一体どういう意味でしょうか。
「ニゲラ」も花の名前だそうですね。「百合」に対抗して「薔薇合戦」なのか。三姉妹だから「薔薇合戦」なのか?
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ニゲラはキンポウゲ科でした。和名はクロタネソウ。
英名はlove-in-a-mist又は devil-in-a-bushだそうです。面白いですね。
2009/9/25(金) 午後 4:35 [ KIYO ]