Koji Murataの映画メモ

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邦画 2009年

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10月7日 邦画128

 無事に帰国して、自宅でDVD。
 篠田正浩監督『化石の森』(東宝、1973年)。原作は石原慎太郎、音楽は武満徹。
 治夫(萩原健一)は都内の大学病院でインターンをしている。思春期に母(杉村春子)の不倫を目撃して以来、他人に心を閉ざし、母とは絶縁状態にある。だが、今やラブホテルで働く母は、息子との生活を渇望している。
 ある日、治夫は故郷で高校の同級生だった英子(二宮さよ子)に再会する。妖艶な彼女は美容院で働いており、そこのマスター(田中明夫)の愛人だった。治夫と英子は肉体関係をもつ。これにマスターが激昂し、英子に暴力を加えたことから、二人は毒薬でマスターを殺害することにする。
 他方、治夫の勤務する病院では、少年が脳の手術を受けて聴力を失う。執刀医の教授(浜田寅彦)は患者の母・菊枝に十分な説明を与えていない。治夫だけが菊枝親子の頼りである。だが、菊枝のアル中の夫(日下武史)は治夫と菊枝の関係を邪推し、妻子に暴力をふるう。二人を庇い、治夫は菊枝と肉体関係をもってしまう。それを目撃した少年は、ほどなく視力さえ失う。
 治夫と菊枝の関係に嫉妬した英子は、菊枝にマスター殺しの一件を告げる。治夫の母は英子と親しくなっており、息子を守るために、件の毒薬で英子を殺す。泥沼に陥った治夫は、母を殺害しようとするが、果たせない。
みなが感情を押し殺して化石のように生きているというのが、タイトル「化石の森」の意味。
 他に、治夫の姉の役で、岩下志麻(篠田監夫人)が特別出演。菊枝は息子の治療のために、怪しげな新興宗教に頼るのだが、元医者でそこの僧侶という役に、怪優・岸田森。この人も早くに亡くなってしまいました。82年に43歳で亡くなっています。岸田今日子の従兄弟で、樹木希林の元の夫でした。
 杉村演じる母が英子に言う科白。「男と女は寝るだけじゃダメよ。女にとって、男は社会なの。女は男という窓を通じて社会を知っていくのよ」。
 この母を憎み軽蔑する主人公が、結局は菊枝と不倫関係に陥ってしまうのです。母の不倫と治夫と菊枝との不倫、男の暴力に苦しむ英子と菊枝と、二重のパラレル関係にあります。
 1970年代の懐かしい雰囲気は伝わってきますが、複雑な人間関係と心理描写に振り回されて、ドラマティックでなくなっているような気がします。
 田中明夫というのも、懐かしい悪役・脇役でした。

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ビデオで鑑賞しました。都知事が原作者って事でどんな作品を書いていらしたかちょっと知りたかったです。母が英子に言う科白、「女は男という窓を通じて社会を知っていくのよ」平成の今、そんなのんびりした事は言ってられない、昭和って感じがする。(私だけでしょうか?)

2010/2/22(月) 午後 9:43 [ なお ]

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複雑でわかりにくいストーリーですが、その奥に大切なキーワードが見えるような気がしました。医療問題、真実とは何か、人間同士の憎しみなど。男性にマニキュアをする場面が出てきて、新鮮でした。篠田監督は毎日ピアノを弾いているそうですが、映画製作を何故やめてしまったのでしょうか。
日経新聞の「私の履歴書」で演出家の蜷川幸雄さんの連載が始まりました。どんな記事になるか楽しみです。

2012/4/1(日) 午後 9:34 [ KIYO ]


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