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その後、京都シネマへ。
アリ・フォルマン監督・脚本『戦場でワルツを』(2008年、イスラエル他)。
アカデミー外国作品賞で『おくりびと』の対抗馬だったアニメ作品です。
イスラエルの映画監督アリは、旧友から悪夢の相談を受ける。どうやら、彼らが従軍した1982年のレバノン侵攻に関係がありそうだ。ところが、アリには当時の記憶が欠落している。友人の医師の助言を受けながら、アリは当時の戦友や関係者を訪問し、自分の記憶を回復しようとする。
そこには、「サブラ・シャティーラ大虐殺」という悲劇が隠されていた。子供の頃にアウシュビッツを経験したアリは、この大虐殺の記憶を消し去ろうとしていたのだった。アリが記憶を取り戻した時、ラストの数分だけアニメから当時の記録映像に代わり、大虐殺後の凄惨なシーンが映し出される。
かつてナチスの迫害を受けたユダヤ人たちが、パレスチナ人への迫害に加担するという皮肉を、真正面から、真摯に告発しています。
アニメが醸し出す記憶の幻想的な雰囲気とリアリティが、奇妙に結合しています。
意図的に「記憶喪失」のままでいる日本人にも、ぜひ観てもらいたいものです。
今でも、中東でアフリカで、同じような惨劇が繰り返されているのかもしれません。
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