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自宅でビデオ。
成瀬巳喜男監督『噂の娘』(1935年、PCL)。
舞台は下町の酒屋。老舗だが、最近は左前である。隠居(汐見洋)は飄々と暮らしており、婿の健吉(御橋公)が精勤している。妻はすでに亡くなっており、長女の邦江(千葉早智子)がしっかりも者だ。次女の紀美子(梅園智子)は実は妾との間にできた子供だが、本人はそれを知らず、気ままに暮らしている。
邦江は家族のために金持ちの家に嫁に行く覚悟で、見合いをする。ところが、先方は妹の紀美子を気に入ってしまう。勝ち誇る紀美子を、父が叱責する。だが、その父・健吉も酒に混ざり物を入れて販売していたことが発覚し、警察に連行される。「どうしたんです?」と問う床屋に、「なあに、看板が替わるだけさ」と隠居が答える。
わずか1時間弱ながら、精緻な仕上がり。
当時の風俗がよくわかります。
隠居役の汐見が実に粋で渋い。
他に床屋の主人と客が、三島雅夫と滝沢修と、実に豪華。
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