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二本目は三隅研次監督『編笠権八』(大映、1956年)。原作は川口松太郎。
剣客の権八郎(市川雷蔵)は岡山藩の指南役・神道十兵衛(荒木忍)に見込まれて、藩主の御前試合で岡山藩士を次々に下した。これを逆恨みした藩士たちが権八郎を襲うが、彼は止めに入った十兵衛を誤って斬ってしまう。
権八郎は江戸を去って上方に向かうが、復讐に燃える岡山藩士たちは十兵衛の娘・千草と露路(近藤美恵子)の仇討ちを助勢して後を追う。自分の腕を試したいだけの剣客・小栗典膳(細川俊夫)も、これに加わる。
道中、権八郎は偶然に露路と出会い、仇同士とは知らず剣の手ほどきをして、恋に落ちる。やがて、権八郎の正体が判明し、彼は愛する女の手にかかろうとするが、女も愛する男を討てない。
だが、岡山藩士たちや小栗は、露路の名前で権八郎を京都の南禅寺境内におびき出す。権八郎は小栗らを倒したのちに、千草の手にかかろうとするが、露路がかばう。姉は妹と仇を許す決心をするのだった。
白黒の映像が美しく、雷蔵もまだ若々しい。
権八郎の剣術は「かげろうの太刀」、背中の家紋は編笠です。
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原作は川口松太郎で余韻のある作品でした。藩士の秋田伊織を演ずる夏目俊二さん、清々しく素敵です。親の仇を愛してしまった女。人の世の憐れ、償うことも許すことも難しいものです。
2011/7/26(火) 午後 0:08 [ KIYO ]