Koji Murataの映画メモ

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邦画 2011年

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 その後、東京に向かう新幹線でDVD。
 野村芳太郎監督『拝啓天皇陛下様』(松竹、1963年)。
 山田(渥美清)と棟本(長門裕之)は徴兵され、軍隊で新兵として2年をともにする。山田は字も読めないが、愛すべき人柄で、棟本のほうはインテリの小説家だ。彼らの中隊長(加藤嘉)は愛国者の鑑のような人物で、山田にも目をかける。やがて、彼らの部隊は演習で天皇陛下の閲兵を受ける。山田はすっかり天皇陛下に親しみを感じる。
 やがて、山田は中国にも従軍する。シャバに戻っても仕事がないのだ。敗戦後、山田は偶然に棟本夫妻(妻は左幸子)と再会する。山田は国枝(高千穂ひづる)という未亡人に一目惚れし、一生懸命働くが、相手に去れない。数年後、再び山田は棟本夫妻の前に姿を現し、セイ子(中村メイコ)という婚約者を紹介する。ようやく幸せになれる直前に、しかし山田は酔ってトラックに撥ねられ亡くなってしまう。
 「拝啓天皇陛下様 あなたの最後の赤子がひとり今夜亡くなりました」と字幕。
 他に、藤山寛美や山下清本人も。
 天皇陛下様も登場するが、顔は見えない。
 激動の時代を生きる、庶民のバイタリティーと友情の物語。
 軍隊や権威主義も、コミカルに風刺されている。
 「中隊長殿は頭を撃たれても、天皇陛下万歳と5回も叫んだ」と、山田は信じている。子供の頃、この映画をテレビで観ており、この科白だけは鮮明に覚えていました。
 

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野村芳太郎監督の戦争に対する強烈なカリカチュアを感じました。赤子(せきし)を辞書で引くと、君主に対する家臣を愛情を込めて赤子と呼ぶ、と書いてあります。
西村晃さん扮する二年兵も、除隊するときはやさしくなっていました。平時はだれでもそうなのでしょう。
戦争の狂気に国民が飲み込まれていく様子がコミカルに描かれています。人間もだんだんと狂気に駆られて行く。穏やかだが、グサッと心に突き刺さる反戦映画になっています。
若き日の長門裕之さん、痩せていて、引き締まったいい顔してますね。加藤嘉さん、脇役ながら印象に残ります。一時、山田五十鈴さんと結婚されていたとか。この映画の渥美清さんは、後の寅さんを彷彿させます。

2012/9/7(金) 午後 8:17 [ 金歯 ]


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