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シネ・ヌーヴォへ。
杉江敏男監督『忘れじの人』(1955年、東宝)。原作は織田作之助。
雪子(岸恵子)は娘から、恋人の父に結婚を反対されたという話を聞かされる。相手は船場の名家である。雪子が昔芸者だったことが理由だという。雪子は自分の過去を娘に語って聞かせる。
雪子も船場の旧家の娘だった。実は、彼女は芸者(花井蘭子)の産んだ子供だった。雪子は手代の秀吉(山内明)と惹かれあい、東京に駆け落ちしようとしたが、果たせなかった。秀吉は独り上京し、関東大震災で亡くなったという。傾きかけた家を助けるため、雪子は成金の息子(金子信雄)と結婚した。
やがて、実父が亡くなり、実家は倒産する。雪子が芸者の子だとわかり、嫁ぎ先から離縁されてしまう。雪子は知り合いのお茶屋の女将(浪花千栄子)を頼って、芸者に。ある時、思い出の太左衛門橋で落剥した秀吉と再会するが、彼にはすでに妻子があった。
母の話を聞いて、娘は因習にとらわれず、恋人と上京する決意をするのだった。
岸が娘道成寺を踊りますが、本当に美しい。
浪花の演技は例によって大したものです。
"Winter is gone. Spring has come."と、雪子が秀吉に教えた英語が再会の場で語られます。
橋の上での出会いと別れ。『君の名は』を思わせ、『哀愁』のウォータールー橋のようでもあります。
関東大震災の話は、東日本大震災に重なります。
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