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5月30日に新藤兼人監督の訃報に接しましたが、実はその前夜、出張先の北京で、持って行った新藤作品のDVDを偶然鑑賞していました。
新藤監督・脚本『どぶ』(1954年、近代映画協会)。
川崎に近い河童沼のルンペンの集落に、行き倒れ同然の女・ツル(乙羽信子)が舞い込む。遊び人のピンちゃん(宇野重吉)と徳さん(殿山泰司)が面倒を見ることに。しかし、ツルの頭が弱いのをいいことに、二人は彼女に売春をさせる。他のルンペン仲間も、ツルに無心する。
ある日、ピンちゃんがツルに肉体関係を迫るが、ツルは拒否して家を追い出されてしまう。その上、他の売春婦集団に縄張り荒らしとして制裁を受ける。錯乱したツルは交番から拳銃を持ち出して発砲したため、巡査に射殺されてしまう。
実は、ツルは性病を患っていた。好きなピンちゃんを拒んだのもそのためだ。通夜の夜、河童沼の住人達を慕うツルの日記が発見され、ピンちゃんへの贈り物まで見つかるに及んで、人々はツルを思って号泣するのだった。
日本版『道』といったところか。
乙羽の演技がやや大げさだが、他にも飯田蝶子、藤原鎌足、信励三、菅井一郎らベテランが揃い、日本映画全盛期の力量を示している。
もちろん、売春が合法だった頃の、しかも、貧困が切実だった頃の物語です。
いい作品をたくさん見せていtだきました。新藤氏のご冥福をお祈りします。
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