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再びシネ・ヌーヴォで、『カルロス』第二部と第三部を。
カルロスらはウィーンでのOPEC閣僚会議を襲撃し、サウジアラビアのヤマニ石油相らを人質にとった。だが、リビア人随行員が殺されたことにカダフィー大佐が反発し、さらにアルジェリアの仲介により、カルロスらは莫大な身代金と交換にヤマニたちを釈放した。このため、カルロスは組織を追われる。
国際的に有名になったカルロスに、ソ連やリビア、シリアが接近してくる。ソ連やリビアはサダト暗殺を依頼する。シリアはヨーロッパでのテロが目的だ。シリアの援助をえて、カルロスたちはブタペストや東ベルリンを行き来する。
だが、サダトは別の組織に暗殺され、アメリカのレーガン政権はテロ対策を強化する。しかも、ベルリンの壁が崩壊して、冷戦そのものが終焉してしまう。
この間、カルロスはドイツ人革命家と結婚し、女児まで設ける。肥え太り、落ちぶれたカルロスはシリアを追われ、リビアにも入国を拒否され、最後には仲間に裏切られてスーダンでフランス当局に引き渡されるのだった。
自称革命家のテロリストの栄光と挫折、あるいはゆがんだ理想の堕落の、壮大な物語です。
国際的な左翼集団の利害の錯綜が見えてきます。
主人公はヨーロッパと中東、アフリカを股にかけ、英語、フランス語、そしてドイツ語まで駆使します。
記録映像(とそれらしきもの)巧みに織り込まれています。
これだけの殺人者でも、ヨーロッパでは死刑にならないのですね。
因みに、カルロスも日本でいう「団塊の世代」です。
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『カルロス』が実話と考えますと、OPEC事件の際のサウジのヤマニ石油相、肝の据わった方だと思います。そう感じました。カルロスが唯一信奉するのはマルクス主義だと答えていました。私は、マルクス主義の後半部「人間は機械にならなければならない」というところがひっかかります。(私の読みが浅いのかもしれません)
ともあれ、テロリストとしての、日本赤軍派、岡本公平の名前はいまだにしっかり覚えています。
さて、この映画の時代から30年。シリアのアサドは失脚し、南スーダンが独立したのもついこの間のこと。中東をはじめ、社会主義国の変化に関して、一度村田先生の講義を受けてみたい気がします。
余談ですが、スーダンの音楽は日本の演歌にそっくりです。こぶしがきいていて。
伝説のテロリストが最後はただの太った、酒飲みの、いやらしいおっさんになってしまうのはちょっと哀れで……複雑な気持ちです。
2012/9/15(土) 午後 8:54 [ 金歯 ]