Koji Murataの映画メモ

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外国映画 2012年

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 東宝シネマズ二条へ。
 ティモ・ヴォレンソラ監督『アイアン・スカイ』(2012年、フィンランド、ドイツ、オーストリア)。
 2018年、支持率低迷に悩むアメリカの女性大統領(ステファニー・ポール、サラ・ペイリンそっくり)は、黒人モデルのワシントン(クリストファー・カービー)らを人工衛星で月に送る。「黒人を月に!」「Yes, she can!」がキャッチフレーズだ。
 ところが、月の裏側には、ナチス残党の秘密基地があった。ワシントンはナチスに捕えられ、白人にされてしまう。彼を案内人にして、ナチスのクラウス・アドラー准将(ゲッツ・オットー)とその恋人レナーテ(ユリア・ディーツェ)らは地球に忍び込む。野心家のアドラーは、遅れて地球に到着したナチスの月面総統(ウド・キア)を殺害し、本格的な地球侵略に乗り出す。他方、レナーテはナチスのイデオロギーと現実の乖離に悩み、ワシントンを密かに愛するようになる。
 月からのナチスの侵略に、アメリカ大統領は狂喜する。戦時大統領になれたからだ。「アメリカがまともに戦って勝てた相手は、ナチスだけ」なのだ。やがて、アメリカの誇る宇宙戦艦「ジョージ・W・ブッシュ」が出撃、ナチスも最終兵器搭載の「神々の黄昏」号で迎え撃つ。
 荒唐無稽で痛快な風刺コメディー。
 レナーテは、チャップリンの映画『独裁者』の10分短縮版を観て育っている。
 月面ナチスの国歌は「ラインを越えて行進」というドイツの軍歌で、これはイェール大学の校歌になり、そして、同志社の校歌にもなっています。映画『カサブランカ』でも歌われています。
 アメリカが風刺されているようで、より深く、現代の大衆民主主義とナチズムとの距離の近さが射程にある。やたらインスタント新党の登場する今の日本も、笑ってばかりはいられません。しかし、本当におもしろい作品でした。

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