Koji Murataの映画メモ

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8月26日

 先日観た、大統領と首相に関する映画。
 ヤルマリ・ヘランダー監督・脚本『ビッグ・ゲーム』(2014年、フィンランド、イギリス、ドイツ)。
 人気下降中の米大統領(サミュエル・ジャクソン)を乗せたエアフォースワンが、フィンランド上空でテロリストに撃墜され、生き残った大統領がテロリストの「狩り」の対象になる。偶然出合ったフィンランド人の狩人の少年だけが、大統領の味方だ。CIA長官が女性というのは面白いし、人気下降の黒人大統領は、明らかにオバマを意識している。しかし、背後にある陰謀に具体性が欠けるし、アクションとしても中途半端。フィンランド人の少年が突然流暢に英語を話すのもご都合主義。むしろ、二人に言葉のコミュニケーションが欠けていたほうが面白かったかも。
 小林恒夫監督『2.26事件 脱出』(1962年、東映)。
 2.26事件で九死に一生を得た岡部首相(柳永二郎)を官邸から脱出させようと、首相秘書官(三国連太郎)と憲兵の小隊長(高倉健)が奔走する物語。スリリングな仕上がりで、この時代の日本映画の底力を示している。他に、千葉真、江原真二郎、中原ひとみ、織本順吉ら。確かに、岡田首相がその後、どうやって官邸を脱出したのか、史実を知りません。改めて調べてみようと思います。
 本日、京都シネマで、ロイ・アンダーソン監督『さよなら、人類』(2014年、スウェーデン、ノルウェー、フランス、ドイツ)。ヴェネチア映画祭グランプリ受賞。面白グッズを売る冴えない中年セールスマン二人を軸に、多くのエピソードが重なっていく。1943年に戻ったり、18世紀の王様が登場したり。平凡な日常の繰り返しと人生の孤独、しかし、生きる喜びを淡々と描いたポエムのような作品。セットは周密をきわめる。アフリカからの奴隷をローストしてオルガンのように音楽を楽しむシーンは、実にグロテスク。

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「ビッグ・ゲーム」ご覧になっていない方にはネタバレで申し訳ないのですが、大統領を救出する少年は、実は落ちこぼれ(寸前の?)「ハンター」で、(モデルの)オバマ大統領がここまで虚仮にされるというのは、やはり彼が黒人だからなのでしょうか?
「さよなら、人類」見終わって唖然として、こんなものが商業映画として成り立つのかと思ったのですが、ヴェネチアで賞を取って、映画評には(宣伝文句にしても)「絶賛」の文字が踊っていたので、個人的にはますます理解不能な映画でした。しかし、それゆえに強烈な印象を残す映画とは言えると思います。特にアフリカ奴隷の場面は、なぜかそこだけ英語で、着飾った上流階級と思しき人々がグラス片手に遠くの室内から眺めているというもので、忘れられませんね。

2015/8/27(木) 午前 1:10 [ KS2015 ]


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