Koji Murataの映画メモ

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8月31日

 もう8月も終わりですね。
 先日、神保町シアターの加山雄三特集に。
 まず、本多猪四郎監督『お嫁においで』(東宝、1966年)。
 加山のヒット曲合わせて、若大将シリーズの有島一郎や飯田蝶子が登場。ヒロインは沢井桂子。他に黒沢年男や田村亮。さわやかな青春歌謡映画だが、松山善三脚本らしく、身分の差や幸福論を絡ませている。それにしても、『ゴジラ』の監督がこれを撮るとは意外!
 次に、堀川弘通監督『狙撃』(東宝、1968年)。
 今度は加山は射撃の名手で殺し屋の役。あるヤクザ(藤木孝)の金塊強奪に協力したため、海外の組織から派遣された凄腕の殺し屋(森雅之)に命を狙われる。ヒロイン役に浅丘ルリ子。森はほとんど台詞を話さないが、不気味そのもの。渋い!他に、岸田森や小沢昭一ら。
 
 さて、昨日は公開されたばかりの、北村龍平監督『ルパン三世』を観ました。「あららららら」と、小栗旬のルパンは飄々たるもの。黒木メイサも峰藤子らしくセクシー。ただ、せっかく浅野忠信が銭型警部を演じているのに、軽すぎる気もした。40歳にして「とっつぁん」と呼ばれるのも、お気の毒(こちらは50ですが)。
 全体にお約束どおりの展開で決してドキドキはしないが、カラフルでそれなりには楽しめました。

8月29日

 お久しぶりです。
 ロス、デュッセルドルフと出張してきました。また機内で映画を二本。
 まず、ハル・アシュビー監督『チャンス』(1979年、アメリカ)。
 知的障害をもった庭師のチャンス(ピーター・セラーズ)は、主人の死によって長年住んでいた屋敷を去ることになった。偶然、政財界の大物ランド夫妻(メルヴィン・ダグラスとシャーリー・マクレーン)の知遇を得て、彼の無垢な発言は大統領(ジャック・ウォーデン)にまで引用されるようになる。チャンスは全国的な注目の的となり、やがては彼を大統領に擁立しようとする声までが出だす。
 控えめなコメディで、ニーチェの『ツァラトゥストアはかく語りき』をベースにしている。なかなか知的な作品です。
 1970年代末のアメリカ、それも首都ワシントンの低迷した雰囲気がよく伝わってきます。
 みな力演だが、中でもメルヴィン・ダグラスが渋い。この人、『ニノチカ』でグレタ・ガルボと共演してるんですよ!
 
 帰路ではうって変って、アンソニー&ジョー・ルッソ監督『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014年、アメリカ)。地球を守る諜報機関SHIELDの中にも、ファシストの秘密組織ヒドラが入り込んでい。フューリー長官(サミュエル・L・ジャクソン)も命を狙われる。ロバート・レッドフォードが珍しく悪役を演じる。
 キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンズ)は、いかにもオール・アメリカンな好青年。対する殺人鬼のウィンター・ソルジャーが、実は戦時中の戦友という設定。次回作の予告もなされています。
 こういう映画を観ると、アメリカのセルフ・イメージやハリウッドの定番のストーリー展開、キャラクター設定の、いい復習になります。

8月16日

 お盆休みはいかがだったでしょうか。
 私は仕事でドイツに行ってきました。往復の機内で映画を一本づつ。
 まず、劇団ひとり監督『青天の霹靂』(2014年)。売れないマジシャン晴夫(大泉洋)が落雷で40年前にタイムスリップし、若き日の実父(劇団ひとり)とコンビを組んでマジックをやり羽目に。しかも、自分を捨てたはずの母(柴咲コウ)は、想像とはまったく異なる女性だった。まさに「青天の霹靂」。他に、風間杜夫ら。
 古きよき浅草へのオマージュと『バック・ツゥ・ザ・フューチャー』の日本版的な内容。1980年代のアメリカが50年代にノスタルジーを感じたように、今の日本は高度経済成長期にノスタルジーを感じるのでしょう。
 次に、マーク・ウェブ監督『アメージング・スパイダーマン2』(2014年、アメリカ)。
 スパイダーマンことピーター・パーカー役には、アンドリュー・ガーフィールド。他に、ジェイミー・フォックスら。
 基本的にいつもと同じ構図。悪者たちは、恐ろしく些細な誤解でスパイダーマンを憎悪する。
 そのスパイダーマンは勧善懲悪のアメリカ的価値を体現しており、それに共鳴する個人(幼い子供など)も登場するが、背景になっているものはグロテスクな資本主義(オズコープ社)であり、行政システムの機能麻痺(ニューヨーク)である。アメリカの娯楽映画のほとんどがこうしたパラドックスを背負っており、実はかなり暗い。

8月9日

 台風が関西に迫っています。皆さん、ご注意ください。
 さて、最近観たDVDを3本。
 ロブ・エプスタイン、ジェフリー・フリードマン監督『セルロイド・クローゼット』(1995年、アメリカ)。
 ハリウッドがLGBT(性的マイノリティ)をどのように描いてきたかを辿ったドキュメンタリー。『赤い河』や『レベッカ』などの名作にも、同性愛を読み取っている。ヘイズ・コードなど、ハリウッド映画史を学ぶにも有益。観ていない作品がたくさんあり、知的好奇心を大いに刺激されます。
 次に、パオロ・ソレンティーノ監督『イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男』(2008年、イタリア、フランス)。
 イタリアの首相アンドレオティ(トニ・セルヴィッロ)の野望と汚職を描いた政治映画。アンドレオッティは首相を七期も務め、大統領をめざすが失敗する。この間、モロ元首相が極左の「赤い旅団」に誘拐された際に、事実上見殺しにし、マフィアを使って政敵を次々に葬っていく。 
 しかし、イタリアの政治事情に通じていないと、なかなか人間関係を把握できない。結果として、猫背でシニカル、無表情のアンドレオッティの姿だけが際立っている。因みに、アンドレオッティは昨年5月に94歳で死去した。
 アンドレオッティは毎日、カトリックのミサに通ったが、神様とは話さず、神父と話したと言われる。なぜなら、神様には投票権はないが、神父は有権者だから。
 最後に、川頭義郎監督『涙』(松竹、1956年)。
 浜松で暮らす志津子(若尾あや子)は貧しい女工。父(明石潮)は前科者の旅役者で、志津子は叔父夫婦(東野英治郎と岸輝子)に育てられた。兄(佐田啓二)は飯場を渡り歩く流れ者だ。恋人(石浜朗)がいたが、実家の反対で結婚できない。やがて、見合いで住職の甥(田村高広)と結婚し、地味だが幸せな生活を見出すのだった。
 木下恵介監督の弟子の作品で、淡々とした哀愁をおびている。木下忠司の音楽も切ない。
 

8月1日

 いよいよ8月になりました。
 この間鑑賞したDVDを三作。
 まず、『セプテンバー11』(2002年)。同時多発テロをテーマに、世界11人の監督が11分の短編をつくったアンソロジー。日本の今村昌平は、第二次大戦で負傷軍人が蛇のようになって帰還し、家族や周囲から蛇蝎のごとく嫌われる様子を描き、「聖戦などない」と喝破する。若松監督『キャタピラー』(2010年)を連想させる。イギリスのケン・ローチは、もう一つの911、つまり、チリでアジェンデ政権がクーデターで転覆された1973年9月11日のアメリカの介入を回想してみせる。他にも、聾唖者の視点からの911や真っ黒で音声のない作品など、実験的なものも含む。
 次いで、堀川弘通監督『激動の昭和史 軍閥』(1970年、東宝)。226事件から原爆投下までの時期を描く。東条英機(小林桂樹)とその周辺を中心にしており、登場を悪役にする単純な史観も観れるものの、概ねバランスのとれた描写で、言論機関(毎日新聞)のジレンマもカバーされている。二代目中村又五郎が昭和天皇を演じている。山本五十六役の三船敏郎他、オールスターの配役。これだけでも楽しめます。
 最後に、山村聡監督『風流深川唄』(1960年、東映)。大正年間の孵化w側が舞台。老舗の料亭・深川亭の娘おせつ(美空ひばり)と板前の長蔵(鶴田浩二)はお互いに愛し合っている。深川帝の主人(伊志井寛)も二人の仲を認めているが、恩人の民権運動家(山村聡)のために背負った借金で料亭を手放さなければならなくなり、借金返済のためにおせつを金持ちの嫁にやるよう、親戚一同から詰め寄られる。他に、山田五十鈴や杉村春子、宮口精二ら。単純な筋書きだが、詩情豊かで、大正デモクラシーが背景になっている。

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