またまたご無沙汰したしまいました。
最近観た映画をまとめて紹介します。
まず、DVDから。
カヴィン・ラファティ他監督『アトミック・カフェ』(1982年、アメリカ)。核兵器がアメリカ社会に与えた影響を描くドキュメンタリー。第五福竜丸事件も取り上げられています。1950年代には、原爆が落ちたら、隠れて頭を隠せなどと、大真面目で啓蒙されていました。授業の教材に用いようと思います。
赤狩りを扱った作品を二本。
アーウィン・ウィンクラー監督『真実の瞬間』(1991年、アメリカ)。人気監督(ロバート・デニーロ)が下院非米活動委員会での証言を拒否したため、共産主義者のレッテルを貼られて、社会的に抹殺されていく。マーティン・スコセッシも俳優として登場。サム・ワナメカーが渋い。
マーティン・リット監督『ウッディ・アレンのザ・フロンント』(1976年、アメリカ)。アレン演じる主人公が、赤狩りで追放された脚本家たちに名前を貸して、金儲けし有名になる。脚本のフロント・ページに名前を貸すから「ザ・フロント」。しかし、主人公はリベラルな恋人に影響され、また、友人のコメディアンの自殺に遭遇して、非米活動員会と対決を決意する。シリアスな内容だが、もちろんコメディ仕立てです。
続いて、ロバート・ゼメキス監督『バック・トゥ・ザ・フューチャー PartII』(1989年、アメリカ)。主人公たちは、今度は1985年から2015年に、そして、1955年へとタイムスリップする。2015年といえば来年ですが、自動車が空を飛んでいる。しかし、携帯電話は予想できなかったようです。
以下は、映画館で鑑賞した作品です。
京都シネマで、マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督『フォンターナ広場』(2012年、イタリア、フランス)。1969年にミラノで起こった爆弾テロ事件がテーマ。アナーキストの活動家が誤認逮捕され、謎の死を遂げたことから、左翼と右翼の入り乱れた大事件に展開し、事件を捜査した警視(ヴァレリオ・マスタンドレア)まで最後には殺されてしまう。実話です。のちに誘拐され殺されるモーロ外相(元首相)が、苦渋に満ちた立派な政治家として描かれています(実際、そうだったのでしょう)。
東宝シネマズ二条で、三池崇史監督、宮藤官九郎脚本『土竜の唄』(2014年)。生田斗真演じるダメ警官がヤクザ組織に潜入捜査。幹部の堤真一と兄弟分になるが、やがては東西の抗争に巻き込まれていく。ここまでエンターテイメントに徹すれば、何も考えずに楽しめます。岡村隆史の関西のヤクザ、いい味出してます。
同じく東宝シネマズ二条で、デヴィド・O・ラッセル監督『アメリカン・ハッスル』(アメリカ、2013年)。これも実話に基づく。詐欺師のカップル(クリスチァン・ベイルとエイミー・アダムス)がFBIの捜査官(ブラッドリー・クーパー)に脅されて、政治家を逮捕するための大掛かりな囮捜査に舞い込まれる。しかし、やがてマフィアまで登場して危機一髪。どこまでが真実なのかわからなくなってくる。ベイルはたいへんな俳優です。アメリカの三国連太郎といったところか(これは、かなりの賞賛)。1970年代のアメリカ社会の混迷ぶりが伝わってきます。
最後に、京都文化博物館で、吉村公三郎監督『女の坂』(1960年、松竹)。京都の老舗のお菓子屋の跡取りになった女性(岡田茉利子)の物語。版画家(佐田啓二)をめぐる母娘(母は乙羽信子)の三角関係や、主人公を含む3人の若い女性(高千穂ひづると河内桃子)の恋愛群像、老舗の再建と、テーマが混乱していて、メリハリに欠ける。それでも、沢村国太郎や中村雁治郎、瀧花久子ら、懐かしい名優たちに再会できる。脚本は新藤兼人。
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