Koji Murataの映画メモ

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8月17日

 京都に戻って(帰洛して)、いつもの京都文化博物館で稲垣浩監督『手をつなぐ子等』(大映、1948年)を観賞。脚色は伊丹万作、撮影は宮川一夫。
 昭和12年の京都という設定。
 中山寛太(初山たかし)は知的障害をもった小学生で、学校を転々としている。両親(香川良介と杉村春子)は寛太を案じて、新しい小学校を捜す。その頃、父には召集令状が。
 新しい学校では、校長(徳川夢声)も担任の松村先生(笠智衆)も寛太に理解がある。級友たちも何かと寛太の世話を見てくれる。
 そこに、もう一人の転校生・山田金三(宮田三郎)が現れる。「山金」は腕白坊主で皆の嫌われ者。寛太にもいじわるするが、無垢で善良な寛太にはいじわるが通じない。やがて、「山金」も寛太に心を開き、ともに手をつなぐことになる。
 最後に、相撲大会で寛太は才能を発揮して優勝、無事に小学校も卒業となる。
 太秦小学校など、京都市内の小学校が協力している。
 作中30万人いたとされる知的障害児童への教育のあり方を、決して説教くさくなく問いかけている。子供たちも、笠も徳川も好演である。
 「仰げば尊し」がこれほど感動的とは。この頃の小学校の先生は「訓導」といういいますね。
 伊丹の遺作となった脚本とか。
 巻頭に、体育教師役の伊達三郎がアップで登場して、少し驚き。

8月16日その2

 神戸の実家で母と、木下恵介監督『お嬢さん乾杯』(松竹、1949年を観る。脚本は新藤兼人、音楽は木下忠司。
 石津圭三(佐野周二)は、自動車修理会社を興して成功しているが、34歳で独身である。そこに、知人の斉藤専務(坂本武)が見合い話を持ち込む。相手は没落華族の令嬢で池田泰子(原節子)という美人である。石津は一目惚れするが、泰子は実家の借金を返済するために石津との結婚を決意している。泰子の祖父母(青山杉作と藤間房子)も身分ちがいの石津には冷淡だ。
 やがて、石津は反対していた弟分(佐田啓二)とダンサーとの結婚を認め、自分は泰子との結婚を諦める。だが、泰子も石津の人柄に惚れていることに気づき、石津のあとを追うのだった。
 他に、泰子の母親役で東山千栄子、バーのマダムに村瀬幸子など。
 泰子の音楽の趣味がショパンなら、高知出身の石津のそれはヨサコイ節である。
 泰子に以前別の婚約者がおり、帝大卒だが満州から引き上げてすぐ死んでしまった由。泰子はこの元婚約者と「口づけしたことさえある」と、恥ずかしそうに告白する。時代ですね。
 佐野が朗らかに喜劇を演じている。
 日本に身分というものが残っていた時代だから成り立つ喜劇である。

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