Koji Murataの映画メモ

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9月10日

 明日ヨーロッパに発つのですが、今晩は自宅で小津安二郎監督『宗方姉妹』(東宝、1950年)。脚本は小津と野田高梧、原作は大仏次郎。
 宗方家の姉妹は好対照で、姉の節子(田中絹代)は昔気質、失業した夫の三村(山村聡)を支えて小さなバーを経営している。妹の麻理子(高峰秀子)は自由奔放な性格だ。二人の父(笠智衆)は京都で独り暮らし、癌で静かに死期を迎えようとしている。
 節子は昔の恋人・田代(上原謙)に心惹かれており、田代も節子を愛している。失業中の三村は二人の仲を怪しみ、妻に暴力さえふるう。麻理子も義兄を嫌っており、姉と田代が結ばれることを願っている。
 ようやく節子が三村との離婚を決意した直後、三村は心臓麻痺で死ぬ。心に暗い影を抱いた節子は、田代に別れを告げるのだった。
 妹が姉の古い価値観を詰ると、姉は言う。「本当に新しいものは、古くならないものよ」。父が独り京都に住んでおり、姉妹や田代もしばしば古都を訪ねるが、これらも温故知新のモチーフにつながっていよう。
 逆に、妹の麻理子は父と縁側で鶯を見ていて、「あ!うんこした!」と言う。何かあると舌を出す。でも、さすがは高峰秀子で、品はあるんです。
 山村演じる夫が自暴自棄になっていき、田中演じる妻にビンタをくわせるシーンは迫力。
 実生活では、上原謙のほうが息子の加山雄三に体罰を加えていたそうです。
 それにしても、笠と田中は五歳違いで親子の役とは。

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