Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

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9月28日その2

 今夜は自宅でルイス・ブニュエル監督『昼顔』(フランス、1966年)。フランス映画祭で見逃した作品です。
 外科医のピエール(ジャン・ソレル)と妻のセヴリーヌ(カトリーヌ・ドヌーブ)は、若く美しいブルジョア夫妻。だが、妻は不感症で夫婦の性的交渉はない。
 セブリーヌはマゾヒスティックな好奇心を満たすため、アイナス(ジュヌヴィエーヴ・バージュ)の経営する売春宿で働き始める。源氏名は「昼顔」。午後2−5時だけの勤務である。やがて、「昼顔」は女の喜びを知るようになる。
 そんな彼女にほれ込んだ客のマルセル(ピエール・クレマンティ)は、凶暴なチンピラだった。「昼顔」が出勤しなくなると、マルセルは彼女の自宅にまで押しかけ、ついには夫のピエールを狙撃、自身は逃走中に警官に射殺される。
 全身麻痺になったピエールを、セブリーヌは優しく介護するのだった。
 ドヌーブの美しいこと!
 しかし、このエロティックな映画に、セックスのシーンは直接登場しない。ドヌーブの衣装や、作中の主人公のマゾヒスティックな夢想が、実にセクシーなのである。美しいドヌーブが泥をかけられるシーンなどは、秀逸である。
 売春宿の客に、怪しい東洋人が登場するが、彼は「芸者クラブ・カード」というのをもっている。日本人という設定だろう。明らかに、そうは見えなかったが。

9月28日

 今日は久しぶりに京都文化博物館に。丸山誠治監督『太平洋奇跡の作戦 キスカ』(東宝、1965年)。特撮監督は円谷英二、快調な音楽は団伊玖磨。
 昭和18年、アリューシャン列島のキスカ島には、秋谷司令官(藤田進)以下、日本軍守備隊5千人が孤立し、米軍の攻撃にさらされている。海軍軍令部では激論が戦われるが、第五艦隊司令長官の川島中将(山村聡)と同先任参謀の国友大佐(中丸忠雄)の建策に、軍令部長(志村喬)が同意して、キスカ救出作戦が決行される。
 作戦の任に当たるのは大村少将(三船敏郎)。制海権と制空権を奪われた中で、霧に身を隠しながら一切の通信を絶って、艦隊はキスカに接近する。この間、決死の国友大佐が潜水艦でキスカに先行上陸、秋谷司令官らと詳細を打ち合わせて、救援を待つ。だが、一回目の救援作業は失敗。守備隊は絶望し、第五艦隊の志気も緩むが、大村の冷静で忍耐強い指揮により、ついに二度目で7月に全員救出に成功する。
 その後、米軍は犬二匹を残すのみの無尽の島を攻撃することになる。
 今からすれば玩具のような特撮だが、白黒映像の中でなかなかの迫力を示す。
 キスカが米領だったことから、日本はこの地の占領に固執した由。
 三船と山村、貫禄です。無口な腹芸の指導者というのが、かつての日本的上司の理想でしょうか。
 救出に成功し、三船と藤田が対面するシーンは、地味だが感動的。二人とも黒澤映画で売り出した俳優だ。
 他に、田崎潤、平田昭彦や児島清。児島が実に若い。円谷特撮監督らしく、ウルトラマンの出演者も脇役で顔を出している。
 戦争映画とはいえ、殺戮を目的としない救出作戦で、爽やかな後味を残す。米軍も爆撃以外ではまったく登場しない。そして、女性も一切登場しないのが、この映画の最大の特徴か。
 だが、キスカで救出された将兵の多くも、その後太平洋の別の作戦で散っていったのではないだろうか。

9月27日

 帰宅してDVDで三谷幸喜脚本と監督『ラヂオの時間』(東宝、1997年)。
 あるラジオ局の生放送現場。鈴木(鈴木京香)という主婦のシナリオが採用されて、ラジオ・ドラマに。なかなかのメロドラマのはずだった。ところが、主役の千本のっ子(戸田恵子)という落ち目のスターがわがままを言い出し、設定を熱海からシカゴに、主人公の名前を律子からメアリー・ジェーンに、彼女の職業をパートの主婦から弁護士に変えさせてしまう。ここから無理に無理を重ねて、物語は壮大な方向に。
 プロデューサーの牛島(西村雅彦)と編成部長(布施明)は、千本に迎合し続ける。効果音が準備できずに、元効果音係だった警備員の老人(藤村俊二)まで動員される。
 だが、ご都合主義で結末まで変更しようとする牛島たちに、原作者の鈴木がついに激怒、ディレクターの工藤(唐沢寿明)が義憤にかられて、何とか出演者たちの協力をとりつけ、原作どおりのハッピーエンドに再修正する。
 結局、わがままな千本も満足、編成部長や牛島にとっても、とりあえずのハッピーエンドとなる。
 他の声優役に細川俊之や井上順ら。カメオ出演で、渡辺謙、市川染五郎や桃井かおり、宮本信子ら。
 優しいだけの夫を捨てて昔の恋人と結ばれるというオリジナルのシナリオは、どうも原作者の個人体験と個人願望らしい。
 また、シナリオを勝手に修正された経験を、三谷自身がもっているらしい。著作権の侵害でしょうにね。
 テンポがよく、文句なしに笑える作品。出演者の多くも、いつもの三谷組です。
 一番気に入ったのは、軽薄な業界人の雰囲気をうまく出した布施明。
 「人間に想像力があるかぎり、ラジオには無限の可能性がある」なんて、西村演じるプロデューサーは、ちょっとカッコいいことも口にします。

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