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今夜は東京のホテルでジュリアン・シュナーベル監督『潜水服は蝶の夢を見る』(2007年、フランス・アメリカ)。カンヌ映画祭監督賞など数々の賞に輝いた作品で、以前テレビでご一緒したピーコさんから勧められたが、見逃していた作品です。
フランスの人気女性ファッション雑誌ELLEの編集長ジャン=ドミニク・ボビー(マチュー・アマルリック)はある日突然、脳梗塞で倒れ、左目以外は全身が麻痺してしまう。「ロックトイン・シンドローム」(閉じ込められ症候群)である。体は潜水服を着ているような状態だ。だが、左目以外にも自由なものが二つだけある。想像力と記憶である。この二つは蝶のように飛び跳ねる。
やがて、言語療養士や出版社の女性編集者の協力で、ボビーは瞬きで文字を伝えて、なんと自伝を出版する。瞬きの回数は20万回にも達した。本の出版から10日後に、ボビーは世を去る。
これは実話だそうです。
主として主人公の左目を通じて風景が描かれ、そこに主人公の過去の記憶や空想が交差する。
主人公の父親役にドイツの名優マックス・フォン・シドー(スウェーデン出身ですね、tuneaki999さん、ご指摘ありがとうございます)。久しぶりに見たが、立派にフランス語の台詞を話していました。
「僕の人生は失敗の連続だった気がする。愛せなかった女たち、つかめなかったチャンス」と主人公は回想するが、誰もが何度もこんな思いをしていますね。
詩のように美しく切なく、しかし、心温まる秀作です。
言葉は強し。
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