Koji Murataの映画メモ

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12月28日

 東京から京都に戻って、自宅で増村保造監督『大悪党』(大映、1968年)を観る。原作は圓山雅也弁護士。国会議員になった丸山弁護士ではありません。元祖タレント弁護士です。
 ヤクザの安井(佐藤慶)は組が解散に追い込まれて、食うに困っている。そんな安井が目をつけたのが、長野から上京してきた洋裁学校の女学生(緑魔子)である。安井は彼女を酔わして強姦した上、裸の写真で恐喝し、有名歌手(倉石功)の相手をさせる。だが、実はその様子も8ミリで盗撮しており、歌手と芸能プロダクションを強請るのである。
 困ったプロダクションの社長(内田朝雄)は、悪徳弁護士の徳田(田宮次郎)に相談した。徳田はなんと女学生に安井殺しを示唆し、彼女が殺人を実行すると弁護を引き受け、架空の「兄貴」が安井を殺したことにして無罪を勝ち取ってしまう。
 徳田はプロダクションから500万円を巻き上げ、女も自分のものにできると思うが、逆に女に金を奪い取られてしまう。「私は一事不再理なんでしょう。でも先生の罪は重いわ」。殺人を犯した女は、すっかり別人に変貌していたのである。
 他に、検事役で北村和夫ら。
 増村らしくテンポが早く、佐藤がダニのようなヤクザを好演している。緑も女の弱さや愚かさと恐ろしさを、好演というより怪演している。
 脅迫写真のように、作品全体の白黒が効果的。

12月27日

 上京前に自宅でオリヴァー・ヒルシュビーゲル監督『ヒトラー最期の12日間』(ドイツ、イタリア、2004年)を観賞。ドイツ現代史家のヨアヒム・フェストの著作に基づいており、リアリティがある。2時間半を感じさせない大作。ドイツ人による本格的ヒトラー映画である。
 ベルリン陥落直前、稀代の独裁者ヒトラー(ブルーノ・ガンツ)も追い詰められて神経を病み、孤独感に苛まれている。背中に回した彼の左手は痙攣し、将軍たちを前にすでに存在しない部隊の移動や反撃を命じている。そんな総統とその周辺の様子が、主として若い秘書ユンゲ(アレクサンドラ・マリア・ララ)の目を通じて描かれている。
 あくまで総統の威信に幻惑され続けている者、追従する者、裏切る者と様々である。総じて、男たちよりエヴァ・ブラウン(ヒトラーの愛人、のちに妻)はじめ女たちのほうが気丈である。だが、総統の防空壕の外では、子供たちが武器をとり、親衛隊は市民を見殺しにし、時には殺戮する。ヒトラーやゲッペルスによれば、それは「彼らが自ら選んだ運命だ」。
 狂気の独裁者ですら最期は哀れを感じさせるが、ゲッペルス夫人が多くの子供たちを殺すシーンは鬼気迫る。国際政治学者のジョセフ・ナイによると、これこそがヒトラーのソフトパワーだそうです。
 映画の最後に、晩年のユンゲが登場して証言している。彼女以外にも、ヒトラーの最期に同伴した者のかなりが、最近まで生存しており、うち一人は映画製作段階で存命だったと知り、驚いた。
 主演のガンツはじめ力演で、迫力と重みのある歴史映画になっている。

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