Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

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 今夜は自宅でDVD。またアイルランドものです。
 ジム・シェリダン監督『マイ・レフトフット』(イギリス、1989年)。
 ダブリンの下町。クリスティ・ブラウン(ダニエル・デイ=ルイス)は生まれながらの脳性小児麻痺で、自由に動かせるのは左足の指だけ。飲んだくれのレンガ職人の父と働き者の母、貧しい家庭の常で子供だけは多い。クリスティは知能障害と思われていたが、ある日左足指にチョークをはさんで、「母」(mother)と書き記した。成長したクリスティは、女性小児科医の助けを借りて、画才と文才を発揮する。だが、彼はその女医に失恋してしまう。
 父の死後、クリスティは自伝を出版して一躍有名になる。自伝の書名が『マイ・レフトフット』である。初恋の女医に求められて、クリスティは大金持ちの貴族が主催するチャリティに出席、その豪邸で自分の出番まで介護してくれた看護婦のメアリー(ルース・マッケイブ)に恋をする。二人は高台にデートし、ダブリンの町に乾杯するのだった。
 二人は13年の交際ののちに結婚する。クリスティ・ブラウンの自伝を基にした実話である。
 障害児に対する周囲の憐憫が、やがて芸術家への尊敬に代わる。
 デイ=ルイスは渾身の力演である。両親を演じたレイ・マカナリーとブレンダ・フリッカーも朴訥な雰囲気でよい。メアリー役のマッケイブも決して美人でないところにリアリティがある。
 誠実に力強く生きることを謳歌した作品だ。
 アイルランドの貧富の格差も伝わってくる。
 冒頭で主人公が左足でタイプを打っている。やはり、映画は冒頭ですべてを物語っているわけです。

7月25日 邦画85

 今日も京都みなみ会館で雷蔵祭。木村恵吾監督、八尋不二脚本『千姫』(大映、1954年)。雷蔵三本目の映画出演作。
 徳川家康(大河内伝次郎)の孫で将軍秀忠(伊志井寛)の娘・千姫(京マチ子)は、右大臣秀頼(雷蔵)に嫁いでいる。大阪夏の陣で、大坂城は落城、秀頼もその母・淀君(東山千栄子)も落命するが、千姫は徳川の家臣・坂崎出羽守(山形勲)に救われる。千姫を救った者に、姫を嫁にやると、家康が約束していたのだ。だが、千姫は坂崎に嫁ぐことはおろか、会うことさえ拒絶する。坂崎は憤死してしまう。
 その後の千姫は、役者相手の放蕩生活を重ねる。そこに、坂崎の遺臣・新六(菅原謙二)が住み込み、姫の命を狙うが、そのうちに姫に惹かれてしまう。姫も新八を思うようになり、ついに二人は一夜を共にする。しかし、目付け・桃の井(毛利菊枝)や老中・本多政信(進藤英太郎)らの注進により、家康は遺言で千姫に尼僧になるよう命じる。他方、新六も仲間から裏切りを詰られる。やがて、二人に運命の離別が訪れるのだった。
 『地獄門』を思わせる豪華な作品。出演者も相当なもの。
 とはいえ、東山の淀君役には驚き。他方、菅原の時代劇出演は、私には新鮮でした。さすが、大河内の家康は貫禄。
 京マチ子も余裕で、かつ妖艶です。何人もの女優が千姫を演じていますが、随分と印象が異なるものです。
 

7月24日 邦画84

 京都みなみ会館で池広一夫監督『若親分喧嘩状』(大映、1966年)。引き続き雷蔵祭です。ある方から頂戴したチケットを利用させていただきました。
 時は大正の初期、場所は上海。中国に逃亡していた若親分こと南条武(市川雷蔵)は、誘拐されていた蒙古の姫(江上杏子)を救い、日本に戻る。陸軍の過激派が姫を擁立して、革命騒ぎを企てていたのだ。南条は姫を、政界の大物・木島(三島雅夫)に託し、自らは横浜で亡夫の弟分だった高遠弥之助親分(北竜二)の客分になる。
 横浜では、新興の猪之原(内藤武敏)が仁義を無視して縄張りを拡張、阿片を売りさばいていた。しかも、猪之原は阿片を入手するために、外国人貿易商の手先になって大手企業の乗っ取りを繰り返していた。さらに、その背後には陸軍過激派が糸を引いていた。
 陸軍過激派の若手は木島を殺害するが、蒙古の姫は南条の手引きで海軍によりアメリカに亡命する。南条は陸軍過激派の中心人物(戸浦六宏)を説得、さらに南条の通報で猪之原の阿片窟も警察に摘発される。これを逆恨みした猪之原は南条殺害を企てるが、人違いで弥之助親分を殺害する。南条は猪之原組に喧嘩状を送り、たった一人で対決に赴くのだった。
 雪の大晦日、街頭では救世軍の募金活動が続いていた。
 他に、南条に思いを寄せる芸者・喜久松に小山明子、ヤクザを弾劾する地方新聞の記者に滝田裕介、その妹で救世軍に奉仕する早苗に高田美和など。
 三島や北らベテランは好演だが、女優陣の作中での位置づけが曖昧な気がする。
 この作品の最大の弱点は、悪役の弱さ。いつもカードを手にした気障な猪之原に内藤が扮したが、この人ではヤクザには見えない。典型的なミスキャスト。
 「ペンは剣よりも強し」と新聞記者はヤクザに対抗するが、自らを守る術さえもたない。自らの正義を確信しすぎる人間の弱いところであり、また、恐いところでもある。
 救世軍を登場させたところなど、大正期デモクラシー期の雰囲気を伝えていますが、海軍=善玉、陸軍=悪玉の単純な図式が気になります。
 

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