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広島に原爆が投下されてから64年、犠牲となった方々のご冥福をお祈りします。
京都文化博物館で、佐分利信監督・主演『ああ青春』(松竹、1951年)。脚本は猪俣勝人、音楽は黛俊郎。
東京の有名私学法学部の女子学生・小宮峯子(高峰三枝子)は、学費と生計のために、社交喫茶でダンサーのアルバイトを始める。同級生の学生運動家と女学生・吉川が理性で割り切った同棲生活をしているのに触発されて、峯子も割り切って常連客の舟木(河津清三郎)の誘惑に身を委ね、金品を求めることにした。典型的なアプレゲール(退廃的な戦後派)である。
それでも、峯子はおなじ苦学生の仙石(若原雅夫)に好意を抱いており、さらには、進歩派で学生に理解のある佐竹教授(佐分利)を慕っている。しかし、教授には上品で美しい夫人(三宅邦子)と暖かい家庭がある。しかも、峯子は社交喫茶で働いていることを、教授に知られてしまう。峯子はまた、ある夜酔った勢いで見知らぬ学生に処女を奪われる。
その頃、峯子の友人だった吉川は妊娠して学生運動家に捨てられ、自殺してしまう。佐竹一家と仙石とピクニックに出かけたある日、教授から純愛の尊さを説かれて、峯子はいたたまれなくなり逃げ出してしまう。舟木に誘われるまま旅に出た峯子だが、実は舟木は遊興のために公金を横領しており、服毒自殺してしまう。
心を入れ替えた峯子は、仙石と地道な学生生活に戻る。どこか彼女に心惹かれながらも、佐竹教授は若い二人の青春を暖かく見守るのだった。
少し冗長な気もするが、丁寧に登場人物の心理が描写されている。
「接吻」という言葉が繰り返されて、何かしら新鮮である。
佐分利はさすがの存在感。河津も森雅之に似た中年のニヒリズムと色気を醸し出している。三宅も品のある大人の色気を漂わせている。
他に、不良学生に三橋達也(若い!)、峯子の母に東山千栄子、峯子を口説く酔客に大木実ら。
学生運動の偽善も描かれている。舞台は早稲田です。
中学校や高校の職員室のように、教授が部屋を共用している。この当時はそうだったのでしょうか。
しかし、大学教授たる者、佐竹教授のような風格をもちたいものです。
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