Koji Murataの映画メモ

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9月4日 邦画103

 久々に自宅でDVD。しばらく軽量級の映画が多かったので、少し重みのある作品を。
 吉田喜重監督『人間の約束』(1986年、キネマ東京他)。
 東京郊外の閑静な住宅街。森本家は息子夫婦(河原崎長一郎と佐藤オリエ)、息子の老いた両親(三國連太郎と村瀬幸子)、それに子供たち(長男は杉本哲太)の三世代家族である。
 その森本家で、長らく痴呆症を患っていた祖母が亡くなる。自然死ではない。自殺か他殺か。祖父は自分が妻を殺した、と告白する。しかし、彼も痴呆症である。息子は社内で不倫を続けており、妻は介護に疲れきっている。長男は「呆ければ、もう人間ではない」と断言する始末。父はこの息子を殴り、「人間には口に出してはならないことがある」と諭す。これが一つの「人間の約束」である。
 実は、この家長が実の母を殺したのだった。老父の日記には「あいつが来てやった。あいつは死んだ」と記されていた。捜査に当たった刑事たち(若山富三郎と佐藤浩市)と課長(米倉)の会話。「尊属殺なら最高は死刑なのに、安楽死で情状酌量だと執行猶予になる」、「法律なんて所詮は人間が作った約束にすぎない」。ここでまた「人間の約束」である。
 三國は当時まだ63歳だが、例によって見事な老け役。村瀬に頬ずりするシーンは感動的。村瀬も汚れ役を巧みにこなしている(呆けても、女であることを忘れない。それが時には美しく、しばしば醜い)。村瀬は1905年生まれだから、当時すでに81歳。93年に地方巡業中に88歳で亡くなったとか。なにしろ、築地小劇場に参加していた人です。
 また、若山が老父役なら、どう老けるだろうとも想像してみる。
 すでに若山も河原崎も逝った。三國(今年86歳)が去れば、戦後日本映画の一時代が確実に終わる。本当に、何度も書くが、なぜこの名優が文化勲章をもらわないのだろうか。三國と佐藤、親子共演ですね。
 河原崎演じる長男の科白「男も50になれば先が見えてくる」。よく言われることですが、ふと思うと、私もあと5年で50歳です。さあ、どうしましょう。
 

 さて2本目。今度はクラシック・コメディーに。
 ジーン・ネグレスコ監督『百万長者と結婚する方法』(アメリカ、1953年)。
 ページ(ローレン・バコール)とポーラ(マリリン・モンロー)、ロコ(ベティ・グレイブル)の三人は売れないファッション・モデルで、大金持ちと結婚するために、ニューヨークの高級アパートを賃貸することに。生活のために、勝手に備え付けの家具を質に入れてしまうのだから、恐ろしい。
 三人はそれぞれ、何とか中年から初老の金持ちを掴む。だが、ロコは貧乏な森林警備隊員イーベン(ロリー・カルホーン)に恋をし、ド近眼のポーラも近眼の紳士(実は彼女らの住むアパートの家主)と恋に落ちる。ページだけが初老の紳士と結婚にまでたどり着くのだが、自分が愛しているのはトム(キャメロン・ミッチェル)という若者だと気づく。ページとトムも結ばれるのだが、実はトムこそ百万長者の青年だった。
 美しいカラーで、美女と美術が楽しめます。この頃は英語も上品なものです。「もちろん」といのに、of courseではなく、 naturallyを美女たちは連発しています。
 近視メガネをかけたマリリンも可愛いものです。
 何も考えずに楽しめる一品です。
 因みに、「億万長者」ではなく「百万長者」です。念のため。

 コペンハーゲンから成田への機内で2本。
 まずはデンマーク映画に挑戦。
 カスパー・バーフォイド監督"Kandidaten"(2008年)。"The Candidate"つまり候補者の意味。
 ヨナス・ベックマン(ニコライ・リー・カース)は若くてハンサムな敏腕弁護士で、才媛の恋人ルイーズ(ローラ・クリステンセン)と暮らしている。ヨナスの父も高名な弁護士だったが、犯罪王の殺人事件の弁護を引き受け、敗訴した直後に自動車事故で謎の死を遂げた。ヨナスは今でもそのことが脳裏から離れない。
 ヨナスは父の所属していた超一流弁護士事務所に就職しようとする。しかし、父のパートナーだったマーティンは、ヨナスが父の事故死を忘れられないでいることを理由に、この「候補者」を受け入れない。
 その日の夜、ヨナスは友人に誘われてナイトクラブに出かけ、キャメリアという女性と出会い、一夜を共にする。だが、ホテルで目がさめると、彼女は殺されており、ヨナスのもとには脅迫のDVDが届く。
 命がけで捜査に乗り出すヨナス。実はキャメリア殺害はすべて狂言で、マーティンの陰謀だった。彼が件の犯罪王に脅されて、父を殺した犯人だったのだ。ヨナスは携帯電話にマーティンとの会話を録音して、動かぬ証拠を突きつけるのだった。
 コペンハーゲンの美しい街の風景が楽しめることと、全体に暗い映像が独自の魅力をもっていることを除けば、ニューヨークやロスを舞台にしたハリウッド映画の焼き直しである。それほど、アメリカのエンタメ映画の影響が強いということだろう。
 もちろん、私にはデンマーク語はわかりませんから、英語のサブタイトル(字幕)に頼りました。

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